重いレバーを軽くする~ダブルタップメンテナンス~
(2024/9/28 修正)
今回は、ダブルタップのレバーを軽くするワセリン塗りについて説明します。作業自体はいたって簡単なもので、全ての外部フィルターユーザーにおすすめです。
なお、この方法はわたしが思いついたわけではありません。某巨大掲示板に書いてあったもので、すごく簡単で軽くなり感銘を受けたので、みんなにもぜひ知っていただきたい!という思いで紹介することにしました。
本当にアクアリストの先輩方には頭が上がりません。
ダブルタップが重くなった! 力任せにコックを閉じたら壊れた! ギコギコ鳴ってうるさい! などで交換する前に一度は試していただきたいスゴ技です。
ダブルタップのメンテナンス方法
利用する道具
まずは、メンテナンスに利用する道具を紹介したいと思います。
・綿棒
・エーハイム純正ワセリン
たったのこれだけです。
綿棒は100均のもので十分です。プラモデルなどで用いる精密なものでなくて大丈夫。ワセリンはエーハイムのフィルターに付属してきたものを今回利用します。
ダブルタップをオスとメスに分離させる
それでは、早速作業に取り掛かりましょう。
まず、ダブルタップ1組を外してオス側とメス側に分解します。ネジをグルグルぐるっとね。以降の作業はオスとメスに分離した状態で、それぞれ同じことをしていきます。
下の写真は、ダブルタップのオス側を映したものです。
ダブルタップを全閉にする
次にレバーを回してコックを全閉にします。
下の写真は全開と全閉の違いを示したものです。ダブルタップのレバーを回すと、内部で接続している通水路を兼ねる白いボールが一緒に動き、流通経路を遮断しコックが閉じられる仕組みとなっています。いわゆるボールバルブと呼ばれるものです。
(左全閉・右全開) |
ボールについて詳しくは、次のパートにてダブルタップを分解した写真を載せておきましたので、そちらをご覧ください。
それはさておき、メンテナンスを続けていきます。
ワセリンを塗布する
ここからは、ワセリンを塗っていきます。が、残念ながら、そのままでは奥まっており届きません。
そこで綿棒の出番となります。先端にワセリンを塗り、リーチを生かしてダブルタップの奥に塗り付けようというわけです。その取るべき量はといいますと……
↓の写真の〇内のように、わずかな量で大丈夫です。
この綿棒で、白いボールめがけてグリグリと塗り付けていきましょう!
下の写真は、実際に塗っているところです。
え?
なんで白いボールにワセリンを塗ると、レバーが軽くなるのかだかって?
その答えは次のパートで述べたいと思います。
コックの開け閉めをする(ギコギコ解消の仕組み)
まんべんなく塗り付けたなら、最後にコックがスムーズに動作するまで開閉を繰り返します。すると、あら不思議、重かったあのレバーが……、ギコギコ鳴っていたダブルタップが……、シュルリシュルリと開け閉めできるではありませんか?
なぜ不具合が解消するのかというと、ここでボールバルブの構造を考えてみましょう。主たる機構を担うこのボールですが、内部の大きなOリングとじかに接しています。これが回転し通水路が開閉するのは、先にも述べた通りです。
さて、このボールは周囲のパイプから切り離され、別パーツとなっています。そうでなければ、レバーと連動して回るのが不可能だからです。となれば、そこから水が漏れることは必然。これを防ぐのがOリング、ボールを支えてあげれば水漏れも防げ、グルグルと稼働もできるというわけです。
さて、そのOリングですが、ワセリンが切れるとボールとの滑りが悪くなり、ギコギコと言い出すようになります。しかし、その原因には直接手が届きません。ならば、綿棒でボールバルブに塗りたくり、コックを閉じたり開いたりすれば間接的に内部のOリングにもワセリンが届くはずだ! と、実に巧妙な作戦を思いついたのがアクアな先人。
ギコギコ鳴っているものではなく、ギコギコ鳴らせているものにワセリンを塗るという逆転の発想です。実際、こんなにも簡単な方法で音が解消されるのですから、まさしく驚きの一言です。
思いついた人、それを紹介してくれた人、本当に頭が下がる思いです。
この方法により、多くのダブルタップの寿命が伸びていることでしょう。
実際に、ワセリンをつけて開閉を繰り返すことで、最初のうちはギコギコ言っていたタップも、だんだんと軽くなるはずです。そして、10回程度開け閉めすれば、気になる音もなくなるはずです。
とはいえ、何度も開け閉めをして、一向に症状が改善しなければ、塗り直してください。これはつまり、1回程度ワセリンを塗っただけでは足りなかったということを示しています。長時間開閉を続けていても状態はよくならないでしょう。
さぁ、重かったり、ギコギコ鳴っていたダブルタップも、新品同様に軽くなるはずです。
ダブルタップタップの分解写真
どの部分まで分解しないで綿棒でワセリンを塗れるのか?
しかし、音は鳴らなくなったとは言え、どこまでワセリンが塗れているか気になりますよね?
そこで、分解して確認してみることにしました。なお、その分解方法については触れません。悪しからず。
なぜなら、ダブルタップは分解すると破損の恐れがある器具のため、おすすめできないからです。それに、もし壊れたら外部フィルターが利用できなくなり、一大事です。そんな危険な技をお見せするわけにはいきません。そのため、いきなり分解後の写真から入っていきます。
上は、ダブルタップの分解写真。6つのパーツに見えます。
実は、コックの根元にもOリングが付いており、実際には7つのパーツからなります。これも、レバーから水が漏れ出るのを防ぐためのもののようです。
ワセリンを塗った白いボールも、分解すればその姿をはっきりと拝むことができます。
そして今回の綿棒を利用しワセリン塗ったことで
各パーツを手に取って調べてみると、ワセリンがのっているのはボールと黒くて大きいOリングのみ。両者の役割は文中で説明した通りです。
残念ながら、レバーの根元に存在するOリング(中央上)には塗れていません。そのため、これが破損もしくは劣化し、コックから漏水したらダブルタップの寿命と言えそうです。
しかしながら、アクアリウムも10年以上嗜んでいますが、今までそのような事態に見舞われたことはありません。そのため、どれくらいの年月で寿命を迎えるか一切不明ですが、少なくとも10年以上はあるようです。
(記事修正時点でわが家のダブルタップは20歳になろうとしています!!)
以上の点を踏まえ、ダブルタップを分解してまでメンテナンスするのは得策ではないと、わたしは考えるようになりました。
というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
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