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2017年10月10日火曜日

誰でもできるマツモのトリミングの方法(写真付き)

マツモのトリミング

(2024//28 修正)

今回は、マツモのトリミングについて紹介していきたいと思います。
さて、これはアナカリスやカボンバとともに「金魚藻」と呼ばれています。

金魚藻は、水草水槽以外でも金魚水槽やエビ水槽など、多種多様な水槽に投入されている水草です。もちろんレイアウト用としても、さらには硝酸塩を吸収させたり、時には金魚の「おやつ」にも、実に多くの用途に利用されている水草です。
その中でも、マツモは根を持たないという特徴があり、配置のしやすさは随一です。

また、丁寧に育てれば、鮮やかなグリーンに、華奢な茎、そして繊細な葉から生まれる可憐さは目を見張るものがあり、多くの人を魅了する水草でもあります。アクアリウムの中でも、一、二を争うほどのメジャーな植物だと言えるでしょう。

今回は、初心者の人に向けて、マツモのトリミング方法を紹介していきたいと思います。

(マツモを多用したレイアウト:過去記事より)


トリミングのタイミングと取扱いの注意点


いつハサミを入れるべきか?

ここでは、マツモをトリミングするべきタイミングについて述べていきたいと思います。

我流ではありますが、

「マツモが水面に到達したら」

これをトリガーとして、トリミングをするようにしています。
1~3本程度水面に達したら、面倒でも対象となる株を取り出し、長さを整えるようにカットします。その際、無理に短くしたり、全てにハサミを入れるようなことはしません。
これはどんな水草でも言えることですが、

生長が見られなかったり、調子を崩しているときは、無理なカットを避けるようにしましょう。

トリミングのダメージでいじけてしまい、再起不能になることもあるからです。

元来、マツモは成長速度の高い強靭な水草です。
しかし、いかに簡単と言えども植物であることは変わりません。光や肥料不足であれば、それをきっかけにして調子を落とすことも十分にあり得る話です。

まずは、光や肥料、場合によってはCO2添加や硬度など、生長しやすい環境を整えてあげて、グングン生長し始めてからでも全然遅くはありません。

(調子が絶好調なマツモは葉が密で毛羽立っている)


マツモ取り扱いの注意点

さて、マツモを水槽外で取り扱う上での注意点は大きく2つあります。

① 乾燥させない
② 水道水に浸さない

まず、「乾燥させない」について。
茎は華奢で葉は繊細なマツモは、乾燥に強くありません。同じく初心者向けなアヌビアス類やミクロソリウム類とはこの点が大きく異なります。トリミングの際に、うっかり水の外に長時間放置しないようにしましょう!
特に、冬場の暖房の風や、夏場の直射日光には十分注意を払いましょう。

次にマツモを「水道水に浸さない」ことについて。
これは、作業中の乾燥を防ぐため、容器に水を汲んで浸けておくのですが、このとき必ず飼育水やカルキ抜きした水を利用しましょう。

繰り返しますが、この水草の葉は繊細です。簡単に塩素で傷つき、フサフサとした葉が抜けてしまうことがあります。
そして、そうなってからの再起は、非常に難しいものがあります。水道水にそのまま浸けるのは、決しておすすめできません。

次の項から実際にマツモをトリミングしていきたいと思います。



トリミング方法&道具

トリミングの道具と方法について述べていきたいと思います。


道具

まずは道具について。

・ハサミ
・オモリ

まず、ハサミについて。
切れるものなら、何でも問題なくトリミングで利用できます。有名な水草ブランドの高価なものでも良いですし、100均のものでも構いません。
わたしは、釣りの「毛鉤」を作るセットに付属していたものを愛用しています。小回りが利いて切れ味も抜群で、細やかなラインを持つ茎や葉柄、さらには根や傷んだ葉を「ピンポイント」でカットでき、大変便利です。

しかし、小さなものはサイズゆえに「面」や「ライン」を作るのには不向きです。背丈をそろえるようなトリミングをする際は、やはり大きなサイズのハサミを用いた方が出来栄えが美しいでしょう。
どんなハサミでも構わないのですが、なるべく目的に沿ったものを準備しておくと良いかもしれません。

次にオモリについてです。
必ず【熱帯魚用】のものを利用してください。

釣用のオモリは魚へのの配慮がされていないため、おすすめできません。

生体が鉛中毒になり、死亡する可能性もあります。
また、いくら熱帯魚用のものであっても、鉛が含まれていることもあります。
重金属が水中に溶け出すことも十分に考えられ、それらに弱い生き物、特に淡水エビなどを飼育している水槽では、重大な結果が生じる危険性があります。
必ず自己責任で利用しましょう。

とはいえ、今回のマツモはオモリがないと浮いてしまう水草ですから、利用しないとレイアウト的に困ることになります。
もし、少し大きめのセラミックのリングろ材をお持ちなら、穴にマツモを差してみましょう。葉が穴にひっかかり、ろ材はアンカーとなるので、いい塩梅で沈んでくれるはずです。また、穴のサイズによりますが、キスゴムでも同様のことができます。その際はガラスに貼り付けて利用しましょう。

さて、随分話が長くなってきました。次のパートより、いよいよマツモのトリミングとなります。



方法

ここからはトリミングの方法について述べていきたいと思います。

① マツモを収穫する

水槽から丸ごと取り出します。
根を張らない水草です。水槽外で作業をして楽をしましょう!
そのとき、ミナミヌマエビなど淡水エビが一緒についてきてしまうこともあります。
水中でマツモをよく振り落としてから取り出しましょう!


② 束ねられているマツモを1株単位に分解する

下の写真は収穫したものです。

トリミング中のマツモ

前回のトリミングですべて同じ長さにカットしたのに、ここまで差が出るなんて不思議ですね。
事実、マツモには「調子」というものがあります。それは株単位で違うので上の写真のような結果を生み出します。
具体的には、葉が大きくゴワゴワしており、茎も太く草高もあるマツモは調子が良い状態といえるでしょう。そのようなものはよく生長するため、すぐに元のサイズに戻るでしょう。有望株ですので、メンテナンスしつつ大切に育てていきましょう。

対して、葉が小さく茎も細く、さらに草高の低いものは調子が悪いマツモです。無理にいじくりまわせば、いじけて生育困難になることでしょう。このような株にハサミを入れるのはなるべく控えましょう。光、CO2、水質、肥料分などの条件を見直してみましょう。
マツモは強靭な水草ですので、CO2や水質で生育不良になることは稀です。しかし、光量不足や肥料不足もしくは養分過多で発生したコケが不調の原因であることがよくあります。
ライトは観賞用ではなく水草育成用を設置し、養分は試験紙で随時チェックするなどして対処しておきましょう。
なお、陸上植物にありがちな、トリミングをすれば生長が上向きになるという現象はほとんど出ません。ご注意を。

え? 調子が良いか悪いかわからない?

迷ったら控えめにカットしましょう。葉は植物の養分工場ですから、たくさん残しておくと何かと安心です。
元気がよければすぐにハサミを入れることになりますが、失敗するよりは遥かにマシです。なにより、作業を通してマツモの成長スピードを把握することもできるので、なかなか良い手法ではないかと思います。


③ マツモを10~15cmぐらいにカットする

下の写真はカット直後のものです。

マツモを10~15cmぐらいにカットされたマツモ

このような感じに茎頂側10~15cm程残してカットします。
先にも述べましたが、この時、短くしすぎるといじけてしまうので要注意です。

さて、写真では茎頂部の下に置かれている頭のないマツモが置かれていますね? こちらは廃棄する予定のものなのですが、実は復活させて生長させることもできます。

オモリでまとめ水槽に戻しておけば、あら不思議!
なんと、脇芽が出ます。つまり、1株増やせるのです。


数が足らずレイアウトが貧弱に感じるときは、上の方法で増やしてみるとよいかもしれません。


④ トリミングしたマツモ3~5株をオモリでまとめる

背景と同系色で見づらいのですが、下の写真では3株をひとまとめにしたものです。

このようにすると、レイアウト時やメンテナンス時にまとめて移動できるので何かと便利です。さらに茎頂をそろえてやると、見栄えもよくなります。

おもりでまとめられたマツモ

なお、注意点でも述べた通り、水草用オモリであっても自己責任で利用しましょう。淡水エビがいる水槽ではおすすめしません。


⑤ オモリからはみ出している部分を整える

オモリをぐるりと巻いたら、見栄えをよくするためにはみ出した下側を2~3cm残すようにカットします。
あまりギリギリで切断すると、水流で抜けてしまうこともありますので、注意しましょう。

おもりの下でカットしてできあがり

トリミング自体はこれで終わりです。


⑥ 水槽へドボンして完了!

オモリでまとまっているマツモが、バラバラにならないように丁寧に水槽に戻して作業終了です。
というわけで、マツモのトリミングはここまで。

長文お付き合いいただきありがとうございました。



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