アレッ! 水流が止まっている!
(2024/9/9 修正)
今回はタイトルの通り、ふと排水パイプを見ると水流がなく、フィルターが停止している! というゾッとする状況に遭遇したので、その時の対処法を紹介していきたいと思います。
幸か不幸か、故障やケアレスミスで停止している外部フィルターを偶然にも見つけてしまう、そんなことはアクア歴が長くなるほどに1回や2回あることです。
こんな時は、慌てて再稼働してはいけません!
なぜ外部フィルターの再起動をしてはいけないのか。そんな話をしていきたいと思います。
なお、トラブル対応の話ですので、大変「経験則」が強く、記事内容が「絶対」ではないことを、冒頭パートの最後に記しておきます。また、実際の対処は、必ず自己責任で実施してください。
フィルター停止発見の経緯
さて、わが家では万が一のトラブルに備え、エーハイム2213と2222の2台体制でろ過をしています。
トラブルが起きたのは後者。その相方の前者は、ちょうど定期的なメンテナンスを終えたばかりで、こちらが正常に稼働しているか1時間おきにチェックをしていたのですが……
どうにもその隣、2222に取り付けているナチュラルフローパイプ付近から、毎時420Lあるはずの自慢の流量が感じられません。
「えっ? うそ!?」と嘆きつつ周囲の水面を見てみましたが、波打つこともなければ空気を巻き込んで泡が立っている様子もありません。凍った背筋で手を震わせながらそれを外し、改めて排水パイプに指を当ててみると……やはり、フィルターがこと切れていました。(冷汗)
さて、こんな時は、どうすればいいでしょう?
というわけで、次のパートで順を追ってその対処方法を解説していきます。
まずは、清掃を。
止まった外部フィルターの中は?
以上が、アクア歴10年以上のわたしが、フィルター停止に出くわした全2回中の1回です。
今回は違いますが、メンテナンス後に器具のコンセントをさし忘れ、2、3日停止させたままだった! ということは、アクア歴が長いほど1度は経験する話です。もしそれが外部フィルターであった場合、冒頭でも述べた通り、慌てて電源をONにして水流を復旧させるのは避けるべきです。
以下、その説明となりますが、まず前置きとして、水流がない状態で1時間半経過するとフィルターケース内の溶存酸素濃度0になると言われてます。そのため、2・3日放置した外部フィルターの内部は、酸素がほとんどないことが予想されます。このまま通電させると、酸素0の水が直接水槽に入ることになります。
これには、魚たちに悪影響を及ぼす物質が多く含まれていると考えられるので、停止を発見次第、すぐ動かしてはならないのです。
好気性のバクテリアの死滅
さて、止まった外部フィルター内では、なぜ酸素がなくなるのでしょうか?
その理由は、生物ろ過の要である硝化細菌が好気性細菌であり、生きていくのに酸素を消費するためです。普段は水がポンプで送られるため、困ることはありませんが、もし内部に通水がないと、瞬く間に使い切ってしまいます。
人間も、空気の出入りのない空間、例えば宇宙船や潜水艦に閉じ込められると、いつかは窒息してしまいますよね? それと同じことなのです。
最終的に酸素を使い切り、硝化細菌は死滅します。この時、フィルター内には以前から滞留している有機物(ゴミ)と、それらの死骸が加わった状態となり、さらに酸素はほとんどなくなることになります。
これは、嫌気性細菌という酸素が嫌いな細菌には、大増殖に適した状況とも言えます。よく管理された水槽ではほとんど増えないはずの彼らですが、突然生まれた絶好のチャンスをつかみ、この世の春を謳歌することとなります。
嫌気性になると?
現に、嫌気性細菌には、悪さを起こすものが多くいます。
① エロモナスなど病原性を有するもの
② 硫化水素など代謝により有毒な化学物質を産生するもの
これらを含んだ水が水槽に入るとなると、そこで暮らす生命にとっては大きな問題となるわけです。
「あっ! 外部フィルターが止まっている!!」
と気が付いても慌てず騒がず、まずいつから止まっているか考えてみましょう。経験的にですが、悪臭がなくても30分程度経過しているならば、フィルター内清掃をしてから再稼働した方が安全です。
もし、魚に悪影響がある化学物質や細菌、ウィルスが溶け込んでいたとしても、その全て人間の鼻で感じることなど毛頭できないからです。
停止させない! 停止したら何する?
フィルター併用のすすめ
理由にかかわらずフィルターが停止してしまったら、水槽内のすべての生体が危険な状態になります。魚は毒となるアンモニアを、直接自分の住処に排せつしているからです。
これを回避するために、普段からメインフィルター以外にも補助となるものを利用することをおすすめします。例えば、静音性やCO2添加の点から、外部フィルター2台や水中フィルターとの組み合わせがおすすめです。また、よく使われている上部フィルターの場合は、同ろ過機を2台セットするとライトを設置できませんので、水槽内に入れるタイプの小型フィルターと組み合わせると良いでしょう。
さらに、フィルターが止まるのは人間のミスばかりではありません。地震、落雷、洪水などでも電気そのものが停止する可能性があります。そのような災害時を考慮すれば、いざとなれば動力源を電池で稼働できるものと交換できるスポンジフィルターや投げ込み式フィルターをサブで使うことは、危機管理の視点から有用です。
……とにもかくにも、ああなったら・こうなったらと想像が膨らみます。そして、こうやって机の上で考えることもアクアリウムの醍醐味でもあります。
もし停止していたらするべきこと
ここから、今回行った対処方法について述べていきます。
今回の場合、停止してからすぐに気が付いたが幸いしたためか、一応外部フィルターを開けてみたところ、「腐った臭い」はありませんでした。念のため、水槽内とフィルターケース内の飼育水をテトラ6in1でチェックしたところ、アンモニア・亜硝酸なども検出されませんでした。
それでも生体に何かあってからでは遅いわけですから、まずはセラミックろ材の清掃と細目フィルターパッドの交換、さらにフィルター内の飼育水の排水を行い、満を持しての再稼働!
結局、直後から数ヵ月にわたり、このトラブルを原因とした病気や生体の死亡などの発生は認められませんでした。
さて、今回の原因についてですが、エアレーションがフィルターを止めたと推測しています。
これは、メンテナンスをした2213を配管した際、偶然にもエアストーンが2222の給水パイプの近くに置いてしまったためです。結果、多くの空気をケース内に吸い込んでエア噛みを生じ、異音こそ発生しませんでしたが、ポンプの出力が低下していたようです。
なお、現在ではストーンの位置を変更することで、根本的な問題を解決しています。
というわけで、フィルター停止の話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
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