ウィローモスを活着させるための固定を写真で
(2024/10/7 編纂・修正)
今回は、「釣り糸」を利用した方法でウィローモスの固定について紹介します。
この方法は耐久性があり、活着前に糸が切れてバラバラにならないのが一番の利点です。たしかに、作業は面倒ですが、じっくりと時間をかけて巻けば、応えるように美しく仕上がるのも見逃せない点となっています。
道具・ラインについて
道具を紹介していきます。前者2つはアクアショップで、後者3つは100円ショップでも手に入るものとなっています。
・流木
・ウィローモス
・釣り糸(今回は0.8号)
・ハサミ
・瞬間接着剤(利用は自己責任で!)
さて、釣り糸は経験や腕に自信があるなら、使う号数をより細くすることをおすすめします。水槽内に入れたときに、目立たなくなるからです。逆に、独特のコシや張りが苦手なら1号前後の淡い色のカラーラインが良いでしょう。
もちろん、号数を上げても同様の効果があります。ただし、太くするにつれて扱いやすさだけでなく、癖やコシにより巻きつけや結束が困難となりますので、ご注意ください。これはあくまで私見ですが、所持している釣り糸を手に取った感触では、気持ちよく使えるのは2号ぐらいまでではないでしょうか。
どちらにせよ、太いものや色付きは巻きたて直後は目立ちますから、ご自身が作業しやすいものを選ぶのが良いと思います。
手順
ここからは、作業手順となります。巻き方自体は大変簡単かつ単純ですが、細くて透明な糸ですので、手先の器用さはもちろん、忍耐と集中力を要します。気持ちに余裕があるときに行いましょう。
ウィローモスをハサミで刻み、水分をふき取る
ウィローモスを刻みます。活発に新芽が出るように促す効果があるからです。満遍なく流木に乗せるのも楽になりますので、茎葉が3~4cm程度になるように刻んでいます。とはいえ、あまりに細かく刻みすぎるとダメージになり、いじけて生長しなくなるので、ご注意ください。
次いで、流木とウィローモスの水分をティッシュペーパーやキッチンタオルで、さっと軽く吸い取ります。水分があると表面張力によってモスの断片が手に張り付き作業しづらくなるからです。水に濡れた髪の毛は、よく地肌に張り付きますよね? それと同じことです。
モスを置き、水で仮止めする。
ここからは、流木に仮置きする作業をしていきます。ふりかけのごとくパラパラとでもいいですし、ワタを置くごとくフワリでもいいです。とにかく自分の好きな場所に置いていきます。
次いで、仮止めしていきます。今度は、先ほど邪魔だった水の表面張力を逆手に取ります。スポイトでもいいですし、霧吹きでもいいです。仮置きしたウィローモスを湿らせると、あら不思議!? ベタっと貼り付き、ボロっと剥がれてしまうのを防げるのです。
……といっても、逆さにしたり、斜めにしたりしたらダメですよ? ほんのささやかな力で張り付いているだけですので、手荒に扱えばすぐに取れてしまいますので、ご注意を。
スタート地点を作りぐるぐると巻いていく
それでは釣り糸を巻いていきましょう! まずは巻きつけるスタート地点を作ります。結びやすい部分を見つけて、かた結びやユニノットで釣り糸を強く流木にくくりつけます。
ここが、巻きつけの土台となります。ほどけてしまうと全体が緩み、ウィローモスが外れてしまう原因となります。きつく結びつけましょう。今回はかた結びを2~3回繰り返しました。
青〇はスタート地点&ゴール地点(後述) |
スタート地点ができましたら、ぐるぐると釣り糸を巻きつけます。間隔がだいたい0.5~1cmとなるように、ゆっくりと丁寧に巻いていきます。もっと狭いほうが良いという人もいます。実際、密に巻くと釣り糸もウィローモスもしっかり固定でき剥がれなくなり、ほどけにくくなりますから、長期維持という観点から有利で、さらに見た目もきれいと、良いことずくめです。
とはいえ、現実的には時間や集中力との兼ね合いもあるので、わたしはこだわりすぎず上記の間隔で巻くようにしています。
完成後の写真ですが、今回はこれぐらいの間隔で巻きました |
せっかく巻いた釣り糸がほどけてしまう!?
ウィローモスを釣り糸で巻いた後、数週間でほどけてしまった! 散りぢりになって水面で浮いている!! という惨事はよく聞く話です。しかし、釣り糸はナイロンでできており、木綿糸と違って簡単に劣化せず、かた結びを数回するだけで強固に結べます。
では、何が問題なのでしょうか?
巻いた釣り糸が上下にずれることで緩みが生まれ、そこからほどけてしまうのが原因です。そのため、巻くときはテンションをかけながら、巻く回数を増やし、間隔を狭くするようにします。こうすれば、後でほどけてしまうリスクを減らすことができるのです。
折り返し地点を作り逆方向へ巻く
以上を意識して、作業を続けていきます。流木の端まで届いたら、ここからは折り返して巻いていきます。が、その前に、折り返し地点でかた結びやハーフヒッチをしておきましょう。
こうしておけば、万が一釣り糸が緩んでも、途中からやり直しができるというわけです。
下黄色〇スタート地点 赤→青→緑の順に巻き 上黄色〇は折り返し地点 |
それでは、逆方向へ進んでいきましょう。すると、すぐに細かい◇型の模様が姿を表します。網目が小さいほうがウィローモスをしっかりと固定できます。活着させるまでの間にほどけることがないように、密に◇模様を作ったほうが良いでしょう。
とはいえ、繰り返しますが、あまりにも細かすぎるのは大変です。わたしの経験では、向かい合う頂点の幅が0.5mm程度になるように巻いていけば、大きな問題は起こりづらいように思えます。
スタート地点まで戻ったらその場で重ねるように3回結ぶ
逆方向にひたすら進み続け、いよいよスタート地点まで戻ってきたら、この地点で5~6周ほどぐるぐると重ねるように巻きます。これから最後のかた結びをするための準備です。
まず、かた結びをするために必要な長さ(20cm程度)を残してカットします。結ぶのに慣れていないなら、もっと長めに30cm、50cmなど長めに取っておくと、大きな失敗は少ないでしょう。
もし、フライフィッシングのタイイング(毛鉤づくり)で用いられるようなハーフヒッチを素手で行えれば、この作業は大変楽になるのですが、ネット上で探し回っても載っている情報はごくわずか。わたしも、指の動きを文章化してお伝えしようと試行錯誤したのですが、困難を極めたので今回は割愛します。
とにもかくにも、緩まないように結んでいきます。どんな方法でも構いません。個人的には、かた結びを2~3回重ねるのが分かりやすく、容易に思えます。
なお、ここがほどけてしまうと、折り返し地点までの釣り糸すべてが緩んでしまうので、きつく結びましょう!
結び目を瞬間接着剤で固定
これで、出来上がり! と言いたいところですが、ほどけるのを防ぐため、瞬間接着剤で結び目にたらすようにしています。もちろん、硬化さえすれば無害であるものの、液体の状態では有害です。わたしは利用の際は、硬化後十分に濯いだ上で水槽に戻すようにしています。そのため、誰にでもおすすめできる方法ではありません。
くれぐれも、瞬間接着剤の利用は自己責任でお願いします。
不安な人は利用を控え、代わりに前パートのかた結びをさらにもう数回繰り返しておきましょう。
最後に、余分な釣り糸をカットして完成となります。
とうわけで、今回はここまで。 長文読んでいただき、ありがとうございました。
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