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2017年10月25日水曜日

水作スペースパワーフィット+Sを睡蓮鉢で使ってみる!どんな点が良い?残念?

室内睡蓮鉢でスペースパワーフィット+S! その使用感は?

(2024/9/2 修正)

今回は、超小型水槽でのスペースパワーフィット+Sの使い心地について述べていきたいと思います。

本文内容をざっくりと述べるならば……

・ろ材容量が大きい!(10Lでは)
・流量調節あり!
・静音性良好
・ただし、本体サイズは……

そんな話をしていきたいと思います。
なお、当記事で紹介する全ての物品は、自費で購入したものです。
改造とその利用は、必ず自己責任でお願いします。

また、スペースパワーフィット+Sは屋内専用です。屋外での利用は控えましょう。



水作スペースパワーフィット+Sの設置経緯


購入した経緯

そもそも、わが家のスペースパワーフィット+Sは、睡蓮鉢のフィルターとして購入したわけではありません。本水槽のディフューザー接続用として買ったものでした。

さて、どういうわけかこのフィルター、なぜか水中ポンプとしても利用できます。
ろ過ケースを丸ごと外し、そのフタであるはずのカバーをモーターカバーとして取り付ければ、単体でも稼働できる構造となっているのです。単にパーツを入れ替えただけですが、もはや改造の範囲に足を踏み込む変わり身です。一台二役の便利なフィルターです。

本来の用途から外してまで、これでエアをかけていたのですが、それには大きな特徴があるからです。あくまでわたしの主観ですが……、

振動音が少なく、稼働音も大変静かなモーターがその理由です。

結果、エアポンプよりも静かなエアレーションを実現できたのです。



睡蓮鉢へ配置転換することに

静かにエアを送れると重宝していたのですが、ある道具が手に入ったことで状況は一変します。
泡が芸術的に美しい、微細バブル発生装置「舞姫」です。
これの接続相手はGEX F1フィルターをご指名。一瞬にして主役の座を奪われることになりました。

ですが、捨てる神あれば拾う神あり。
偶然にも、ちょうど睡蓮鉢(10L)で夏場の水質不安定な時期と重なったため、暇をしていたこの子の出番となりました。

ここまでが設置の経緯となります。



スペースパワーフィット+Sの良い点

以下、超小型水槽向けのレビューとなります。


良い点その1:セラミックろ材が入る

改造となりますが、中身の純正ウールマットを外すと、セラミックろ材を詰め込むことができます。たしかに、スペースは狭く、物理ろ過を想定した大きなろ材は入りませんが、生物ろ材として販売されている小さく目の細かいものなら十分な広さです。

わたしは、そこにサブストラットを詰め込み、さらにパワーヘッド直下にはインペラ保護のためにカットしたウールマットをセット。ちょっとした改造を施して利用していたわけです。

そのろ過性能に言及すると、対象の水量が少ないこともあり、前任者が作った水質不安定な状況から難なく脱することができました。



良い点その2:ろ材たっぷりで水質安定

テトラ マイクロフィルターより多くのろ材が入ります。もちろん、この前任者は低水温時には十分に機能するのですが、やはり高水温になると微生物や水草の繁殖もあり、極小のろ過槽では対処しきれなかったようです。

さて、気になるのは、ろ材ケースの容量。実際には、どれだけセットできるのでしょうか? 実は別の記事で調べてみたのですが……

なんと、おおよそ160ml。
GEX F1フィルターとほぼ同量です。

少ないように思えますが、たかだか10Lの睡蓮鉢。しかもわが家では植物しか生体はいません。そのため、水質を安定させるにはこと足りる容量だったようです。おそらく同程度の水量で水草主体のタンクなら、同様の働きをしてくれるはずです。

もっとも、ろ材の質と量次第なところがありますから、当てにならない話だとも言えます。逆に言えば、昨今はサブストラットなど目の細かいろ材をネットで気軽に購入できますから、改造前提で利用してみるのもありなのかもしれません。

なお、繰り返しますが、改造とその使用は自己責任でお願いします。



良い点その3:流量を調整できる

さて、小さい水槽でしばし問題になるのが、フィルターからの水流です。
強すぎれば、さまざまなトラブルを引き起こします。

・洗濯機状態になり魚が疲弊する
・水草が底床のソイルから抜ける
・黒ヒゲ苔が出やすくなる

しかし、忘れがちですが、水流には溶存酸素量を上昇させる効果もあります。それでも、強すぎれば悪影響を及ぼすため、水槽状況を踏まえながら水流の強さを決めるべきです。多くのアクアリストは、排水アクセサリを自作するなど、創意工夫をもって抑えているのが現状ですが、それが、スペースパワーパワーフィット+Sなら簡単にできます。このフィルターなら調整できるからです。

操作も直感的で、吐出口のつまみをぐるぐるとしめ込むだけ。これなら、誰もができそうですね。



良い点その4:シャワーパイプ付属

さらに良いのが、シャワーパイプが付属していることです。

原理的に水圧は分散されますから、水流調節機能と合わさって、より緩やかな水流を作れます。これを排水方向を壁面に向ければ、油膜が出る可能性が高まりますが、水流の存在をほぼ忘れるほどにもできるのです。このようなことは、旧来のろ過器ではできなかったことです。ろ材ケースのサイズが十分なこともあり、小さな水槽では大変使いやすいものとなっています。

例えば、30cmキューブ未満の超小型水槽で考えるならば……

・流量が強すぎる
・外部フィルターは利用できない。
・多めのろ材でしっかりろ過したい
・静音性を求めている!(後述)

そんな人は、スペースパワーフィット+Sで救われるかもしれません。

スペースパワーフィット+S
(過去記事から画像を拝借)


良い点その5:静音である

このフィルターには「ブーン」とか「ヴー」といった騒音は、ほとんどありません。

その理由は、消費電力が2Wだからです。以前に記しましたが、「消費電力が小さいほど静かになる」という法則があるためでしょう。その分、流量の絶対値は低いものとなっています。
とにもかくにも、

「癒しの水辺」を寝室に作るのに、大いに手助けとなるフィルターです。

アクアグッズは数あれど、本当に静音性の高いものは数えるほどしかありません。その中の1つだと挙げられる性能を有しています。

なお、音の大小については、時間帯やその人の体調や状態に大きく左右されると言われています。わたしは敏感な方ですが、それでももっと繊細な人もいるはずです。そのため、ここでいう静音とは絶対的なものではないことをご留意ください。



スペースパワーパワーフィット+Sの残念な点


残念な点その1:ろ材の量か? 美観か?

まず、あげるべき問題点は、美的観点から考えれば、超小型水槽で利用するには大きすぎることです。

そもそも、水中フィルターは水槽内にセットして利用するものです。となれば、サイズの大小で、ろ材の量を取るべきか、見た目を取るべきか、という問題が発生します。外部や上部、外掛けなどのタイプは、水槽外にろ過槽があるため大きな懸念点にはなりませんが、これらはもともとの構造もあり、美的問題の根本的な解決を困難なものにしています。

当然ですが、水量が小さくなるほど顕著に表れ、さらに水質も不安定な傾向に拍車がかかるので、悩む機会はよりいっそう多くなります。もし、あなたがろ過能力を取るのなら、水中フィルターでなんら問題はありません。しかし、美観を取るのなら……。
もちろん、流木や水草などできれいに隠すこともできます。が、無理に存在感を消せば水槽内が狭くなるので、今度はスペースで悩み始めます。結局は、アクアリストの腕の見せどころというわけです。

さて、これは持論ですが、モーター式の水槽内で用いるフィルターそのものが、インテリア性の強い超小型水槽には向いていないと考えています。美しく小さい水槽が末永く続くことを理想とするなら、強いろ過能力を持ちつつ存在感のないオーバーフローや外部、さらには底面ろ過を用いるベきでしょう。



残念な点その2:専用ディフューザーが別売り

アクアリウムをしていれば、油膜や溶存酸素でエアレーションをかける必要性に迫られるのはよくあることです。とはいえ、狭い水槽に水中フィルター、さらにエアストーンとなると、水景が器具まみれになりがちです。

どうにか省スペースで、と考えれば、それに接続できるディフューザーが候補に上がるのは必然とも言えます。これを見越して、いくつかのライバルには排水パーツの1つとして付属しているものもあります。
もちろん、このスペースパワーフィット+Sにも専用品はあります。

しかし、それは別売りなのです。

つまり、1パッケージでフィルターとエアレーションは両立できません。実現しようとすれば、追加の費用が発生することになります。
が、幸か不幸かエーハイムのディフューザーが加工なしで取り付けられます。そのため、わざわざ別売りの専用品を手に取るのか? という問題も生まれます。



残念な点その3:ライバル機の存在・不思議な共通?

なお、決してGEXの肩を持つわけではありませんが、F1フィルターにはディフューザーが付属してきます。

エアレーションをかけつつ水中フィルターとして稼働させたい時はもちろんのこと、別売りながら微細バブルを作り出す「舞姫」も接続でき、さらにダメ押しとばかりに2本継ぎの長いシャワーパイプも付属しています。こと排水パーツに限っては明確に溝を開けられた格好です。

それはさておき、実はGEX F1とスペースパワーフィットには不思議な関係があります。
なぜかライバルである前者のディフューザーが後者の排水パイプにすっぽりはまり、無加工で利用できるのです。

GEX F1フィルターの本体を購入する必要がありますが、もし余っているのならぜひ利用するべきでしょう。



総評

総評としては、セラミックろ材を詰め込んだときの話になりますが、ろ過能力としては十分で、さらに流量も調節できるので、10L程度の水槽や睡蓮鉢でも使いやすいと思います。

しかし、大きなろ材ケースゆえに存在感があります。

見た目より水質の安定を取るならスペースパワーフィット+S
水質の安定より見た目を取るならテトラ マイクロフィルター

(いろいろな排水パーツを利用したいならGEX F1)

では……見た目がよく水質が安定するフィルターとなると……???

というわけで次回は、睡蓮鉢でエデニックシェルV3を使用したときの話を記したいと思います。
ここまで、長文を読んでいただき、ありがとうございました。



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