GEX コーナーパワーフィルター F1をレビュー
(2024/7/17修正)
ここ数回、小型水中ポンプついてレビューをしています。
今回は、スペースパワーフィット+Sのライバルと目される、
GEXのコーナーパワーフィルターのF1(以下GEXF1フィルター)について述べて見たいと思います。
何と言っても付属のアクセサリが豊富なのが特徴。
様々な状況で利用できる実に融通の利くフィルターなのです。
※
この記事に登場する器具は全て自腹で購入したものです。
GEXF1フィルターとスペースパワーフィット+Sを簡単比較
似ているようで違う!?
GEX F1フィルターと水作 スペースパワーフィット+S。
メーカーは違えど、サイズや色、ろ過方法に値段帯など、何もかもよく似ています。
しかし、結論を言うならば、両者は全く異なる【コンセプト】の水中フィルターです。
その理由は、形は同じですが【ろ過の哲学】がまるっきり違うからです。
(詳しくは後述)
そのため、F1フィルターの代用としてスペースパワーフィット+S、もしくはその逆というような利用方法は少々難しいと言えるでしょう。
双方ともキャラが立っているフィルターなのです。
ろ材容量の比較
では、両者を比較するとどのような違いが表れるのでしょうか?
まずは、非常にザックリとした指標であるろ材容量について調べてみたいと思います。
調査方法としては、まず分解しフィルターケースから純正ろ材やスポンジをすべて取り払い、エーハイムサブストラットをぎりぎりまで詰め込みます。次いで、これを取り出し計量カップでその体積を測定してみました。
結果、GEXF1フィルター の容量は150ml、対してSPF+Sは160ml。
両者のろ材容量はほぼないと言えるでしょう。
なお、今回の測定法では詰め込んだ際に隙間のできるろ材を利用して測定しました。そのため、実際のろ材容量はこれよりも大きいという事ができるでしょう。
ただし、双方の関係性(差)は変わらないと思われます。
そんなわけで、ろ材容量という指標では双方の違いはありませんでした。
しかし、両者の違いが色濃く出るのが、次のパートで調査する「流量」となります。
流量の比較
流量の比較となります。
外へと排出される水の量ばかり目にいきますが、内部のろ材に通す水の量も示しています。
そのため、生物ろ過の重要なファクターだと言えます。
どの程度のろ材に水を通せば生物ろ過はより進むのか?
ある種の哲学に近い両者の考えの違いが見て取れる……ともいえます。
スペック上の吐出水量ですが、F1フィルターが3.1L/min、SPF+Sが2.5L/minとなっています(50Hz時吐出水量)。
これちはろ材容量と同じく、双方ともに大差がありません。
しかし、実際に並べて稼働させてみると、明らかにF1フィルターのほうが水流・水圧が強くトルクフルです。
と、いいますのは、F1フィルターの消費電力が4.3W(50Hz) で、対するSPF+Sが2W
消費電力が大きい分、力強い水流になっているようです。
以上から考えられることは……
パワーで濾過槽内に通水させるGEXF1フィルターと
緩やかな水流で水作エイト以来の理想の生物ろ過を目指すスペースパワーフィット+S
会社が違えばろ過のコンセプトも違います。似たサイズ、似た値段ではありますが、全く別物だと言えるでしょう。
……
というわけで、次のパートよりGEXF1フィルターのレビューとなります。
我が家のGEXF1フィルター。現在付属のろ材ケースやシャワーパイプは普段使っていない |
GEXF1フィルターの良い点
舞姫が接続できる
GEX・F1フィルターを購入した理由はもちろん……
「舞姫」を取り付けるためです。
舞姫の2パーツとGEX F1フィルター本体 |
舞姫とGEX F1フィルターを接続 |
この「舞姫」というのは、ディフューザーの1つで、微細バブル発生装置と銘打って販売されているだけあり、非常に細かいエアが発生します。
エアは驚くほど細かく均一で、時間を忘れて見入ってしまほどです。
そんな舞姫を取り付けるにあたり指名されているのが、このフィルターです。
さて、ディフューザーだけでメリットなのか?
と考える人もおられるれるはずです。
しかし、上でも述べた通り舞姫の泡は目を芸術的に美しいです。
溶存酸素やエビや魚のためだとおっしゃるアクアリストさんも大勢いらっしゃると思います。それを否定するつもりはありまえんが、ことこれに限っては「見るだけ」でも購入する立派な理由になる、それほど美しいのです。
そもそも「癒し」や「リラクゼーション」はアクアリウムとは切っても切り離せない部分。
キラキラと輝く細かいエアが水槽の中をふわりふわりと漂う姿は、いつまで見ていても飽きず、人為的な器具ではありますがその光景には心癒されます。
水流調節可能、しかもパーツが豊富
すでに述べた通り、このフィルターにはしっかりとした水流があります。
おまけに、調節する仕組みが付いており、強すぎて困るということはありません。
これはつまりどんな水槽でも対応しやすいということを示しています。
おそらく、30cmキューブ以下の小型水槽では、そのろ材容量、モーター駆動で静音、改造すればセラミックろ材利用可という点もあり独壇場とも言えるでしょう。
また、このフィルターの付属パーツは豊富です。
長めのシャワーパイプで水流を抑えることもでき、専用のディフューザーでエアレーションもすることができます。
さらにはパワーヘッドとして利用できるストレーナーもついており、別売りのGEX製底面フィルターと組み合わせれば底面ろ過装置とすることもできます。
その適応能力は高く、様々な状況に対応できるのです。
シャワーパイプ、ストレーナー、ディフューザーと様々なオプションパーツが付属
GEXF1フィルターの残念な点
ちょっと音が気になるかも
ここからは重箱の隅をつつくような話。
さて、水中ポンプにおいて消費電力と静音性は反比例するという仮説があります。
それに則るとより消費電力の少ないスペースパワーフィット+Sの方がGEXF1フィルターよりも静かということになります。
実際放つ稼働音をはっきりと書けば、フィルター自体が振動するように感じる
ブーーーーーン
という煩わしい音がわずかに感じられます。
強い心臓部ゆえのウィークポイントだといえるでしょう。
んが……
記事最後でしょうかいする騒音対策をすれば軽減できるので、よほど繊細な人でない限り気にする必要はないでしょう。
(わたしのようにストレスに弱く、寝つきの悪い人は留意しておく必要があるとは思いますが……。)
スポンジストレーナーが付属していない
稚魚や稚エビの吸い込みを防止する「スポンジ」が付属していません。
これだけ多種多様な付属パーツがセットに入っているので、ストレーナスポンジもあればいいのですが……
結果として残念ながら、稚魚・稚エビ吸い込み放題です!
と、文言として強調表現してみましたが、実際は多くの水中ポンプがろくな吸い込み防止対策がなされないまま販売されています。
このフィルターだけの問題ではないのです。
その対策は実に簡単。
外掛けフィルター用スポンジストレーナーを適当にカットしてストレーナーにかぶせるのみ。これだけで対策できてしまいます。
稚魚やエビを飼育している人は、必ず対策を施してあげましょう。
というわけで、気になる部分は改造でなんとかできてしまったりします。
そのため、アクアリウム歴が長いほどにその使い勝手の良さの恩恵を受けるフィルターだと言えるでしょう。
レビューはここまで。
外掛けフィルターの汎用スポンジストレーナーをちょうどいいサイズにカットしてかぶせる |
番外編 ~GEXF1フィルターの防音対策~
このパートでは我が家のF1フィルター振動対策を紹介していきたいと思います。
その方法とは……
エーハイムの青スポンジをガラス面と吸盤の間に挟むだけ!
おそらく100均のボディスポンジでも、同様のことができるでしょう。
道具
【道具】
・ 青スポンジ
・ビニタイ
・エアチューブ用吸盤
・はさみ
繰り返しますが、青スポンジとはエーハイムの外部フィルターで利用する粗目フィルターパッドのこと。お手持ちでない場合は少々弾力のあるスポンジであれば代用できるはずです。
作り方
【作り方】
1、スポンジを水中ポンプの本体サイズに切る
2、吸盤をビニタイ通す
3、2、のビニタイで1、を巻きつけ結び、水中ポンプとスポンジを固定する
4、その際、吸盤が外側(ガラス面側)に来るようにする
5、ガラス面に水中ポンプを設置してできあがり!
ガラス→吸盤→青スポンジ→ 水中ポンプ
の順になるように取り付けるようにします。
このようにスポンジを噛ませるだけで、ポンプの振動がガラスや水槽台に伝わらず、ブーンという騒音を軽減させることができます。
というわけで、今回の話はここまで。
0 件のコメント:
コメントを投稿