「なんちゃってミスト」をバックスクリーンにする
(2024/8/31 修正)
今回は、100均のPPシートを加工して、バックスクリーンにしてみたいと思います。
作業対象となる水槽は、このブログ中での掲載写真に用いるものです。撮影の際に、ツルリと光沢のある背面では、余計なものがあれこれ映り込んでしまい困りものだからです。
そこで、はやりのミスト水槽的なものにしてみようともくろんだのです。これなら、艶消し加工されているので映り込みも防げるというわけ。もちろん、わたし自身、明るくも落ち着きがあり、幻想的な雰囲気が好みだということもありますが……。
とにもかくにも、シートは1枚(税抜き)100円也。
これを利用しない手はありません。それでは、早速紹介していきましょう!
なお、当記事で紹介される物品は全て自費で購入したものです。
100均のバックスクリーンを作る!(道具編)
シートの厚さについて
PPシートはダイソーのもので、実は販売されているものには数種類あります。
今回は、「厚さ0.75mm」のものを加工していきたいと思います。
こだわりがあるのは、厚いほど後ろの景色が透過しづらく、出来上がりが美しいからです。
対して、薄いほどハサミで切断しやすく、手間がかかりません。とはいえ、透けて過ぎてしまうことになるので、背景としては残念なものとなります。
今回はいろいろと考慮して、美しく作業しやすい0.75mmをチョイスしました。
道具一覧
では、早速ですが、道具の説明に移ります。
・PPシート 乳白色両面つや消しタイプ( 0.75mm )
・カッター or ハサミ
・定規
・カッティングマット
・濃い鉛筆
・セロハンテープ
・サンドペーパー(#600程度)
写真はダイソーで販売されていたPPシートです。
厚さを選んだ基準は、先にも述べた通りで、ハサミで切れるのでお気楽派にもおすすめです。
より美しく作りたい! もっときれいなバックスクリーンが欲しい! という人には、もう少し厚みがあるものでも良いかもしれません。その際は、カッターと定規、さらにはカッティングマットなどを利用して作業をしましょう。簡単かつ少ない力で、美しい直線にカットでき、切断面もすっきりしていますので、おすすめです。
なお、このPPシートは塩ビ板やアクリル板と違い、大変柔らかいものです。そのため、Pカッターなどの専用工具は、使わなくてもさほど問題はありません。
100均のバックスクリーンを作る!(作業編)
水槽背面のサイズを測る
まず、メジャーや定規などで取り付ける面の縦×横の寸法を測ります。(今回は26cm×19cmでした。)
もちろん、水槽の寸法はメーカーやオンラインショップのサイトに掲載されていますから、ネットで検索をかけるだけでもOKです。
ただし、最終段階で完成品のサイズが合わない! というトラブルは、自作ではよくあることですので、必ず現物でチェックしておきましょう。
採寸が終わり次第、PPシートにカットラインを下書きしていきます。
定規で測った寸法をPPシートに下書きする
写真は実際に下書きしているところです。
ペンは色さえ乗れば何でも構いません。今回は偶然手元にあったので、青のマジックを使用しましたが、これが大失敗。
やはり油性塗料なので簡単には消えず、この後わざわざプラモデル用のうすめ液を使うことになりました。あまりおすすめできません。なるべくなら、濃い鉛筆などを用いるべきです。
ハサミまたはカッターでカットする
今回は、カッターとカッティングシートを用いて切断しました。
繰り返しますが、
美しくカットしたい!
少々厚めのPPシートを使いたい!!
そのような人は、この方法での裁断が圧倒的におすすめです。
もちろん、手軽に行いたい人は、ハサミで十分です。多少直線が出なくても水槽のフチで隠れてしまうからです。
え? カット仕損じて大きく曲がった?
PPシートは100円と大変安価です。失敗した時のことも考え、数枚買っておくと良いかもしれませんね。
サンドペーパーでバリを落とす
カットが終わったら、バリを落とします。これは切断面のささくれのことで、一直線に並ぶとさながらノコギリの様相を呈しています。
大変な厄介者で、うっかり手で触れると皮膚を傷つけ、痛みを伴う出血に至ることもあります。
バリは小さな悪魔。必ず削り落としましょう。
写真は#600のサンドペーパーで落とし終えたPPシートです。
貼り付けてできあがり!
セロハンテープで取り付けてできあがりです。
が、正直な話、何かうまい方法はないものでしょうか?
一応、セロハンテープを用いた手法が安全と思われるので、ここでは紹介することにしたのですが、もしかしたら粘着力の弱いマスキングテープの方がいいのかもしれません。わたし自身も模索中です。
なお、おすすめできませんが、100均のダブルクリップで固定するという方法もあります。
残念ではありますが、どのような方法にしろ、ガラスでできた水槽を傷つけることが十分に考えられます。もし、ダブルクリックならフチに傷が付き、長時間利用していれば錆びが出てくるでしょう。さりとて、テープ類なら貼った跡が残る可能性があります。
そのため、自作バックスクリーンの貼りつけ必ず自己責任でお願いします。
立てかけるだけ作戦もあり
もし、水槽が傷つくリスクを完全に避けたいのならば、
「立て掛けるだけ」という方法もあります。
硬くて厚みがあるPPシートならではの技です。しかし、この方法では水槽背面に外部フィルターのキスゴムを貼り付けることができませんので、水槽のレイアウトに何かと制限を受けます。
なんだかんだ言って、フィルム状のバックスクリーンは便利にできているのですね。
試写してみる!
【番外編】塩ビ製底面シートの修正(前回の続き)
出来上がったものを貼り付け、水槽に水を入れたものがこちらになります。
――うん……。
水槽底面の黒い塩ビシートにできた白いムラが目立ちます。この塩ビシートは、前回水槽底面の反射を防ぐために自作し、設置したものです。その際、#400→#600の順にやすりをかけたのですが、研ぎはまだまだ甘く、表面は粗いようです。
これでは、わざわざ作ったバックスクリーンが台無しです。再度#1000→#1500→#2000とサンドペーパーをかけることにしました。まだ少々白っぽいですが、先ほどよりも表面が整い、見られるものになったと思います。
というわけで、なんちゃってミスト水槽のできあがりです!
次のパートでは、実際に水草を入れてみて出来栄えを見ていきたいと思います。
水草との相性はいいが……
それでは、水槽に撮影対象を置いて試写していきます。
まずは水草を撮影してみました。こちらは、ミクロソリウム・ウェンディロフとミクロソリウム・プテロプスがごちゃ混ぜに活着してある変わりダネです。その写り具合はというと、さすがなんちゃってミスト!
淡い白色に水草の柔らかい輪郭がよく映えます。
相性はばっちりだと言えます。
お次はテトラマイクロフィルターに舞姫を接続したもの。
残念ながら色味の関係で微細バブルがうまく撮れていませんね。
水泡と白色のスクリーンでは、コントラスト不足できれいに写らないようです。
綺麗なエアが見たい! という人にはなんちゃってミストは向いていないかもしれません。
そんなわけで、100均PPシートでバックスクリーンを自作する話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
今度は水槽を100均で作ってください
返信削除この界隈には、アクリル板から水槽を自作する凄腕アクアリストもいますが……、わたしの技術力では無理です(汗。
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