木酢液を用いた黒ヒゲ苔の駆除方法
(2024/7/27 修正)
今回は、ウィローモスについたコケ……、
それも頑固で名高い黒ヒゲ苔を落とす方法について述べていきたいと思います。
※
なお、この記事に登場する器具は全て自費で購入しております。
さて、ネット上でコケ駆除目的での木酢液の利用方法を調べると……
わたしは、木酢液で30秒!
うちは、木酢液で45秒!!
自分の場合は、木酢液で1分30秒!!!
そんな、情報が山ほどでてきます。
んが実際は……
木酢液の強さは様々
しかし、実際にはコケを殺す強さが各社まちまちで、
テストしてみないと、その時間と濃度は何とも言えないことがほとんどです。
全部が全部同じだと思うと悲劇を生みます。
とある日のことです。
当時、わたしが利用していた木酢液の効き目は弱く、1分30秒もひたしてやっと効果のある代物でした。
その日はそれが空になったので、買い物へ向かうことに。
いつものホームセンター、いつもの木酢液♪
が、残念ながら売り切れ。
それでは、と手に取った物でコケ駆除をしたのですが……、
これが、とんでもなく強くウィローモスには大ダメージ。
もう、枯死寸前!
お手持ちの木酢液を利用する際は、必ずテストしてから利用してください。
また、当記事を最後までご覧いただければわかると思いますが、注意事項だらけです。
木酢液の利用はリスキーです。
記事序盤にそうはっきりと申し上げておきます。
自己責任で完結できないのならば、まったくもってお勧めできません。
「ネットに書いてあったから」と鵜呑みにしてしまいやすい人には、手を出さない方がいいでしょう。
ウィローモスに木酢液は基本、「混ぜるな危険」的な荒療治です。
真に、探求心ある人向けの内容となっております。あしからず。
木酢液を使うことになった理由
ウィローモスは黒ヒゲと仲良し?
ウィローモスの長年の悩み。
黒ヒゲ苔いとも簡単についてしまうことです。
そもそも、この水草は、なんにでも活着してくれる便利な存在です。
流木に良し、溶岩石に良し、レンガに良し。
これほどのユーティリティープレーヤーはいないでしょう。
おまけに、栽培方法も容易く、弱い光でも低栄養でも、CO2濃度が低くてもしっかり育ってくれる。
水槽を選ばない水草です。
また、生長も急激ではありません。
いわゆるトリミング地獄というものになりづらく、初心者さんでもお世話は簡単です。誰にでも愛される水草だと言えるでしょう。
反面、緩やかに伸びるということは……
コケの餌食になりやすいとも言えます。
もし、ハイグロフィラのような有茎草であれば、コケた部分をバッサリとカットしても10日後には元の草高まで戻っていることでしょう。
しかし、成長速度が遅いと、そうはいきません。
現に、黒ヒゲがつくたびに切っていたら、いつまで立ってもスポーツ刈り状態のまま。これでは、フサフサなど夢のまた夢です。
とは言え、コケやすい環境下で伸びきるのを待っていたら、水流になびくマックロクロスケが何と見栄えが悪く、景観悪化因子物体Xとなってしまいます。
そのため、なるべくならトリミングしないで、コケ退治をしたいところ。
そして、その答えが
じゃ木酢液でしょ! ということなのです。
濃度と作用時間さえ分かれば使えるが……
んが、
そもそも、ウィローモスに木酢液という発想がすでに狂気の沙汰です。
「コケだし、黒ヒゲ苔と一緒に枯れてしまうのでは?」
と推測し、敬遠するのが正しいアクアリストの姿です。
実は、我が家では、以前からアヌビアスやミクロソリウムの黒ヒゲ苔を落とすために利用してきましたが、ウィローモスには一切ありませんでした。
しかし、背に腹は代えられぬことがあり、いろいろと探求することになりました。
あれやこれやと実験し、その結果、今回掲載する方法で、一応にも枯死しない程度に黒ヒゲ苔を駆除することができるようになりました。
ポイントは濃度と作用時間のようです。
それから当記事を書くまでの2年程、継続的に睡蓮鉢のウィローモスの黒ヒゲ苔の駆除で利用してきましたが、枯死には至りませんでした(過去形)。
が、商品を変えた途端、冒頭の事故となったわけです。
その詳細はまた別の機会に記すとしますが……
しかし実は、失敗した物ですら現在は安全に利用できており、そのポイントはやはり濃度と時間のようです。
今回はそんな木酢液を例として用いつつ、コケを駆除する方法を述べていきます。
注意点の確認
時間・濃度のテストをするべし
やたら注意が多い記事ですが、実際に作業する前の大前提を述べておきます。
【安全な作用時間と濃度を確認・理解してから利用しましょう】
実施する前に、必ず目立たない部分を実験して安全性をチェックしてください。
具体的には、作用時間を5秒、10秒、15秒と少しずつ長くなるように段階を踏み、コケは駆除し、水草にダメージを与えない時間を探りましょう。
また、作用濃度も6倍希釈、5倍希釈、4倍希釈、3倍希釈と少しずつ濃くなるように段階を踏んでいきましょう。
そのようにして、黒ヒゲ苔には効果があり、かつ水草には安全な「時間」と「濃度」を見つけ出してから、実際のコケ駆除をしましょう。
水槽は逃げません。
ウィローモスは強靭です。
焦ってことを仕損じれば、枯死が待っています。
なお、その安全性の評価については、次項で述べるとします。
枯死は後からやってくる
木酢液利用当日は枯死していなくても、3~4日かけてじわじわ枯死するということが十分あり得ます。
そのため、テスト後の評価であれ、本番のコケ駆除の評価であれ、
必ず1週間以上時間を開けて効果を観察してください!
枯死してしまう場合は、時間や濃度が高すぎると考えられます。
より薄く、より長くなるよう調整してください。
もちろん、目立たない箇所でテストしましょう!
なお、今回の方法は、そもそもウィローモスにもダメージがあり、最悪枯死に至らしめる危険なものです。必ず自己責任で行ってください。
実際にウィローモスへの木酢液を使ってみた
道具
ここからが本題となります。
・スプレーボトル
・木酢液
・カルキ抜きした水
・ストップウォッチ
手順
以下、「LIFELEX」の木酢液を用いた、ウィローモスについたコケを駆除している方法です。
なお、我が家のウィローモスで安全を確認できた希釈濃度:3倍、作用時間:30秒で話を進めていきますが、作業を行う前に必ず事前にどれだけの濃度と時間に耐えられるかテストし、
安全を確認した濃度・時間で実施するようにしてください。
①、木酢液を水で3倍に薄める
②、市販(100均)のスプレーボトルに入れる
③、ウィローモスを水槽から取り出しスプレー
④、と同時にストップウォッチスタート!
⑤、30秒後、カルキ抜きした水でよく洗い流す
⑥、処置後黒ヒゲ苔が赤くなり枯れば駆除成功!
⑦、ウィローモスが枯死しないか?観察を毎日続ける
木酢液で処理後の日々の観察ポイント
・黒ヒゲ苔が赤く枯死するまで1日程度かかります。
・ウィローモスが枯死するまで、1週間~2週間かかります。
・実施後はチラ見する程度でいいので、毎日観察しましょう。
・ウィローモスは緑色が薄くなるように枯死していきます
・枯死が始まったら止められないことがほとんどです。
もし、処置したのに黒ヒゲ苔が全く赤くならず枯れない場合は、作用時間を増やしてみてください。
当然ですが、作用時間が長くなるほどに、木酢液の濃度が高くなるほどにウィローモスが枯死する危険性が増えます。慎重に増やしていきましょう。
なお、ウィローモスが枯れ始めると、もう何をしても止められないことがほとんどです。
危機ゆえの生長点が……
以上の方法を我が家では、月2回程度行っています。
当然ですが、
少しでも長めに放置すると、ウィローモスもダメージを受けるようです。
結果、良いのか悪いのか定かではありませんが、噴霧した部分から盛んに生長点が作られることもあります。
トリミング時よりも遥かに多く、おそらく相当な負荷がかかり生命の危機を感じたからなのかもしれません。
とにもかくにも、自己責任。
いばらの道を歩む修行僧のための方法です。
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