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2017年8月27日日曜日

3種の小型水槽用水中ポンプレビュー(テトラマイクロフィルター編):フィルターより水中ポンプとして◎

テトラマイクロフィルターのレビュー

(2024/7/17 修正)

今回は、テトラから発売されている、
マイクロフィルターを紹介していきたいと思います。

テトラマイクロフィルター前面・側面
テトラフィルターの側面と前面


パーツ・スペック


サイズは?流量は?

そもそも、このフィルターが我が家にやってきた理由は、睡蓮鉢で利用するためです。
これが、全水量が10L程度な超小型水槽ともいうべき水量だからです。

さて、その寸法ですが、ざっくりとメジャーで現物を測ったところ、

本体:高さ7.5 × 幅3.5 × 奥行2.7
ろ材ケース:高さ4.7 × 幅3.5 × 奥行2.7
シャワーパイプ:長さ14
アダプター:高さ5.5 × 幅4.1 × 奥行3.8
コード長:約180

(単位:cm)

ぱっと見、付属のアダプターと本体がほぼ同じサイズ。
テトラマイクロフィルターそんな、極小フィルターです。
そのため、ろ材容量はかなり少なめとなっています。

それを補うように、ろ材ケース内部には活性炭を入れるスペースがついており、専用のスポンジろ材とこれをセットで利用する仕組みとなっています。

テトラマイクロフィルターとペットボトルキャップの比較
ペットボトルのキャップと並べると、いかにちいさいか良くわかる


排水パーツは3種類

用意されている排水パーツは三種類。超小型サイズのフィルターの割には充実しています。

・排水パイプ
・シャワーパイプ
・エアチューブが接続できるパイプ

この豊富な排水パーツゆえに、その汎用性はGEXF1も真っ青なレベルでしょう。

また、超小型方向に振り切った感がものすごく強くいですから、思い切った使い方をすれば想像以上の活躍をすること間違いなしです。

詳しくはレビューで述べていきたいと思います。



吐出水量(排水量)

吐出水量は66L/h。

小型水槽用と銘打っている他の水中フィルターと比較しても断トツで少なくなっています。
それもそのはず、10L前後の極めて小さい水槽向けのフィルターだからです。

そんな特徴を持ちますので、水槽サイズはもちろん、ときに利用者自身の発想力が試されるアイテムとなっています。

この小さなボディをパワーヘッドとして用いれば、様々なことに転用が利きますが、正しく使えなければきっと欠点ばかりが目に付くでしょう。



テトラマイクロフィルターの良い点


ビックリするくらい小さい!

その最大の特徴は、サイズが小さいこと。

これに尽きます。

とにかく小さい。
タバコの箱と同じぐらいです。
(いや、それより小さいかも)

当然パワーヘッドも小さいわけで、そこに埋め込まれているモーターは豆サイズとなってます。
言い換えれば、先に述べた通り吐出水量が少ないというワケです。

しかし、これはデメリットとはなりません。
10L以下の超小型水槽用だからです。

そ のような水槽では水流が仇となる場合が多く、何かとパワーを鎮める方向に修繕・改造することがままあります。このテトラマイクロフィルターなら、まず洗濯機にはなり得なず、強すぎる水流の是正は不要でしょう。

ただし、濾過能力が気になるところですので、エアストーンの代わりとして、エア駆動のフィルターを入れておくとより安心できるはずです。



流量と水量と回転数

「どのサイズのフィルターを(どれくらいの水流や流量を)、どれくらいの水槽で利用するのが適当なのか?」という話は、諸説あります。
一般的に、時間当たりの排水量(吐出水量)を水槽の全水量をフィルターの割った値が5~7回/時間程度であるとき、適切なサイズだと言われています。

具体的には、

フィルターの排水量(L/h) / 水槽の水量(L) = 5~7(回/h)

例えば、60cm規格水槽(65L)でエーハイム2213(440L/50Hz,500L/60Hz)を利用した場合、その回転数はそれぞれ、6.8回/h(50Hz)7.7回/h(60Hz)となります。
また、テトラマイクロフィルターと今回利用した10Lの睡蓮鉢に置き換えれば……

66L/h ÷ 10L = 6.6回/h

となり、ちょうどいい塩梅となります。

そのため、

水流が弱い!
ろ材容量が少ない!

という批判にはそもそも、あたらないのです。

10L以下の水槽用なのですから。

↓の写真はいろはすのペットボトルキャップ との比較です。



排水パーツが豊富

付属のパイプが数多く用意されているのも良い点です。

長さ約14cmで穴が10もあるシャワーパイプを接続すれば、さらに穏やかな水流を作れます。
太い排水パイプを使えば、勢いのある水の流れを作り出すことも可能です。

純正のディフューザーが無いので、エアレーションをこなせないのがなんとも残念ではあります。
しかし、シャワーで水面を打たせれば同様の効果が見込めますし、ノーマルの排水パイプで水を叩きつければ、頑固な油膜もしっかりと水中に落としてくれます。

また、付属のエアチューブと接続できるパイプを使えば、スドーサテライトの給水にも、アクアテラリウムの揚水に利用できます。

排水パイプを変更するだけで様々なことに対応できる優れたフィルターだと言えるでしょう。



一応、舞姫と接続できる

舞姫は、微細バブル発生機と銘打っているだけあり、ビックリするぐらい細かいエアがでるディフューザーです。

そんな舞姫とこのフィルターは何故か?】加工なく接続することができます。
小型ポンプとディフューザーで微細バブル。夢がひろがりますね。なお、改造の範疇に含まれるので、自己責任で利用してください。

して、実際にしてみると、やはりエアの量がかなり少ない気がします。
10L前後の水量には十分かもしれませんが、エアを観賞する以外の目的であるなら、従来のエアストーンにエアポンプの方が実用的かもしれません。

それらが利用できない状況では、この舞姫+テトラマイクロフィルターが生きてくるのでしょう。

テトラマイクロフィルターと舞姫との接続
舞姫とも接続できる

テトラマイクロフィルターと舞姫の組み合わせから出るエア
(稼働するとこんな感じ。)


テトラマイクロフィルターの残念な点

ここからは残念な点について述べていきたいと思います。

そもそも、ターゲットを10L以下と絞ることで本来な弱みになるはずの点を、オンリーワンの強みに昇華したフィルターです。

極端な特徴をもちますから、【適材適所】が徹底できないと何かと不便を感じるかもしれません。

より踏み込んで言えば、適正サイズの水槽ならともかく、それ以外の場で運用するならば、アクアリストの力量を試される道具とも言えるでしょう。

とにもかくにも、話を続けていきます。



ろ材容量が小さい

残念な点は? 
と、聞かれれば、まずあげたいのがろ材量が少ないことです。

も~こればっかは、どうにもなりません。

そういうコンセプト=ろ材容量を捨て小型化した水中フィルターですから、10L以下という超小型水槽でも容易に設置できるわけです。

もちろん、考えなしに無理やりにセラミックろ材を詰め込む方法もあります。
が、搭載できる量があまりにも少ないため、純正スポンジ+純正活性炭で利用する方が安全でしょう。
活性炭の吸着力は有限あり消耗品ではあります。しかし、ろ材容量が容量ですから生物ろ過に頼りきるよりも化学ろ過の力を借りた方が良いのかもしれません。

が、それでも、生物ろ過に頼りたいんだよ!
という人もいるかもしれません。
そんな人は、ろ材ケース外周にウールマットを巻きつければ、小さいろ材ケースでも強引にろ過能力をあげることができます。
これについては後述したいと思います。



シャワーパイプ利用時の水流・水圧が弱い

また、シャワーパイプ接続時の水圧や水流が弱いのも気になる点です。

割り切っていきましょう!
そういう商品です。

もし、水流がないと感じたら、素直に外し、付属している普通の排水パイプを利用することをおすすめします。
途中のパートで計算した通り、10L程度の水槽での利用を考えれば十分な流量なはずです。

それでも、水流がなさすぎると感じるのならば、それは想定よりも大きい水槽で利用しているのが原因かもしれません。

結局のところ、メインフィルターをさせるなら、正しいサイズで運用するべきフィルターであると言えるでしょう。

水流調節機構はついていません。
そのため、流量のストライクゾーンは狭くなっています。
付属のパイプ類をうまく使いこなせなければ、過不足に悩まされるかもしれません。



テトラマイクロフィルターを使ってみる(改造編)

睡蓮鉢で使用していたときは、次のように改造していました。

シャワーパイプでは水面をかき混ぜられず油膜が出てしまうトラブルが起きたので、これを諦めL字型の排水パイプをチョイス。
ろ材は、付属のスポンジや活性炭を取っ払ってエーハイムのサブストラットを詰め込み、インペラ直前に小さく切ったウールを入れておりました。

しかし、前述の通り、この改造では、ろ材量があまりにも少ないためお勧めできません。
生体の数にもよりますが、いくらセラミックろ材が高性能と言えども、絶対的が不足しています。水質は安定せず厳しい状況になるかと思われます。

そのため、少しでもろ過面積を増やすべく対策として……

ろ材ケースの外側からウールマットでぐるぐる巻にしてやりました。

こうすれば、ろ過面積があがりますし、プレフィルターとして機能します。
一石二鳥です。もちろん水流は弱くなりますが。
(そのため、油膜が出やすくなりました。)

以上より、無理やり改造して生物ろ過の力を借りるよりも、

素直に化学ろ過に頼ったほうが正しい使い方なのかもしれません。

とにもかくにも、超小型水槽そのものが難しいと感じます。



どう使うかはあなた次第

その振りきれた特徴のため、正しく使うのが何かと無難かもしれません。

・10L以下の超小型水槽のフィルターとして
・ときにはピンポイントの水流を作りに
・はたまたサテライトのポンプとして中型水槽で利用したり
・分野を超えてアクアテラリウムに利用したり

無理やり改造するよりも、手を加えずに適材適所で利用すべきフィルターです。

というわけで、テトラマイクロフィルターの話はここまで。

長文読んでいただきありがとうございました。



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