自作エアチャンバーでエアレーションの静音化
(2024/8/26 修正)
今回は、エアポンプに「エアチャンバー」なるものをペットボトルから自作して、取り付けてみました。
※作成にあたって、某巨大掲示板の方法を参考にしました。
作った理由は、エアの排出がスムーズになるという話を耳にしたからです。
が、しかし、設置前後でほとんど違いがわからない。「これはダメだ」と取り付けて放置していたのですが、とあることに気が付きました。
あれ? エアポンプなんだか静かじゃない?
本来とは別の効果を発揮したエアチャンバーですが、では、なぜ静音効果が生まれたのか? 自作方法とあわせて述べていきたいと思います。
ストーリーとしては……
① 美しいエアを作るためエアチャンバーを自作!
② 取り付けてみたもののエアが綺麗にならない!
③ 実は静音化に寄与するエアチャンバー!
以上のように話を展開していきたいと思います。
なお、わたしはすっかり、これなしでは耐えられない耳になってしまったようです。
本来の用途とは違った利用法ですが、効果絶大ですので利用をお勧めしたい器具となっています。
エアチャンバーってなに? 自作してみる
そもそもエアチャンバーとは……
エアタンクという呼び方もしますが、エアチャンバーとは、エアポンプから送られる空気を一時的にためて、エアストーンに向かう圧力を一定にする容器です。
以上の作用により、分岐が多くエアの排出量調整が困難な場合や、脈動がひどい場合などで利用されることが多いようです。
また、エアの脈動をなくすということは、言い換えればスムーズかつ綺麗にストーンから排出されるということ。
それを見込んでわたしも自作し、天下の水作水心3Sに取り付けてみたわけなのですが……。
とにもかくにも、話は自作方法へ。
道具
まずは、道具の紹介から。
・チューブコネクタ(何でもよい。今回は余っていたL字)
・ペットボトルとキャップ(写真ではキャップのみ)
・エアチューブ
・キリ
・接着剤
なお、今回は瞬間接着剤を利用していますが、接着剤は防腐剤の入っていない「バスコークN透明」のご使用をおすすめします。
また、作業にあたっては怪我のないようにしましょう。
作成方法
それでは、早速エアチャンバーを作成していきましょう!
① フタに2ヵ所穴をあける
ペットボトルのフタにキリで穴を開けます。
柔らかい素材を利用しているため、グイと差し込むだけで簡単に大きな穴を開けられます。もちろん、几帳面な人は電動ドリルやピンバイスでも構いません。
② チューブコネクタを固定する
①で開けた穴に、チューブコネクタを接着剤で取り付けます。
今回は瞬間接着剤を使いました。硬化すれば確かに無害ですが、気化してできたガスは粘膜に有害なようです。取り付け部分はエアの通り道になりますから、なるべく無害な接着剤を用いましょう。
おすすめは、防腐剤の入っていないバスコークN透明です。硬化するのに時間が掛かりますが、水槽で利用できると謳うほど安全性が高いものです。
③ チューブコネクタにエアチューブを接続
気体の圧力を一定にするのには、もしかしたら不要かもしれません。フタ裏のコネクタに片側のみエアチューブを取り付けます。わたしは、発酵式CO2添加の噴出防止装置のノリで取り付けました。もし、発酵式にチャレンジする際は流用できるので、取り付けておくと便利かもしれません(そんな人はいないか……)。
④ キャップをペットボトルにはめて完成!
取り付けたエアチューブがボトル内に入るようにフタを締めます。
これで、エアチャンバー単体は完成です。
⑤ 完成したものを接続!
エアポンプ~エアストーンの間に取り付けて設置完了となります。
500mlのペットボトルなだけあり、意外とかさばります。また、静音化される作用的な理由により、なるべく水槽台内に設置するのがおすすめです。
以上が作成手順となります。
エアチャンバーその効果は!?
我が家には不要だと思ったのだが……
さっそく、完成したエアチャンバーを取り付けた状態でエアポンプを稼働してみました。
が……、
取り付けた違いがわかりません!
試しに、何度も取り付けては取り外し、水槽最前面にストーンを置いて違いを注視してみましたが、変化は全く感じ取れませんでした。
と、いいますのは、冒頭でも述べました通り、エアチャンバーは内部にエアを一時的にためこみ、「圧力を一定にする」道具。
エアチューブを分岐させるときや、脈動がひどい場合に取り付けるものだからです。
そもそも、美しいエアを作り出すものではありません。
また、わたしの水槽で利用しているエアチューブには、途中で分岐など一つもありませんし、水作水心3Sはとても素晴らしい製品なので、脈動など最初からありません。
つまりは……我が家には不要だったのです。
おそらく、このエアチャンバーというものは、大出力のエアポンプを複数の水槽へと分岐させている人が、エアを均一に排出させたり、より脈動を減らそうとして生み出しものだと思われます。
高々60cm水槽用を分岐なしで利用したぐらいでは、恩恵にあずかれるはずもなく。
とにもかくにも、作成当時はしばらく「効果がない!」と嘆いていたのですが、しかし、数日たった後ある違いに気が付くことになります。
エアチャンバーで静音化!?
水作水心3Sは、静音化に特化しているともいえる商品で、駆動音・振動音の低さはトップクラスで、もちろん脈動というものもありません。
しかし、優等生をもってしても、エアストーンから出る気泡あたりから……
ジジジ♪
というダイアフラムの駆動音が、耳をすませば聞こえていたようなのです。
そして、エアチャンバーを取り付けるとあら不思議?
このジジジ音がほとんど聞こえなくなったではありませんか!?
……と、さも最初からダイアフラムからの騒音が聞こえていたかのように書いていますが、
正直に言うとエアチャンバーを取り付けほぼ無音になるまで、気が付くことはありませんでした。
逆に言えば「ほぼ無音」にならなければ気が付かなかった音とも言えるわけです。
恐るべき静音性の高さ……水作水心。
かくしてわたしの水槽は、またさらに一歩静音に近づいたのでした。
エアストーンがうるさい? その理由
なぜエアポンプはうるさいか? 考えてみる
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?
以下、わたしなりの考えをまとめてみました。
そもそも、エアポンプの騒音は大きく3系統から発せられます。
① 本体からの駆動音
② 本体からの振動音
③ チューブ経由でストーンから聞こえる①
現在販売されているエアポポンプは、ほとんどが①と②の対策のみになります。一般的なエアポンプでは①に対しては構造上の密閉を保つことで、②に対しては柔らかい足で解決しているようです。
問題となるのは③のストーン経由の駆動音です。これにエアチャンバーが効果を発揮することになります。
余談ですが、水作水心シリーズ(7s・3s・2s)はといいますと、一応「消音室」なるエアチャンバーに相当する小部屋をフィルター本体に持っていますから、①~③すべての騒音を減少させているということになります。
もちろん、水作水心3Sに取り付けたら、より静音になりました。ですから、その構造が完全に音を消せるかどうかと言われれば疑問ではあります。しかし、それでも何らかの形で静音化に貢献していると思われます。
さて、騒音の話に戻しまして、③についてさらに掘り下げていきます。
空気は音を伝える。だから騒音も
そもそも、多くのメーカーでは、モーター部を密に閉鎖することで音が大きく広がらないように対策しています。しかし、それではポンプからエアを送り出せず、構造上どうしても空気を送る部分だけは穴をあけてあります。
言い換えれば、エアストーンは騒音源と無防備に直結していることになります。空気は音を伝える性質がありますから、結果としてストーンからジジジと音が聞こえのです。
考えてみればわかる通り、ただの石ころですから、それ単体では音を出すはずがありません。裏にはそのようなメカニズムがあると考えられます。
エアチャンバーはこれに作用し、静音化します。
わたしなりの考えですが、通過する際に音を減衰させているものと思われます。現に水槽台内部に吊り下げてあるそれを手で触れてみると、……ジリジリと振動しているのが感じ取れるはずです。
もう少し、掘り下げて言えば、エアチャンバーそのものが振動し発散することで、エアに含まれているダイアフラムの駆動音が減衰され、エアストーンが静かになるのではないかと考えています。
となれば、チャンバーそのものも騒音源だとも言えるわけですので、なるべく水槽台内部に設置し、輪ゴムなどで吊り下げておくべきでしょう。
というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
こんにちは、水槽のエアポンプに「ニッ●ーのミュートS」を使っています。
返信削除設置当初は超静音でしたが、1週間もするとなかなかの振動と騒音に‥‥
ウレタンマットや吸振シートも効果なし。あきらめていました。
このブログを見て、ペットボトルエアチャンバーを真似して作ってみると‥‥
超静音に! 音も振動もビックリするくらい小さくなりました!
今年1番の感動DIYでした。ありがとうございます!
本当に効果絶大です。皆さんも是非!
コメントありがとうございます。
削除こんな小さなブログですが、お役に立てて何よりです。
それでは、素敵なアクアリウムを。