身近な道具で楽々固定
(2024/10/4 修正)
今回はウィローモスなどの活着系水草を、釣り糸や瞬間接着剤で固定した際のメリットとデメリットについて記していきます。
なお、詳しい用法については割愛いたします。悪しからず。
また、この記事で紹介する物品は、全て自費で購入したものです。
釣り糸でウィローモスを活着させる
まずは、コットンの弱点を補うかのような性質をもつ釣り糸について。
昔は釣具屋やホームセンターぐらいしか販売していませんでしたが、最近では「ナイロンライン」に限れば100円均一でも見かけるようになりました。
使い方は、木綿糸と同じように、ウィローモスを挟み込むようにしてグルグルと巻きつけるだけ。これだけで簡単に栽培ができますので、わたしとしてはおすすめな方法です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
このパートでは、そんな釣り糸を利用したウィローモスの活着についてのメリット・デメリットを紹介したいと思います。
ダイソーラインのラインアップも充実しつつある |
釣り糸のメリットその1:適度な強度がある
まず、釣り糸なので強度と耐久性があります。魚を釣るための道具ですから、当然とも言えるでしょう。
その強さは、1号の釣り糸でなんと1.8kgもの荷重に耐えられます。力任せにテンションをかけても、流木や石で擦れても、そうそう簡単には切れるものではありません(ただしナイロンに限る)。もちろん、巻き付けている時に、擦り切れてやり直すということは起こり得ません。
また、劣化して切断するには数ヵ月月、場合によっては年単位と長い月日を要します。活着途中で自然と糸が溶け、挟んでいたウィローモスがバラバラになるという厄介な事態にはなりません。
丁寧に巻けさえすれば、あとのメンテナンスは極めてイージーな方法です。
釣り糸のメリットその2:透明で目立ちにくい
透明であることも利点です。
魚に察せられないよう、水中ではほとんど判別不能となるからです。そのため、ラインが目立ちしょうがない! ということはまずないでしょう。
また、釣り糸は細いほど水中では目立ちにくくなります。水景によくなじみますから、号数の低いものがおすすめです!!
……と言いたいところですが、細すぎるのも問題があります。詳しくは後述します。
渓流用ラインには低視認性のものが多い(左・中) 同じ淡水用と言っても黒いラインもある(右) |
釣り糸のデメリットその1:自然に分解されない
そんなメリットばかりの釣り糸ですが、当然デメリットもあります。
まず1つ挙げるとするならば、生分解されないことです。
過去には環境保護のために自然に分解する釣り糸もありましたが、現在販売されている物のほとんどがそのようにはなりません。
それ以外にも、釣り人によって捨てられた糸が鳥の足に絡んでしまったり、鳥が誤食してくちばしに絡まってしまったりと、何かと多くの問題を引き起こしています。
それほどまでに、釣り糸は分解されないのです。水槽内でも同様で、多少は劣化するでしょうが、いつまでも残り続けるため、見栄えを追求している人であれば、活着次第抜糸した方が良いかもしれません。
ウィローモスのように、草丈が伸びればやがて分からなくなるものなら、そこまで気にする必要はないと思いますが、相手がアヌビアスなど活着部が見える植物の際は、一考に値するかもしれません。
釣り糸のデメリットその2:見づらい・結びづらい・作業しづらい
さらに、もう1つのデメリットとして挙げたいのが……
見づらい
結びづらい
作業しづらい
の3拍子。
釣りをやった経験がある人なら、ナイロンラインの扱いなんて赤子の手をひねるようなものですが、初めて触れる人は張りと視認しづらさから大いに苦戦すると思います。
あ゛---もーーやーーーめた!!
そんな風に心を折ってくる糸だと言えるでしょう。これは、わたしからのアドバイスですが、作業を楽にするだけなら、オレンジやイエロー、さらには薄ピンクなどのカラーラインがおすすめです。結びやすさを考えれば、太さが1号前後のナイロンラインが良いでしょう。とにもかくにも、じっくり腰を据えて作業したいものです。
なお、記事修正現在、釣り歴3年目のわたしは、0.3号のナイロンラインなら無色透明でも薄暗い強風下で手早く結ぶことができます。初心者の頃は糸を結んだだけで30分たつこともありましたから、その扱いは慣れ次第だと言えるかもしれません。
ピンクのGT-R(右上)やミスティブラウン(中下)は 色が薄く、景観を台無しにしないかも |
というわけで、釣り糸でウィローモスを活着させる話はここまで。話が変わりまして、次は最近はやりの瞬間接着剤での活着方法についてです。
ウィローモスを瞬間接着剤で活着させる
瞬間接着剤は、水を含んで硬化さえすれば毒性がほとんどないため、傷口を塞ぐ目的の医療用があるというくらい、無害に近いものだと考えられています。
しかし、主成分のシアノアクリレートには液体時に粘膜に対する毒性があるようです。そのため、アクアリウム用瞬間接着剤ならまだしも、一般用瞬間接着剤がまったくもって熱帯魚に無害とは言い切れませんので、 必ず自己責任でご利用ください。
さて、実際に使用してみたのですが、予想以上に簡単に接着できます。ゼリー状瞬間接着剤を用いれば、垂れにくく染み込みづらいので、石に木にと手軽に取り付けることができるでしょう。
とは言え、デメリットもあります。
詳しくは後述したいと思います。
瞬間接着剤のメリットその1:作業簡単!短時間!
主たる利点は、おそろしいほど簡単に接着できる点ですね。全てを固定するための作業時間は、おそらく5分もかからないでしょう。
木綿糸や釣り糸を巻く方法に比べたら、まさしく一瞬です。はやるにはわけがある、と納得せざるを得ません。
瞬間接着剤のメリットその2:どこでもいつでも手に入る !
さらに、最近は100均やコンビニなど、いろいろな場所で売られています。
もちろん、ほとんどの家に常備されているでしょう。
そのため、釣り糸や木綿糸を求めて、100均やホームセンター、さらには釣具屋にと、さまようことはないはずです。
瞬間接着剤のデメリットその1:完全に無害ではない
上にも挙げましたが、硬化する前は毒性があります。
水分で固まるので、空気によく触れさせ、さらに根気強く濯げば、水槽への影響は軽微だと思われます。
しかし、ご利用はあくまでも【自己責任で】でお願いします。
と言いますのも、過去に毒性のためなのか、アヌビアス・ナナの根が変色したこともありました。
植物以外にも、流木や石の色が変化してまだらになり、景観が損なわれる可能性もあります。使用する際は目立たない部分でテストするよう心掛けてください。
失敗したくないのなら、利用は控えるべきです。
瞬間接着剤のデメリットその2:きれいな絨毯にはなりづらい
釣り糸や木綿糸のように、ウィローモスを面で押さえつけるように固定できません。つまり、脇芽が発生しづらく、きれいな絨毯にはなりづらいのです。
もちろん、時間さえかければ少しずつ活着範囲を広げ、やがて限りなく区別がつかなくなるほど密生するでしょう。
しかし、わたしの場合ですが1年ほどかかりました。美しいものをいち早く求めているのなら、釣り糸がおすすめです。
ウィローモスを固定するだけなら5分。見ごろになるまで1年。
そんな極端な方法だと言えるでしょう。
というわけで、ウィローモスと瞬間接着剤の話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
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