カリカリ音の時に原因を特定する方法
(2024/7/28 修正)
今回は、外部フィルターのカリカリ音の原因を特定し、その解消する方法について述べていきたいと思います。
さて、余談ですが……
正しく「呼び水」ができておらず、
フィルターケース内に十分な水が溜まっていない時、つまり待てど暮らせと排水が行われない場合も同様のカリカリ異音が発生します。
こちらついては、一応「インペラへの給水が正しくないためのカリカリ音」のパートに記しましたが、基本的に当記事では解決の対象外と致します。これらは異音ではなく故障または操作方法にあたる問題だからです。
あえて一言お声をかけさせていただくなら、説明書に答えが載っている可能性が高いです。よく熟読のうえ利用しましょう。それでもわからないのなら、サポートセンターに問い合わせてみましょう。(余談終わり)
以下本題へと続いていきます。
さて、実はカリカリ音の原因は、比較的特定しやすいものです。
しかしながら、たかが異音、されど異音。
フィルター停止という最悪の事態を迎えていることもあります。
速やかにその原因を判別することをお勧めしたいと思います。
また、当記事では吸水・排水を以下のように定義してあります
排水 → 外部フィルターから水が出てくる側
吸水 → 外部フィルターに水を入れる側
お間違えのないようご注意ください。
注意事項
なお、当記事では異音の発生源の特定方法を紹介していますが、
すべての事象解決できるものではありませんし、当記サイトではその保証もいたしません。
調査しいてるうちに、メーカーの保証期間が過ぎてしまった!
いじくりまわして余計悪化した!
これこそ最悪の事態で、問題の解決は一層困難なものとなります。
手に負えなさそうなら、素直にメーカーのサポートセンターに相談しましょう。
自分で騒音を解決したいのならともかく、静かな水槽を手にしたいのならそれが一番の近道です。
定番はエア噛み!
さてカリカリ音で一番多いのが、エア噛みです。
ここでは、その原因と対処法について述べていきたいと思います。
フィルターメンテ後に起こりやすい
メンテナンス直後こそ、異音が一番発生しやすいタイミングです。
外部フィルターの構造上仕方のないことです。
さて、このカリカリ異音ですが、
電源ON後5分以内に収まるなら問題なし!
と断言できる場合がほとんどです。
そう言い切れるのは、フィルターの構造のためです。
外部フィルターは、開け閉めをするとどうしてもフィルターケース内に空気が残りやすい、密閉構造になっています。水を漏らさないために当然と言えば当然のことです。
それらはインペラ付近にたまり、水流とともに自然と排出されるように設計されています。これが異音の原因となるのです。
なお、ウールマットやろ材交換した場合、さらに騒音が増強されることがよくあります。
新品のろ材には多く空気が含まれているからです。
どちらの場合にせよ、通電稼働させておくだけで、自然に解消されることがほとんどです。
メンテ後エア噛みの解消手順
このパートでは、そんなカリカリ騒音を素早くおさめる方法を述べておきたいと思います。
・多少フィルター本体を軽く揺さぶる
・フィルターケースを左右に傾ける
・電源のON/OFFを繰り返す
以上のような操作をすると、溜まっているエアがインペラに送り込まれ、抜けやすくなるようです。
しかし、異音が長引く場合、吸排水系に問題があるかもしれません。
別の原因を疑いましょう。
ケースへの給水が正しくないか、吸排水系からのエア吸い込みか、エアレーションの空気を吸っているか、排水部の抵抗か、それともインペラの損傷・劣化か……と、候補が上がってきます。(記事最後に問題の切り分けを載せておきます。)
ケースへの給水が正しくないためのカリカリ音
これは、一切の排水が伴わなず、ガリガリギリギリと大きな音が出すのが特徴です。
そもそも、パーツの取り付けや、サイフォンの不備、さらには呼び水ができていない場合、当然ながらインペラ周りは水没しないため、カリカリ音が出続けます。
これらは、
・呼び水が正しくできていなかったり、
・何らかの理由で吸水パイプから空気が吸い込まれたり
・明らかにサイフォンが働いていないなど
などが、直接的な原因としてあげられます。
いずれにしても、水がポンプ部まで到達しておらず、インペラが空気中で回転するためカリカリと異音がします。
このような時は、いくら左右にゆすって治りません。
その背景は、フィルターの仕組みを正しく理解していなかったり、故障していたりと様々です。
再度説明書を熟読し、分からないことは、サポートセンターなどに問い合わせるのが一番の近道です。
外部ろ過の機種は五万とあります。
当方に連絡をいただいても、お力添えになれないことがほとんどです。
とりわけ、説明書や保証のついていない中古品、電子制御が入っている物には十分にご注意ください。
スピンドルの破損
スピンドルとは、インペラを支える軸のことです。エーハイム製品の多くは、このパーツにセラミックを利用しているのですが、これがよく折れやすく取扱注意パーツとなっています。
これが静穏性や耐久性に寄与しているのは間違いないのですが、エーハイムの堅牢さとは正反対な華奢で脆弱なパーツで、いとも容易くパッキンと折れてしまうのです。
とりわけ、パワーヘッドのインペラが入っている個所をのフタ、これの閉じ方を間違えると高確率で壊れます。
いやいや、ついさっきまで動いてたんだよ!
ちょっとインペラの掃除をしただけなんだ。
それなのに、カリカリと音がして水が出ないんだ。
こんな場合、スピンドルの破損が疑われます。
パワーヘッドを開けてチェックしてみましょう。
とりわけ、初心者さんが見舞われやすいトラブルだとわたしは考えています。
右:インペラとスピンドルが入っている小部屋 左:小部屋に蓋がされている状態 |
ここまでの手順をまとめると……
一連の手順をまとめると、以下の通りになります。
①、まず、排水の有無とフィルター内部の水位をチェック
→
排水量を観察して、さらにフィルターケースにライトを当てるなどして眺めてみましょう。
問題ないなら④へ
フィルター内部の水位が低すぎる、もしくはそもそも排水されていないなら、以下に進む。
(手順)
以下の項目をつぶさにチェックする。
・サイフォンの原理が正常か?
・ダブルタップが閉じられていないか?
・吸水パイプがエアを吸い込んでいないか?
・正しく呼び水がなされているか
対処の結果、電源をONにした際、チョロチョロでも排水され始めたのなら④へ。
それでも排水が全くなく、もしインペラの小部屋の蓋を開けたばかりなら②へ
②、スピンドルが折れていないか?
→
パワーヘッドを外し、さらにインペラの小部屋のフタを開けてチェック
以下を行い、問題ないのなら③へ
(手順)
少しでも斜めに外圧をかければセラミックの棒が折れてしまう可能性が高いので、まずはインペラをピンセットなどを用いて、まっすぐに抜き取りましょう。
スピンドルが正常ならまっすぐに刺さっているはずです。
折れているなら、インペラと一緒に抜けてしまうでしょう。
③、故障・もしくは何らかのミス
→
呼び水もできている、タップも開いている、スピンドルも折れてない。
それなのに、水が出なくカラカラと異音がする。
こうなると、残念ながら手立ては限られてきます。
まずは、よく説明書に目を通しましょう。
何か思い当たる節があるはずです。
それでも全く手掛かりがないのなら、事態はより深刻かもしれません。
この記事を見ていないで、サポートセンターに問い合わせてみるべきです。
④、一過的なエア噛みを直す
→
電源ONにして5分程度待ってみましょう。
なお、以下の操作を行うとエアが抜けやすくなります。
・フィルター本体を左右にゆすっている
・15°程度左右にゆっくり傾けてみる
・電源のON/OFFを短時間で繰り返す
→
ただし、いつまでエア抜けないなら当記事の次のパートへ
いろいろなエア噛み
いつまでもエア噛みが止まらないなら、吸水系を疑うべし
排水はある。
しかし、上の方法を試してみても、2時間も3時間もカリカリと音が続いているのならば、
どこからともなく空気が外部フィルター内に入り込んでいる可能性があります。
チェック方法は簡単で、排水パイプを定期的に観察してみてください。
メンテ後から幾日も経つのに、時折エアが排出されていないでしょうか?
これは、パワーヘッドへと至る吸水経路は陰圧になっているために、わずかな緩みや隙間から空気が入り込み続け、インペラ部に溜まるからです。
次はその解決方法を載せておきます。
吸水系からのエア噛み解決法
(説明書を熟読したのは前提として)
まずは、ホースやパイプ、さらにはダブルタップの接続がしっかりとはめ込まれているか確認しましょう。
特にホースを固定するネジなどが緩かったり、斜めにカットされていると、空気を吸いこみやすくなります。
ダブルタップ付近は鬼門です。よくチェックしましょう。
また、物自体が古いと、タップ同士の接続部からのエアが吸い込まれることがあります。
こんな時は、そこにワセリンを塗り、そのまま繋いでしまいましょう。
隙間が埋まり、空気の吸い込みがおさまることがあります。
ただし、ホースとパイプの接続部にワセリンを塗るのはやめましょう。
”つるっ!”と滑って簡単に抜け、漏水してしまう危険性があるからです。
そんなわけですので、外部フィルターの構造に不慣れなうちは、やみくもにワセリンを塗るのは、あまりお勧めできません。
見落としがちなエア噛みの原因
またごく単純な話ですが、
吸水口にエアレーションが当たっている場合
エアがフィルターケース内に溜まり、カリカリ音がすることがあります。
こちらも目視で簡単に確認できます。
ストレーナーや吸水パイプの位置変更、もしくはエアストーンやディフューザーの位置を変更しましょう。
エア噛みではないカリカリ音
排水部の抵抗でもカリカリ音?
(排水があるのは前提として)
カリカリ音の原因は、エア噛みばかりではありません。
時に排水に通水の抵抗となるものがあるだけでもカリカリ音が発生することがあります。
具体的には……
・ディフューザーの利用
・排水側のダブルタップで流量を絞っている
以上が該当するでしょう。
これらは、脱着も簡単でなため特定も容易ですから、原因の究明はそれほど悩むことでしょう。
インペラの破損・劣化
インペラは常に回り続けています。
その負荷により、破損したり、劣化した場合、カリカリ音が出ることがあります。
インペラは高速回転するパーツです。高度なバランスの上に成り立っており、目に見えないほどの小さな傷や劣化でも、それが崩れ異音を響かせる結果となるのです。
……とは言え、双方とも高価なパーツ痛い出費。
交換は最終手段とするべきでしょう。
カリカリ音発生時のチェックまとめ
⓪まずは「ここまでの手順をまとめると……」をチェック
該当パートの④まで進んだ場合は以下を確認する。
---↓排水抵抗の確認↓---
①排水部に抵抗となるパーツがないか確認。
②ダブルタップなどで流量を絞ってないか確認。
---↓インペラ破損の確認↓---
③電源を停止し、パワーヘッドを開ける
④インペラの破損や傷がないか確認
---↓エアの吸い込み確認↓---
⑤各部Oリングにねじれがないか確認。念のためOリングにワセリンを塗る
⑥吸水ホースとパイプの接続部を緩んでないか確認
⑦ダブルタップとホースの接続が緩んでないか確認
⑧ダブルタップの接続が緩んでないか確認
こんな感じでチェックしてみたら、犯人は分かると思います。
また、これらの方法を用いても原因が特定できない場合もあります。
どうしてもだめなら、素直に、サポートセンターに相談してみるのがいいでしょう。
初心者さんは新品かつ単純な構造の物を!!!
とりわけ、初めて外部フィルターを使う初心者さん、損耗具合の分からない中古機、勝手に操作が行われる電子制御機種などは、早めにサポートセンターに聞くことをお勧めします。
そもそも、初めての外部フィルターなら、構造が単純な物の新品がお勧めです。
問題が起きた場合、初期故障なのか、本来の仕様なのか? 判断がつきやすいからです。
対して、中古機や電子制御機種はお勧めしません。
初心者さんが劣化具合の判断や、制御が入った動作への理解が難しいからです。
それらは、憶測でもいいので、どこがどう壊れていると言えるようになってから手にした方がいいでしょう。
「なんか、水が出ないんだけど?」
だけでは、これからのアクア生活がいばらの道となるかもしれません。
そのため、わたし個人としては、エーハイムクラシックや、それに類する国内メーカーの新品がお勧めです。
以上、長文読んでいただき、ありがとうございました。
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