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2017年12月12日火曜日

流木の上でウィローモスの水上栽培~湿っていれば元気に生長~

半分水に浸した流木にモスを活着させてみる

(2024/10/8 編纂・修正)

今回は、いつぞや流木に巻きつけて室内睡蓮鉢に設置したウィローモスについて。
たまたま半水没状態での栽培となり、その「水上」部分でも無事生長し始めたので、これを話のネタにしていきたいと思います。



意外と水上でも生長できる!?


作成した流木付きウィローモスのその後

さて、ウィローモスネタをブログのネタとして最後に扱ったのが1週間前のことです。

そんな流木に巻き付けたウィローモスですが、どうにも流木の先端が睡蓮鉢から飛び出し、大きすぎることが設置時に発覚します。さりとて、プレコ水槽を持っていた時からの付き合いであり、10年来の相棒をやすやすと切るわけにもいきません。そこで、本来の縦置きではなく斜め置きにすることで、全体の3/4を水没させることにしました。

それでも、水面から出ている部分が1/4あります。しかし、これ以上の手立てはなかったため、その部分の枯死はやむを得ないという気持ちで栽培を続けることにしました。乾燥や低温に注意をしつつ、被害が甚大となったときはいつでも本水槽に移動できる準備もしていました。

が、水上にあるウィローモスたちは予想外の生長を見せることになります。



偶然?水上で生長するウィローモス

水上ウィローモスのその後はどうなったか? そんなことを文章で書くよりも、写真で見たほうが早いですね! では、ご登場願いましょう。

ウィローモスの水上栽培(栽培開始から2週間後)
まだまだ釣り糸が見ますね!

どうです? 水上にはみ出てしまったウィローモスの2週間後の写真です。水上部分が思いのほか生長しているのがお分かりいただけるでしょうか。もちろん、乾燥によって枯れてしまっている部分もあります。

しかし、全体的にはおおむね生長していると言えるのではないでしょうか?

実際、ウィローモスは水中以外にも、水分が多くある半陸上のような場所で自生していることもあります。わたしが見たのは、とある家の朽ち果てた伊万里焼の睡蓮鉢の中。黒く汚れ、何年も前に放棄されたと思れるその中で、ウォーターマッシュルームに絡みつくようにけなげに生きていました。おそらく、日陰に無造作に置かれたあの中で、雨水を頼りにサバイバルをしていたのでしょう。

そのようなものを見た経験から、育成に十分な光と水分さえあればどこで栽培できるのではないかと、わたしは考えています。



ウィローモス水上栽培環境


栽培環境について

ここで、あらためてウィローモスが水上で生長できている理由を考えてみます。まずは、栽培環境について。

光 → 弱めの日光 + 植物育成用ライト
CO2 → なし
肥料 → 肥料→適宜(20倍液肥0.5ml/月)
加温 → なし
水温 → 最高水温18℃~最低水温10℃
場所 → 室内窓側半日陰

とりあえず、陰性植物が育つ環境にはなっていますが、テラリウムのように積極的に揚水するような器具は一切ありません。そのため、水面から出ている部分が、いの一番に乾燥という魔の手に迫られるわけですが、どうにも枯死せずに写真のように生長できています。

なぜでしょう?
その答えは流木にあります。



水上でウィローモスが生長できた理由

その胆となる水を供給するメカニズムについては、すでに気が付いている人も多いと思いますが、流木が水を吸収するからです。

プラスチックではなく有機物である流木は、まるで濡れた段ボールのごとく……とは言い過ぎかもしれませんが、苔が生える水滴る渓流の岩のように、睡蓮鉢の水を吸い上げ、活着している水上部まで供給してくれるのです。

今までの話をまとめれば……

水 → 流木から
光 → 太陽とライトから
CO2 → 大気から
温度 → 室温
養分 → 流木経由で水分から

光、CO2、温度といえば、光合成の限定要因で有名であり、さらに、流木から供給される水もあるとなれば、一応植物が生長できる環境が整っていると言えるようです。

とはいえ、偶然に成功した1事例ですから、すべての条件下でうまくいくとは限らないということを付け加えておきます。なにせ、作った張本人もビックリしていますので。



水上と水中での伸び方の違い

さて、この記事を作成してから4ヵ月が経過した2018年4月20日追記をしているわけですが、現在もはからずとも水上栽培になってしまったウィローモスは元気です。
さすがに水上は乾燥するようで、水上部分は水中部分と比べて伸び方が遅いようです。とりわけ、その先端は流木に含まれる水分が少なく、また茎葉の中で重力に逆らう方向への水分補給は難しいようで、一定の草丈に達すると自然と生長は止まりました。

しかし、まったく伸びないというわけではなく、新芽は水中と同じように出て横方向に広がっていくので、結果的に密に生い茂り、トリミングもしないのに絨毯のような状態となりました。

どうやら、活着させたもの(流木)が多少湿っていれば生長と生存は可能なようです。

ウィローモスの水上栽培(栽培開始から4か月後)
(4か月後のウィローモス)

偶然にも成功した、揚水ポンプいらずで便利なこの栽培方法ですが、いろいろと気になる点があります。次の章からウィローモスの水上栽培のデメリットについて述べていきたいと思います。



水上ウィローモスの弱点


その1:カビがはえやすい

デメリットも当然あります。それは、虫やカビといったジメジメ大好きな生き物の大発生です。
冬は大きな問題になりませんが、初夏から秋にかけては対策を施さないと大きなトラブルとなるかもしれません。とはいえ、虫もカビも、流木ごと水に沈めてしまえば駆除も簡単です。

実際、作成から7ヵ月後の7月に、水上部分が白色のカビに見舞われたこともあります。しかし、発見してすぐに軽く洗い流したうえで、睡蓮鉢内の水景を無視して流木全体が水に浸るように横向きに設置し直したところ、無事に駆除することができました。

また、記事作成から1年半後、再びカビの季節を迎えました。そのときは早めに水上部を水に浸け込んだのが功を奏したのか、ゴールデンウィークからは大きなトラブルもなく秋まで過ごせました。

どうやら、カビ対策は初動が大切なようです。



その2:低温と乾燥

水上ウィローモスの弱点はカビだけではありません。乾燥や低温による生長の抑制もその1つです。先にも述べたとおり、上端まで水分が行き渡らず乾燥しがちになるのはもちろんのこと、空気と触れる面積が広いゆえに低温でダメージを受けることもあります。

現に、わたしの環境では冬場の生長はほぼゼロ。枯れはしないが伸びもしない、休眠中ともいえるような状態となってしまいました。これを避けるには、ヒーターを入れて、なおかつ揚水ポンプで流木の上端まで水を汲み上げるのがベストでしょう。

しかし、これではもはや、わざわざ流木で水上栽培する意味がありません。枯死もしくは生長ゼロを甘んじて受け入れるか、それとも冬だけヒーターと揚水ポンプを取り付けるか、人によって大きく判断が分かれるかもしれません。

とにもかくにも、カビや乾燥・低温に注意さえすれば、機械に頼っていないため故障などのトラブルも起きず、無加温ですから生長速度が遅く、水に浸かっていないのでコケとは無縁。よく言えば、安定感のある栽培方法となっています。

睡蓮鉢全景。
現在の睡蓮鉢。浮草の生長が遅くなってきています。

というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。



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