ガーネットサンドのレビュー
(2024/10/8 修正)
この記事を作った当時、水槽の底砂を変更しようと画策していました。水草もあり、プレコもいるので、なるべく掃除しやすく硬度を上げないものを調査していました。
探し求めた結果、行きついたのがガーネットサンドです。以前、プレコ水槽の底砂として利用していた時期がありますので、押し入れから引っ張り出しレビューしつつも、比重や水質変化について調べた結果を述べていきたいと思います。
ガーネットサンドの特徴
何はともあれ、ガーネットサンドの特徴を言えば、「細かい粒のわりに重い」これに尽きます。これにより……
① 重さゆえに低床を掃除しやすい
② だから、ベアタンクにしなくてもよい
③ そのため、色飛びを抑えられる
という利点が生まれます。
そのため、アロワナ、淡水エイ、ポリプ、プレコなど、底床を汚す生体を飼育されている人々から絶大な支持を受けているのです。
ガーネットサンド耐久性
まずは、その耐久性について述べていきたいと思います。
もともとは、工業用の研磨用資材として利用されているようです。その理由は、粉砕しづらいため他の研磨剤よりも再利用できる量が多いことで、これは言い換えれば、耐久性があると言えるでしょう。
現に今、10~15年前(投稿時)に購入したものを取り出してみましたが、粉々になるような目に見える劣化はほとんどないようです。とはいえ、利用中にプロホースで吸い込むと、細かい粒子がバケツの底に貼りつきますから、多少なりとも日々の利用で損耗は進んでいるようです。
たしかに、値段は高いものの耐久性が高いため、十分元は取れる底砂だと言えますが、それでも損耗なしで永久的な利用はできないようです。
ガーネットサンドの比重
比重について
次にガーネットサンドの重さについて。
一般的なガーネット自体の比重が3~4であり、小粒な割にはプロホースで掃除しやすいのが特徴です。過去に、田砂や砂浜のようなものを、わたしはいままで利用したことがありますが、掃除をすると砂の粒が軽いため、水流に乗ってバケツと一緒に出てきてしまい困った代物でした。
しかし、ガーネットサンドは違います。重さがあるので内部では巻き上げられるものの、バケツへと排出される量は極めて少なく、手加減なしでガシガシと底床清掃をすることができるのです。また、ベアタンクと比較しても、底砂があることで魚の色落ちや、魚に落ち着きがでるようになります。
高価ではあるものの、長年選ばれ続けるのには、それなりの理由があるのです。
ガーネットサンドの比重を求めてみる
ここからは、本当に比重が3~4あるのか、求めてみたいと思います。
さて、比重とは、ある物質の「密度」と基準となる標準物質の密度の「比」だそうです。では、標準物質とは何か? これは、4℃の水だそうです。また、密度とは単位体積あたりの質量でもあります。
ここまでの話を式にすると以下のようになります。
密度 = 質量(g)/体積(㎤)
比重 = ある物質の密度(g/㎤) / 4℃の水の密度(g/㎤)
ちなみに4℃の水の密度は1(g/㎤)ですから、当然その比重は1となります。
机上での理屈はここまで。実際に測定して求めてみましょう。まず、100ml(=100立方センチメートル)のガーネットサンドを取ります。
この質量をキッチンスケールに乗せて求めたところ、242gでした。
ここからは計算となります。まず密度を求めましょう。
密度 = 242g/100㎤ = 2.42(g/㎤)
求められた値を利用して、今度は比重を求めます。
比重 = 2.42(g/㎤) / 1(g/㎤) = 2.42
計算結果から比重は2.42であることがわかりました。
予想より少々低かったのですが、水より2.42倍重いということになります。
したがって、プロホースで吸われても、パイプで留まりバケツに落ちてこないのです。とはいえ、「2.42」という値が他の底砂と比べてどうなのかは、さっぱりわかりませんので、次は大磯砂の比重を求めてみたいと思います。
番外編:大磯砂の比重
ついでに大磯砂の比重について。酸処理済みのものですから、未処理のものと比べて多少違うと思います。
それでは測定していきましょう。
100ml取り……
スケールで測定すると171g。
計算を飛ばし、答えを言えば、大磯砂の比重は1.71。ガーネットサンドよりもいくぶん軽いことがわかりました。
現実的に、大磯砂(比重1.71)であれば、プロホースでほどよく掃除がしやすく、さらにそれ以上であれば、ガシガシと掃除してもほとんどバケツに吸い出されないと言えそうです。逆に1に近いと底床掃除もままならないと言えるでしょう。もっとも、比重を表示している底砂はほとんどないので、購入時の指標にはなりませんが。
ガーネットサンドが水質に及ぼす影響
最後に、硬度について話していきたいと思います。今回、わたしが利用するにあたり最も気にしている部分はこれになります。
先にも挙げたとおり、耐久性があり、掃除しやすい特徴があります。しかし、それはあくまで生体に対しての話です。こと水草になれば、硬度がどのような影響を受けるのかで利用の可否が決まります。ネット上では多少なりとも上昇させるという説明が多数派のようですが、詳しくはよくわかっていないようです。ならば実験してしまおう! というわけです。
ガーネットサンドを使う量を求める
では、ガーネットサンドを水中に入れ12時間放置した場合、どのような変化があるか調べてみましょう。
当然、それぞれの量で硬度が大きく左右されると思われますので、今回は60cm規格水槽の水量とそのときに使うガーネットサンドの量と同じ割合になるような条件を作り、実験してみたいと思います。調べてみたところ、一般的に60cm規格水槽に厚さ1cm敷くためには、1.8Lのガーネットサンドが必要なようです。用意した容器は2Lでしたので、これに対して同じ割合になるよう比例式で求めてみます。
65L:1.8L=2L:X
65L*X=1.8L*2L
65X=3.6L
X=3.6L/65
X=0.0553846...…L
X≒0.055L
(この計算式では60cm規格水槽の総水量を65Lとしました。)
以上より、水2Lに対して0.055L、つまり55mlのガーネットサンドを投入すれば、60㎝規格水槽に1.8Lと同じ割合にできますね。
比較対象の水道水の水質チェック
何はともあれ、比較対象となる水道水の水質チェックをしてみたいと思います。今回用意した水道水は台所の蛇口から出たもので、これをテトラ6in1で測定してみます。
結果は……
【水道水】
NO3 0mg/L
NO2 0mg/L
GH 4°d
KH 6°d
pH 6.8
Cl2 0.8mg/L
妙にKHが高いような気もしなくはないですが、歴史のある街であるため、もしかしたら水道管が古いのかもしれません。この水道水の硬度が少々高いということが、今回検討している砂利系底砂をあきらめ、ソイルを利用するきっかけとなるのですが、それはまた別のお話。
ガーネットサンドを投入して水質チェック
それでは本命の実験をしていきましょう。まずは、バケツに水2Lを汲み、そこに55ml分測り取ったガーネットサンドとよく混ぜます。
そして、すぐにテトラ6in1を用いて測定してみました。
測定結果は以下の通りです。
【水道水+ガーネットサンド 0時間】
NO3 0mg/L
NO2 0mg/L
GH 4°d
KH 6°d
pH 6.8
Cl2 0.8mg/L
変化がまったくないようです。
では、水とガーネットサンドを混ぜたまま12時間経過させると、どのような結果になるでしょうか?
【水道水+ガーネットサンド 12時間】
NO3 0mg/L
NO2 0mg/L
GH 4°d
KH 6°d
pH 6.8
Cl2 0.8mg/L
またもや変化なし。予想外の結果となりました。
つまり、ガーネットサンドは短時間においてGH、KHを上昇させることはないと言えそうです。もしかしたら、試験紙ゆえに数値化できないため、細かい変化を見逃した可能性も十分に考えられます。また、本来なら1ヵ月、2ヵ月と実験を続けていれば変化が出るかもしれません。
が、とにもかくにも、結果は結果。今回は大きな変化はないということで、話を締めくくりたいと思います。あくまでも参考程度に捉えていただければ幸いです。
とうわけで、今回の話はここまで!
長文読んでいただきありがとうございました。
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