今回は青スポンジ(粗目フィルターパッド)について
(2024/8/8 修正)
今回は、おそらく多くのエーハイム製外部フィルターユーザーなら、誰だって持っているであろうろ材、エーハイム粗目フィルターパッドこと青スポンジについて述べていきます。
今も昔も、デフォルトでケース内にセットされる形で付属してくるこの青くてゴワゴワしているスポンジろ材。本来は購入する物なのですが、タダでついてくるがゆえに……
どうせタダなんだからイイ加減な物なんでしょ?
セラミックろ材を購入したらもう用はない!
そんなぞんざいに扱う声も確かに聞こえますが、ちょっと待ってください。
それを捨てるなんてとんでもない!
青スポンジは、実はとっても使い勝手の良い物なんです!
というわけで、今回はエーハイム製のスポンジろ材のお話。
なお、当記事で登場する物品は、全て自費で購入したものです。
エーハイム粗目フィルターパッドはディスられ過ぎ
最近のエーハイム外部フィルターは、純正のセラミックろ材も付属しているセットものが多くなってきました。
しかし、昔はフィルターケース内に所狭しとこのスポンジが埋め尽くされているものがほとんどでした。
鮮やかな青にスカスカとしたスポンジ。たしかにチープに見えなくもなく、ともすれば……
別途詰め込むセラミックろ材は別に買うんだな?
と誤解を生んだこともあったでしょう。
おそらくエーハイム的には「そのまま使ってろ過できるけど、当社のろ材も買ってね♪」という意味合いがあったのだと思います。
が、何事も捻じ曲がった方向に憶測が広まっていくのが世の常で、以下のような構図が生まれてくるわけです。
「青スポンジ=セラミックろ材の一時的な代用?」
それが、さらに独り歩きして……
「せっかく高い金出してエーハイムを買っても、中身スポンジじゃ意味ないよねー」
となるわけです。
そして、大枚はたいて買った高級感あふれる濃緑のクリアケースとスカスカゴワゴワなスポンジが、同時に目に入ることになります。双方も同社製品ながら高耐久性と使い捨ての分かりやすい対比となり、これがその後の運命に明暗を分けているような気がするのです。
でも、でもですよ?
何年もアクアリウムを続けていると、改めてこの青スポンジを評価せざるを得ないのです。
さて、今も昔も、ろ材の種類がアクアリストの議論の的になっているは変わりありません。とりわけ、経験が少ない頃はフィルター形式とそれがろ過のすべてと捉えがちです。
しかし、月日がたつほどに、それらに大きな差はないと気が付く人も多いはず。
むしろ平凡なろ過能力があるのなら……
崇高な理論よりも、現実での取り回しの良し悪し。
より細かいところに話を落とせば、生物ろ過一点張りよりも、水槽全体の通水性やメンテナンスの回数、その省エネ化、耐久性や継続性など重要でさまざまな要因を優先するべきなのは、わかりきったことです。(もちろん異論は認めますし、強制もしません。)
このような話は、表立って議論されることは少ないですが、ろ過性能と同等に評価されるべきです。
では、以上の観点から考えると青スポンジはどうでしょうか?
無料で付属してくる割には、なかなか使いやすいろ材なのです!
青スポンジの特徴
目詰まりを起こしづらい
まず、青スポンジの利点ですが、真っ先に挙げたいのは目の細かさが「ほどよい」ことです。
具体的には物理ろ材と生物ろ材のちょうど中間の目の細かさに位置します。
より細かく言えば……
メック
↓
バイオメック
↓
青スポンジ
↓
サブストラット
↓
サブストラットプロ
エーハイム社の商品パッケージなどから察するに、上から順に下に向かい目が細かくなるものと思われます。
その受け持つポジションとしては、【目が”やや”細かい生物】ろ材と言えるわけですから……
目詰まりが起こさずに生物ろ過を担えるのが大きな特徴です。
実物は、スポンジと言えどもスポンジフィルターのようなきめ細かな物ではなく、ストレーナースポンジによくあるやや荒い物で、適度な粗さが確保されており目詰まりしづらいというわけです。
生物濾過、物理ろ過を期待でき、目詰まりしにくい物の筆頭であるバイオメックなどと同じように使用ができるでしょう。
となれば、青スポンジはメックのように「使い勝手の良い」ろ材という評価に落ち着くのではないでしょうか?
ろ材は組み合わせて使う物
最近、あることに気が付きました。
あれ? バイオメックそれほど汚れていない。
というか、サブストラット汚れすぎ!
そもそも、前者は生物ろ過もできるろ材なら、目詰まりを起こす細かいゴミも濾し取れるはず! と購入したのですが、その篩の目は少々大きめ。これでは大きな物しか取れません。
当たり前ですが、ろ材が濾せるサイズには限度があり、それより小さいと取れないのです。
では、通り抜けたゴミはどこへ?
後方のサブストラットに掛かります。
あくまでも、物理ろ過のみに焦点を置いた話ですが、その大小関係について言えば、小さなろ材は小さなゴミを、大きなろ材は大きなゴミを絡めるのが役目です。
これを無視して、大小バランスよく配置しないと、どこかでゴミが集中して目詰まりを起こします。運が悪いとフィルター停止。せっかくの生物ろ過も意味がありません。
ろ材は組み合わせは、通水性確保のために大切なこと。
今回挙げた例で言えることは、目の粗い物理ろ過を手厚くした結果、小さなゴミが細かい生物ろ過に集中する結果となりました。
結果論ですが、バイオメックよりも細かな物を用意できれば、少し結果は違ったかもしれません。
ここで思い出して欲しいのが、粗目フィルターパッド(青スポンジ)の立ち位置。目の細かさ的にはバイオメックとサブストラットの中間程度。
あぁ……もしかして、君の出番だったのね!
役割を覚えておくと、目詰まりの救世主になり得るかもしれません。
(件のバイオメック) |
青スポンジの生物ろ過能力
さて、当サイトでは、ろ材として販売されているものならば、生物ろ過能力に大きな違いはないというスタンスでレビューしています。
長年の経験によるものです。
そんなわたしの体験を交えて言えば、青スポンジは立ち上げも難なくこなすろ材です。
「付属品だから……?」と心配しなくて大丈夫です。
そう断言するのは、これのみで立ち上げを何回も経験したからです。
今から15年ほど前。
エーハイム2211、2231、2233のデフォルトろ材は青スポンジ。それで計3回立ち上げに挑戦しましたが、全て成功裏に終わりました。
期間はセラミックろ材を利用した場合に比べてそれほど大きく変わらず、立ち上げ後も生物ろ過をばっちりこなしてくれました。
というわけで、青スポンジだけでも必要十分な働きをします。多くの人はディスりすぎ。もう少し信じてあげてもいいような気がします。
だって、あのエーハイムが、主力の外部フィルターのろ材として付属させているものなのですから。
他のろ材と同居しやすい・させやすい
ろ材は組み合わせが大切だというのは、今まで述べた通りです。
では、Aというろ材とBというろ材を同じろ材ケース内で利用する時、みなさんはどうしますか?
おそらく多くの方が、ごちゃ混ぜになるのを防ぐするために、ろ材ネットに入れると思います。
しかし、ケース内にスポット収まるスポンジならば、そういったろ材ネットやコンテナを利用しなくてもバラバラになることはありませんし、簡単に取り外すこともできます。
つまり、特徴の異なる物を組み合わせやすいというメリットも持っています。
例えば、下に青スポンジを置いて、その上にサブストラットなどを置けば、生物ろ過と物理ろ過の混在がいとも容易く実現できますし、ろ材とろ材が混ざり合わないようにする仕切り板として利用もできます。
うーん、青スポンジなかなかやるぜ!
耐久性はどうなの?
ろ過能力があるのはわかった。
組み合わせで使いやすいのもわかった。
でも、スポンジでしょ?
耐久性はどうなのよ!?
という話をしておきたいと思います。
同種ろ材の中でも耐久性が抜群
スポンジがろ材の材料として利用されているろ材の中には、目が細かすぎるのか、すぐにヘタってしまうものもあります。
多くの場合、物によってはもみ洗いで解決可能ですが、何回もモミモミする中で、だんだんくたびれてきてしまうものもあります。
しかし、ことエーハイムの青スポンジは、非常にゴワゴワしていて弾力性があり、そうやすやすと消耗することはありません。
負荷と厚みによりますが、半年~1年は使えるはずです。
もしかしたら、それ以上に耐えてくれるかもしれません。
おまけでついてくるのに、なかなか耐久性のあるスポンジろ材と言えるでしょう。
が、やはりセラミックではないので、気になる点もあります。
ろ材の消毒方法が不明
その気になる点とは、リセットする方法がないことです。
目が荒いので、乾燥させて、よーくもみもみすれば、中に詰まったゴミはだいたい取れるのですが、完全とは言い切れません。
また、仮に100%取れたとしても、どのような殺菌方法が適しているのか……わたしにはわかりません。
熱湯、塩素、日光、70%エタノールと消毒法はいろいろと浮かびますが、どうなんでしょうか?
どれも変形・変質してしまいそうな気がします。
安い食器洗い用のスポンジなら、劣化覚悟で熱湯や塩素につけることもありますが、もし病気が蔓延してろ材を殺菌が必要となった時、どのようにすればいいのか……。
そんなわけですから、
残念ではありますが青スポンジは消耗品です。
目が詰まり始めたら掃除、ヘナヘナになってきたり消毒が必要ならば交換しましょう。
まとめ
青スポンジのいい点をまとめると……
・目詰まりしにくい
・生物ろ材の前方に設置するのにちょうどいい
・生物ろ過もできる
・思ったよりへたれにくい
・他のろ材と併用しやすい
うーん、なかなか使い勝手がいいんじゃないでしょうか?
しかも、メーカーが最初からつけてくれるので タダです。
えー、まだ青スポンジなんて使ってるのー?
信じらんなーい!?
なんて辛辣な言葉を浴びせかけられることもあるかもしれませんが、
そんなことを言う人は、アクアリウムの深みに、どっぷりと浸かっていない人間違いありません。気にする必要などないのです。
以上、
水槽での経験が長くなればなるほど評価せざるを得ないろ材、
青スポンジこと粗目フィルターパッドのお話でした。
長文読んでいただきありがとうございました。
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