水作スペースパワーフィット+Sのレビュー
(2024/7/16 修正)
ここ数回にわたりまして小型水槽向けの水中ポンプについてレビューしています。
前回は、エーハイムコンパクトポンプ300のレビューしてみました。
今回は、アクアリウムの静音製品に力を入れる「水作」から発売されている、スペースパワーフィット+S(SPF+S)についてのレビューをしていきたいと思います。
このフィルターは小型水槽向け水中フィルターで、分解して組み直せば水中ポンプとしても利用が可能なの優れものです。
分解した写真を利用しながら、その利用方法やエーハイムのディフューザーとの接続方法を紹介していきたいと思います。
※記事内に登場する器具は全て自腹で購入したものです。また、作成から月日が経過しており、現在と乖離している点もあると思われます。あしからず。
手に入りやすさは◎
さて、水中ポンプはアクアリウムにおいて必須の存在です。
水流を作ることもさることながら、フィルターとして利用できるものもあれば、ディフューザーしての役割を担うこともできるからです。
その多用途性からも示されるように、実に多種多様な機種がメーカーから発売され、濃厚なラインナップが陳列棚で咲き誇っています。
「水中ポンプ」という言葉こそ大変馴染みやすいものではありますが、販売会社や機能によって結構値段がバラバラで、大変奥の深い商品群を更生しています。
例えばエーハイムコンパクトポンプやカミハタリオなどは熱帯魚屋さんにしかありませんが、GEXF1フィルターやSPF+はホームセンターでもよく見かけるほど、身近な存在です。
今回はそんな、どこでも買える「静音」水中ポンプことスペースパワーフィットの紹介をしていきたいと思います。
さて、「どこでも手に入る」というのは趣味を長く続けていくうえでとても重要なことです。
何をするにも専門店、そこに行くには、週末まで待たなければ、店舗が遠ければ情熱も冷めてしまいますし、なによりトラブル時には事態が悪化しやすいです
思いついたこと、やりたいこと、これがすぐにできる環境は趣味を継続するうえでにとっては大切なことであり、いつでも営業しているホームセンターのような存在が非常時に心強く感じるときも多いです。
以上の理由から、「手に入りやすさ」は商品レビューする上では重要な項目だと、ごん太は常々考えています。
水作 スペースパワーフィットプラスS(SPF+S)
さて、今回レビューするSPF+Sは水中ポンプではなく、水中フィルターです。
では水中ポンプという題目でレビューしているんだ!ということになるのですが、
セット一式を組み替えると水中ポンプとして利用できる
これがその理由です。
そんな話の前に、まずはごく一般的な利用方法であるフィルターとしてのレビューを簡単にしておきたいと思います。
水中フィルターとしてのスペースパワーフィット+S簡単レビュー
さてこのスペースパワーフィットですが、当然ながら水中フィルターです。
専用のウールマットと交換ろ材、さらにはスポンジと活性炭などのろ材はもちろん、水流を弱めるための構造、さらに専用シャワーパイプもあり、水中ポンプとして、フィルターとしても必須なパーツが1セットでほとんど梱包されています。
その特徴を利用し、我が家では睡蓮鉢のメインフィルターとして、6カ月程稼働していたことがあります。
ウールの代わりに細かいセラミックろ材(エーハイムサブストラット)をろ過槽にたんまりと詰め込めて利用。
小型水槽向きではありますがろ過の効いた水を作れました。
なかなか小回りの利いたフィルターだと言えるのではないでしょうか?
スペースパワーフィット+Sの構造
そのスペースパワーフィットですが、その構造的には大きく……
1、パワーヘッド部分
2、ろ材が入るケース部分
3、ろ材ケースの底蓋部分
の3パーツからできています。
水中フィルターとして利用する際はこの1~3のパーツを組み合わせ、内部にろ材を入れたうえで、パワーヘッドにシャワーパイプをセットして利用するわけです。
水中ポンプとして利用する場合は↑の欄から2を抜いて1と3だけ組み合わせます。
なお、ディフューザーは付属しておらず別売りですので、スペースパワーフィットでエアレーションをした人は別途購入しておく必要があります。
と、構造の紹介はここまで。
以下タイトル通り、水中フィルターとしてではなく、水中ポンプとして利用した際のレビューとなります
分解前のSPF+S |
これとの出会い
過去、エーハイムのコンパクトオン300と同社のディフューザーを接続して利用していました。
しかし、コンパクトポンプの振動が強すぎ、さらに水槽台が共振して騒音が出てしまうので、その利用をあきらめた経緯があります。
当然振動が少なく騒音が出にくい水中ポンプはないものか?
と、しばらく探し周りいきついたのがこのフィルターです。
値段もそれほど高くはありませんし、どこにでも売っています。
さらに水作と言えば静音なエアポンプで知られる「水心」を販売しているメーカーでもあります。
「物は試し」というわけではありまえんが、気軽に手に取り使うことにしたわけですが、やはり静音性に秀でる優れものでした。
スペースパワーフィットプラスS(SPF+S)の良い点
フィルターだけでなく、水中ポンプとしても利用できる
上でも記した通り、水中フィルターとしても、水中モーターとしても利用できます。
これって、水中ポンプ専業なエーハイムコンパクトポンプやアタッチメントが必要なカミハタのリオに比べたら結構便利なポイントだと思います。
溶存酸素なのか? 硝化作用なのか? それとも両方なのか?
現在の水槽に不足している物を1台で補うことができるからです。
が、気になる点もあります。
そもそも、水中ポンプとしての利用については、説明書に記載されておらず、当然メーカーの保証外の使い方です。
当然、改造に含まれますので注意が必要です。
エーハイムのディフューザーとホースなしで接続できる
さて、そもそもわたしは、これをエーハイムのディフューザー(12/16用)と接続するために購入したワケです。
して、エーハイムも緑のホースを用いないと接続できないかのディフューザー。
なんとも目立ち、水景が残念なことになりがちだという話は、前回記した通りです。
が、このフィルターを使うなら話は別。
なんと本来なら付属品のシャワーパイプと吐出口を接続する専用パーツを流用すれば、ホースなしで接続することができるのです!
さて、その実際の使用感ですが、コンパクトポンプ300利用時と比べ残念ながら水流が弱く、45cm規格水槽を基準として見るとディフューザーからのエアの出が弱いようで、エアレーションとして期待しない方いいでしょう。
そのため、30cmキューブまでの小さめな水槽のディフューザーとして向いていると思います。
エーハイムのディフューザーとシャワーパイプ接続パーツと パワーヘッドとろ材ケースの蓋を組み合わせると・・・ |
このような形になりディフューザーが利用できます |
とにかく静音!!
このフィルターの最大のメリットは静音であることです。
ここで、SPF+SとGEX F1フィルターやテトラマイクロフィルターの消費電力を比較してみましょう。
・水作 SPF+S
→消費電力2W
・GEX F1フィルター
→消費電力4.3W/3.2W(50Hz/60Hz)
・テトラマイクロフィルター
→消費電力3.0w/2.6w(50Hz/60Hz)
他の水中フィルターより消費電力が少ないのが、お分かりいただけるかと思います。
一説ではありますが、水中ポンプの消費電力が低いほど静音性は高くなるといわれています。
SPF+Sは群を抜いて消費電力が少ないですから、それだけ比較的静音性が高いと言う事ができるのです。
水槽の無音化したい人には、心強いポンプと言えます。
スペースパワーフィットプラスS(SPF+S)の残念な点
パワーが弱いので水流が弱い
しかし当然、消費電力が弱いため……
吐出流量が少なめです。
先述の通り、エーハイムディフューザーは外部フィルターとの接続が想定されており、このフィルターと接続するとエアの量はとても少なくなります。
パワーヘッドとしては気になる弱めな水流ですが、これは同社製品の水作エイトのように、内部で緩やかな流れを作り出し、ゆっくりとした生物ろ過を成すためにのものだからです。
流量が少なく静音だという点は、意図的なものだと言えます。
対して、GEXのF1フィルターと大きさも形もよく似ており、常に比較の対象となるのですが、両社は似て非なるものだと言い切ることができます。
F1フィルターは流量多め、回転数でろ過を稼ぐコンセプトだからです。
形こそ同じですがろ過の哲学が違うということですね。
舞姫は接続できない
一応ですが今はやりの、舞姫(オロチの弟?妹?)もポン付け(=無加工での取り付け)できます。
ただし、吐出水量が少ないのか? それとも接続が不完全なのか?
エアはGEXのF1フィルターと比べて弱く……というより、ほとんどエアが出ません。
あまりに泡が少ないので、舞姫の使用にあたりこのフィルターとの接続をやめ、素直に推奨されているGEXのF1フィルターを購入するほどです。
大変残念ではありますが、静音ポンプでマイクロバブル!
という夢の組み合わせはできないようです。
静音で美しい泡を作ろうとした試みは失敗に終わった…… |
というわけで、水中ポンプとしてのスペースパワーフィット+Sの話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
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