今回はホース・パイプ清掃のお話
(2024/9/13 修正)
今回は、外部フィルターのホースとパイプの掃除の様子や意味について、失敗談や写真を交えつつ記していこうと思います。
なお、このような作業をすると際は、ろ材は別途バケツに汲みエアレーションをかけた飼育水に入れておくといいでしょう。
経験者だからこそわかる、それをやると水がダバーな話。
それでは、さっそく清掃していきましょう!
ダブルタップを外す
まずは、ダブルタップを外していきます。
両サイドのコックを90°ひねってから、
真ん中のネジをクルクルと回すと……
赤〇のようにダブルタップのコックを閉じて |
このように、連結が解除されます。
ダブルタップを外します |
注意点は、必ず左右のタップで通水を止めること。
よく失敗しがちなのは、作業中に考え事などをしていて片方だけ閉じて連結解除すると……、すぐさま水がダババーとあふれてくることになります。こんな時は慌てず騒がずコックをひねりましょう。
え? そんなことする人いないって?
そ、そうですねー。アハハハ(汗
このように失敗すると、サイフォンの原理で大量の水が流れ落ちてくるので、パニック状態になります。すると、とっさに何をすればいいのかわからなくなるんです。(体験者談)
まず、何が起きたか理解できません。次の0.2~3秒で考え状況を把握し、その後左右どちらかのタップを目視し、2~3秒かけて閉じることになります。
結果、その間水は出っぱなし。
アァ、恐ろしや。
もちろん、ダブルタップを再連結しても止水できますが、水があふれてくるタップを合わせ、ネジを締め込むため少々手間と時間のかかる作業となり、予想外の被害をもたらす可能性があります。そのため、コックをひねるのがこれが一番分かりやすく、短時間で対処できるのでおすすめです。
へ? どうして、失敗した時の水の止め方を比較できるのかだって?
ドウシテダロウー、フシギダナー。
というわけで、ここまでの話をまとめると……
1、コックを90°ひねる
2、左右の通水経路が閉じていることをチェック
3、真ん中のネジを回して連結を外す
とにもかくにも、ダブルタップを外す前には、必ずコックが閉じているかチェックしましょう。
何事もサイフォンの原理を止めてから
実際に、連結を解除したばかりのダブルタップをひねれば分かることですが、実はサイフォンの原理がまだまだ働いている状態です。よく考えないでホースから無理やり取り外そうものなら、水がダバーと流れ落ち大惨事となります。
そのため、まずはこれを止めてから作業に移ります。
サイフォンの停止方法はいたって簡単で、パイプの口を水面から引き上げるだけ。
うまくく水から切り離せば止まり、水槽の水がそのまま流れ落ちてくることは一切なくなります。
ただし、吸水口(排水口)からダブルタップまでのホース内に残った水は、シャババっと出てきますからご注意を! そのため、コックをひねる際は必ずタライやバケツの上で行いましょう。なお、受けるものを用意せにず開ければ、水槽台内部が水浸しになること間違いなし!
いやー、水槽台内の清掃がハカドルナー。
さて、ここで裏技の紹介です。
この時、中の水を抜き取る前に、水面から出したパイプ先端は水中に戻さないようにしましょう。なんとサイフォンが復活します。気が付かずコックをひねろうものなら、用意したタライに無限に水が落ちていき、大慌てすることになるでしょう。
いえいえ、失敗する裏技をわざわざお教えしたのではありません。
これを逆に言えば、水が詰まったホースさえ用意できれば、簡単に呼び水ができるため、外部フィルターの再稼働にすこぶる便利なのです。詳しくは、いつかまた別の機会に述べたいと思いますが、気になる人はぜひ検索してみるといいでしょう。
ここまでの手順まとめ
1、吸排水口を水面より上に出す
2、タライなどの上で、ホースに残った水を抜く
3、水槽台から取り外す
さぁ、サイフォンは止まりました。ホース内の水も抜けました。あとは水槽台から引き抜き、掃除していきましょう!
外したパイプをきれいにする!
取り外した器具の汚れ具合をチェック
というわけで、ここからは、取り外したホースとパイプを写真で紹介しつつ、その清掃について述べていきます。
まずエーハイムの排水パイプ。正式名称はオーバーフローパイプです。
緑色で見づらいのですが、パイプ内部が黒く汚れているのが分かると思います。S字の部分の内部は特に汚れがたまり、また、外側は水垢が付きやすく、さらに吐出口は黒ヒゲ苔に狙われます。水景を美しく保ちたいのであれば、定期的な清掃は必須だと言えるでしょう。
次はエーハイムのナチュラルフローパイプとフレキシブルパイプ。
こちらも、コケで汚れやすくなっており、漏斗状になっている透明の排水パーツはライトに近いためか茶ゴケに、根元の半球状のパーツ内は黒くべっとりとしたコケに、侵略されやすくなっています。どちらも水槽内で目立つ位置にあるものですので、いつもきれいにしておきたいアイテムです。
最後は給水パイプ。
上で紹介したパイプたちと同様に、真っ黒に汚れています。特に180°カーブしている部分は狙われやすく、内側はコケに、外側は水垢が付着しやすくなっています。ばっちり掃除してしまいましょう。
おっと、各パイプについているホースも忘れずにメンテナンスしましょう!
パイプ類の清掃方法
それでは、清掃方法を紹介していきます。
基本的には、パイプクリーナーと呼ばれる長い柄が付いているブラシを利用します。これは、柄をホースやパイプに差し込み、反対側から出てきたものを掴み引くようにして使う道具です。内部の汚れがブラシに引っかかり、かき出されるようにして出てくる仕組みとなっています。
とはいえ、これではゴリゴリというような強い力はかけられませんから、強固にこびり付いたコケは取り除けません。そのため、1年、2年と利用していると、プラスチック製のパイプ類はU字・S字部分にコケが目立つようになってきます。
そんな時は、ハイター!
ただし、こちら明らかな有毒物質のため、利用は必ず
自己責任
でお願いします。食器などを漂白する要領で、パイプ類を漂白剤に30分~60分漬け込んでみましょう。ブラシ掃除で残ったコケもきれいさっぱり除去でき、余分な労力と時間をかけずに済みます。なお、塩素系漂白剤を使った後は、徹底的にすすいだ上で、カルキ抜きなどを用いて塩素分を完全に除去しておきましょう。
コケ掃除が終わったら、今度は水垢落としです。
タワシの硬い部分やプラスチックのスクレーパーを用いてゴリゴリと削り取るように掃除をしていきます。また、この汚れの主成分は炭酸カルシウムであるため、
濃いめのクエン酸水溶液
で溶かし落とすこともできます。これについては別の記事で記しましたので、そちらをご覧ください。
ただし、こちらもいくつか注意点があります。
まず、漂白剤(次亜塩素酸)とクエン酸(酸性)を混ぜて利用すると、
塩素ガス
が発生しますのでご注意ください。また、プラスチックパイプの場合、色合いや質感が変質する可能性があるので、必ず
自己責任
で行ってください。
スポンジストレーナーも清掃!
さぁ、今回の最後は、テトラのP1フィルターを掃除します。
こちらは、ミナミヌマエビの稚エビ侵入防止のためにセットしており、パワーヘッドと並ぶほど、外部フィルターの超重要なパーツとなっています。しかし、よく汚れるぐらいならいいのですが、黒ヒゲの温床になりやすく、それらの目に見えない種がフィルターに吸い込まれ、水槽内に拡散するとなると、水槽全体での悪影響は必至です。
駆除方法のおすすめは、替えのスポンジに交換し、汚れたものは日陰で乾かしてしまうことです。いかに黒ヒゲと言えども、植物のため乾燥には弱く、簡単に退治できます。ただし、そのままでは、コケの死骸由来の有機物がたくさん付着している状態ですので、よく洗ってから保存もしくは再利用しましょう。
それ以外には、3倍に希釈した木酢液のスプレーや、熱湯より少し冷ました程度のお湯に漬け込む方法が挙げられます。しかし、なんだかんだで素材が痛んでしまうこともあるため、おすすめできません。
どちらにせよ、スポンジに黒ヒゲ苔の死骸でスポンジが真っ赤に染まる、もしくは乾燥して海苔のように緑色に染まったら駆除完了となります。
以上、ホースとパイプの清掃が終わったら、今まで述べた順番の逆に行って取り付け、呼び水をして、最後に電源を入れれば作業そのものは終わりとなります。
パイプを清掃する理由
タイトルにある通り、ホースやパイプを清掃する意味ですが、これは流量の大幅な回復が見込まれるからです。
実は、わざわざ細目パッドの清掃や交換、ろ材コンテナ内のセラミックろ材の清掃をしても、流量がまったく回復しないことがよくあるのです。
原因はホースやパイプの内側が汚れで狭くなっているから。これが大きな水の抵抗となり、水流の邪魔をするわけです。生物系の人なら、人間の血管と同じ原理だと思えば納得してもらえるはずです。
その詰まりによる減少量は無視できないものです。具体的にはコチラの記事に記しておきましたが、わが家の水槽では清掃をすると、
なんとも流量が1.4倍
も上がります。
特にプレコに代表されるような、水流を要し水を汚す中型・大型魚を飼育している人にとっては、ろ材ばかりに目が行ってしまいがちですが、流量の減少も盲点だと言えるでしょう。
ろ材清掃の際は、ホースやパイプもなるべく掃除するようにしましょう。
というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
こんにちは。
返信削除外部フィルターの掃除についてネットで色々見ていましたら、このページに来ました。
そこで、ちょっと書きたくなり投稿致します。
私は69歳のジジイです。12年前に築88年の家を建替えましたが、それまでは長く
シルバーアロワナ・ディスカス・テトラ類・水草など35年以上6つの水槽でやってきま
したが、建替え時に妻子から光熱費削減の為に金魚水槽×1つだけと言われ、玄関横に置く
スペースに幅77cm×高さ43cm×奥行き33cmのアクリルのオーダーメイド水槽で
金魚飼育をやってきました。ろ過装置は35年前から使用している愛機で外部フィルターの
エーハイム2228(水量 約1000L/h)で厚手の粗目スポンジ×各3コンテナ通して、
生物ろ材は使用せず、その水を上部のレイシー風(オーダーメイド型シャワーパイプ式)の
上部フィルターに連結しています。上部ろ材は、上から白ウールマット→グリーンマット→
ブラウンマットを通し、セラミックリングろ材層を通ってオーバーフローして水槽に戻すと
いうやり方です。各マットの間に薄手の鉢底ネットを入れて、水を広く分散させています。
又、上部フィルターの底部から酸素を送り好気バクテリア達の為にエアー曝気をしています。
フィルターの掃除は12月に1年に1度で、外部フィルターの中の粗目スポンジ×3を飼育水
で7分洗いし、上部フィルターの白ウールマットは新しく交換し、グリーンマットとブラウン
マットは7分洗いしますが、セラミックリングろ材は洗浄しません。水槽の水替えは1~2
週間に1度で約半分を交換し、その時に給水口のストレーナースポンジを洗います。
12年間もセラミックリングろ材を洗浄したことないというのは、上部で使用している各3つ
のろ過マット(特にグリーン・ブラウン)の汚れ具合を見れば洗浄の必要が全くないからです。
こんなやり方で12年間やってきましたが、年中ピカピカの水槽&年中キレた水の水槽です。
ネットでもYouTube等でも、ろ過装置とろ材洗浄について色々と動画投稿されていますが、
その殆どが【今日は3ヶ月振りのフィルター掃除です→→→→ワッ!こんなにドロドロに!】
っていう動画投稿が殆どですね。私が1年に1度フィルターの掃除をするのは、水槽の水の
状態が悪いからでもなく、コケ対策でもなくて1年1度の定期的義務(笑)としてしています。
それでネットやYouTubeを見て何か変な違和感を感じてしまい、このたび僭越ながら思わず
投稿(書き込み)致しました。
ちなみに、外部フィルターのエーハイムPro 2228は、35年間に交換したパーツと言えば
モーターヘッド用Oリングを3回交換しただけで、1年1度の洗浄時に各Oリングにワセリン
を塗る位でしたが、水量や静音性は新品時のままで、本当に『”超”長寿命な外部フィルター』
です。でも機械ですからいずれ故障するとは思いますが、もう本体は勿論ですが各パーツも
既に廃盤になっていますから、いずれ新しいタイプのものと交換する日も近いと思いますが、
35年間使用してきたエーハイムProを変えるとなると69歳の私にとっては、人生で最後の
フィルターになるでしょう♪
返信遅くなり申し訳ありません。
削除うらやましい程の大きな水槽と、とても手の込んだフィルター構成ですね。
良く管理された水槽のようで、きっとお魚さんたちも喜んでいること違いないですね!。
さて、当方もエーハイムPro2222を現在も利用していますが、初期のエーハイムプロシリーズについては全く同感です。
値段や四角形であること、ダブルタップユニットに目が行きがちですが、その静音性は素晴らしいものがあります。
それを知ってしまうとエーハイム2213には戻れません。