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2017年12月28日木曜日

ブラックウォーターでどれだけ硬度が下がるか実験してみた(アズーダブルブラックウォーターレビュー)

軟水化計画

(2024/10/12 修正)

今回は少し脱線気味ですが、アズーダブルブラックウォーターのレビューを述べていきたいと思います。ブラックウォーターにすると硬度にどれだけ影響があるのか? 長年の疑問を調べてみました。



アズーダブルブラックウォーターを利用することになった理由


底床の交換がきっかけ

投稿当時、わが家の水槽では底床の変更を検討していました。その際に、今まで利用した底砂をレビューしてしまおうもくろみ、そこからさらに脱線したものが、この記事となります。
さて、最初はただの底砂交換だったのですが、いろいろと調べていくうちに話の根底を覆すあることが判明しました。それは家の水道水が少しばかり硬度が高いということです。そこで、1つの目標を立てることにしました。それはどのような方法を用いても飼育水を軟水にすることです。この記事はその流れの中で綴ったものとなっております。



ならブラックウォーターがあるじゃない!

以上のような経緯があるため、根本的に解決する硬度を吸着する作用のあるものを探すことになります。例えば、硬くて崩れにくいソイルを模索してみたり、さらに浄水器の購入を検討したこともありました。

しかし、底床掃除を頻繁に行うプレコ水槽では、ソイルとの相性が悪く利用できません(と思っていました)。また、浄水器は高価ですのでおいそれと手が出ません。なんとかして硬度を下げる方法はないかと調査し、行きついた先がブラックウォーターです。



【後日追記】プレコとソイルの相性

さて、ここからは補足となります。当時は軟水にする能力と価格を考慮し、しばらくはさまざまな道具や底砂をあれやこれやと試すことになりました。そして、結局はソイルを利用することに落ち着きました。

上の文章では、プレコ水槽ではソイルは利用できないなんて書いてありますが、それはただの思い込みです。なんのことはない、しっかりと底床を掃除し、粒子が崩れてきたら補充もしくは交換すればいいだけです。もちろん手間はかかります。しかし、プレコにも水草にも優しい水槽となりました。

(2018/11/22 追記)



様々な軟水化の方法

以下、わたしなりに、ソイル以外で硬度を下げる方法をざっくり紹介しますと……

① ブラックウォーターを利用するもの
② 硬度を吸着するもの

に大ざっぱに分けられます。

どちらにせよ、硬度を上昇させる原因となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンを吸着させることで軟水化させるものです。



ブラックウォーター化するもの

ブラックウォーターでどうして軟水になるのか。それは、タンニンが金属イオンと結合し難溶性の塩を形成するからです。そして、方法は実にさまざまです。

・マジックリーフ
・ヤシャブシの実
・ピート
・調整剤

昔は、エーハイムトーフに代表されるピートやテトラブラックウォーターに代表される調整剤が主だった商品でした。しかし、わたしがアクアリウムから離れている間にヤシャブシの実やマジックリーフなんてアイテムが登場したようです。

今回レビューするアズーダブルブラックウォーターは調整剤に含まれます。とにもかくにも、グッズがますます充実していく、そのような明るい未来があればいいのですが……。



硬度を吸着するもの

さてこちらは、ブラックウォーター化するのではなく、硬度を吸着する道具の話となります。原理は前述のものと同じで、陽イオンであるカルシウムイオンやマグネシウムイオンを吸着することで軟水にします。

・イオン交換樹脂
・ゼオライト
・ソイル

と、こちらもさまざまな方法があります。イオン交換樹脂においては、ADAのソフナイザーが有名ですね。ゼオライトは安価に軟水化できるので有名だったりします。ソイルはみなさんご存じかと思います。

以上が、水を軟水にするための方法となっています。今回は濃度の微調整しやすく、コスパが良さそうな「アズーダブルブラックウォーター」で、ブラックウォーター化することにしてみました。



アズーダブルブラックウォーターのレビュー


コスパ良好!アズーダブルブラックウォーター

というわけで、長々と書いてきたわけですが、ここからはレビューになります。

まず、こういった液体系の調整剤につきもののコストパフォーマンスについて述べていきたいと思います。アズーダブルブラックウォーターの利用方法は、50Lに対して5mlの割合で添加するというもの。言い換えれば、10Lに対して1mlであり、120ml入りですので、総量1200Lのブラックウォーターを作ることができます。そして価格は¥1,380ですから、計算すると……、

¥1.15/L

ということになります。
対して、定番のテトラブラックウォーターはといいますと……

設置時は10Lに対して5ml
換水時は10Lに対して3ml

どちらの値を取るか迷ったのですが、今回は後者で計算してみましょう。こちらは、250ml入りで、総量833Lのブラックウォーターを作ることができます。価格は¥1,120です。これはつまり……

¥1.345/L

ということになります。結果、前者の方が安く作ることができるようです。(2017/12/28当時)。とはいえ、小売店のセールによる部分が多分にあるため、常日頃価格をチェックし、安いものを利用したいものです。

次のパートは、実際の水質の変化について。



ブラックウォーター化で水質はどうなる?

実際問題、コスパよりも、どれだけ軟水化できるか気にしている方も多いのではないでしょうか? そこで、実験してみることにしました。

まず、わたしの水槽のGH、KH、pHは以下のようなものでした。

GH → 8°d以上
KH → 6°d
pH → 6.8

次いで、添加後を……としたいところですが、いきなり水槽に規定量を入れるのはさすがにpHショックのおそれがあったため、今回はバケツに飼育水2Lに対して200μLを添加し、その変化を確認してみました。

GH → 4~8°d
KH → 6°d
pH → 6.4

わたしは化学屋さんではないので詳しくわかりませんが、総硬度が減少していれば、それでよいのではないかと思っています。というのは、KHというのは「炭酸塩硬度」の略称ですが、実際には炭酸水素塩由来の炭酸水素イオンの濃度を測定しているからです。厳密には、とりわけCO₂が多い水槽内において、どの炭酸水素イオンがカルシウムイオンやマグネシウムイオンと結合していたかは分からないため、硬度を正確に反映しているとは考えられないからです。

それではKHにどのような意味があるでしょうか?

これは硬度としてよりも、急激なpHの変化を起こさないための緩衝作用の指標として扱うべきです。その他、CO₂添加時には、pHとKHを用いてCO₂濃度を調べることもできます。とにかく、奥が大変深いものですから、別の機会に詳しく述べたいと思います。



色味は?

最後に、色合いについては、きれいな黄色透明を有しており、規定量添加時には暗くなりすぎず、ちょうどいい塩梅かと思われます。アマゾンの雰囲気を再現するために、どす黒いブラックウォーターを求めている人には、正直物足りないかもしれません。

←添加前・添加後→

軟水化といい、色合いといい、思ったよりもマイルドな効能のようです。
というわけで、今回はここまで。長文読んでいただき、ありがとうございました。



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