100均ケースで自作排水アクセサリ
(2024/11/6 編纂・修正)
現在、余裕のあるろ過を目指し外部フィルターを並列稼働しています。良いことばかりでなく、45cm規格水槽ではせっかくの性能も持て余し気味で、強すぎる水流のためか黒ひげ苔が旺盛に繁殖する環境となりつつあります。本来なら水の勢いを弱める排水アクセサリを利用したいところですが、市販品を利用するとこの通りの存在感。
なら、自分で作ればいいじゃない! ということで、排水パイプが2本入る排水アクセサリを自作することにしました。
水流・水圧を弱める排水アクセサリに必要な条件
まずは、水流を弱める排水パイプに求められる条件をリサーチすることにしました。
第一に、水流を弱めること。
今回は黒ひげ苔対策で自作するので、必須の条件です。例えば、ADAのポピーグラスやエーハイムのナチュラルフローパイプなどの製品では、開口部を広げることで水流を弱める手法が用いられています。今回は、これらをインスパイアしつつも、水が直接当たる面をパンチング加工し、物理的に勢いを弱める手法をとることにしました。
第二に、無色透明であること。
これは、常に水槽上部に設置するアイテムのため、隠すこともできずよく目立ち、さらに影を作り出し、水草の育成に悪影響があるためです。そのため、高価な製品はガラスを材料として利用しているわけですが、さすがに自作においてそれらの加工は不可能です。妥協点として、今回は加工性に優れた透明なプラスチックケースを流用することにしました。
第三に美しい形。
目立つ場所に設置するゆえの当然の配慮かと思います。熱心なファンがいるADAの製品は、ため息をつくほどの有機的な造形美を有しています。もはや、自作では再現不可能な領域です。そのため、今回はこの最後の条件には目をつむることにしました。
さぁ、条件は分かりました。早速作っていきましょう。
外部2台で共有する排水アクセサリを作る!(道具編)
道具一覧
道具の一覧です。
・100均の透明なケース
・電動ドリル
・ドリルビット(直径3mm、直径2mm)
・ニッパー
・紙やすり#600~#1000
・棒やすり(丸型)
・マスキングテープ
・マジック
・吸盤
・ビニタイ
・軍手
利用するケース、ドリル、吸盤について
ここからは、注釈が必要な道具のみ、簡単に述べておきたいと思います。
まず、透明ケースについて。今回は百円均一ショップの一つである「セリア」で購入した、1辺が6cmの立方体のものを使います。手頃な大きさであれば、どのようなケースでも問題なく工作材料にできるはずです。また、色については好みを反映してもよいと思いますが、先に挙げた条件のとおり、無色透明のものとしました。
次いで、電動ドリル。あると何かとあると便利な道具で、最近ではIKEAやホームセンターなどで2,000~3,000円とお求めになりやすい価格で販売されるようになりました。しかし、どうしても入手できない場合は、ピンバイスをおすすめしたいと思います。時間と体力こそ使いますが、安全かつ確実に穴を開けてくれることでしょう。
なお、ドリルビットについては今回は2mmと3mmのものを利用し、これらの小穴を連ねることで1つの大きな穴としますが、より美しい仕上がりにしたいのなら「ホールソー」がおすすめです。
最後に吸盤。排水アクセサリをガラス面に固定するのに利用します。
今回は、エアチューブ用のものを1個使用しました。もちろん大きなものでも構いませんが、なるべく目立たないものを使いたいところです。
外部2台で共有する排水アクセサリを作る!(手順編)
それでは、実際の手順を紹介していきます。
注意事項
当然ですが、必ず自己の責任のもと、自作と自作品の利用をしてください。また、刃物を扱うわけですから手を切らないように軍手を着けましょう。手を怪我したら水替えができなくなるわけですから、アクアリストには一大事です。
テープで穴を下書きする
まず、排水パイプが通る面を選び、そこをマスキングテープで覆います。これには、下書きするためと、加工中の表面の保護という意味があります。
次いで、穴の下書きをします。今回は、現物のφ12/16接続用パイプを利用して円を書いてみました。
ドリルで線に沿って穴を開け、バリを取る
それでは電動ドリルを利用して、まるでミニ四駆の肉抜き(歳がばれる)のように穴を開けていきます。
上の写真のように、下書きしたライン上に小さな穴を開けていき、これらの小さな穴を下の写真のようにニッパーでつなぐように切断していきます。
続けてもう片方の穴も開け、下の写真のようになりました。
この状態ではバリ(=ザラザラとした切断面)がひどいため、うっかり指を突っ込もうものなら、大きなケガをします。そのため、マスキングテープを剥がし、紙やすりで入念に整形しましょう。
パンチング加工するために下書きする
ここからは、ケースの側面に無数の穴を開ける加工をしていきます。
まず、先ほどと同じように、マスキングテープで保護していきます。なお、テープを貼る面はパンチングする面であり、すなわち水流を通す面であり、これは水流が流れる方向を意味します。水を通す面が下なのか、それとも右なのか、左なのか、いやいや前後左右なのか、よく考えて貼り付けましょう。
次いで、穴を開ける位置の下書きをしていきます。今回はこのように縦横1cmの正方形を描き、そこに対角線を引いてみました。
この交点にドリルで穴を開けていけば、等間隔になり、美しい仕上がりになるという算段です。
電動ドリルでパンチングする
実際に、電動ドリルでパンチング加工をしていきます。
こういったプラスチックのケースは意外ともろく、時にはひび割れすることもありますので、まず下穴(直径2mm)を開け、次いで本来の穴の大きさ(直径3mm)に拡張しました。
次に、やすりでバリを取っていきます。この時、直径3mmの穴のバリを取るわけですので、細くて長い丸形の棒やすりを利用すると手早く作業できます。もしそれらがない場合、紙やすりを細く丸めて利用すれば代用できるでしょう。うっかりケース表面をやすりで触れると傷が付くことがありますから、自信がない人はバリ取りの後にマスキングテープを外すといいかもしれません。
下の写真はテープを剥がし、やすり掛け後のもの。なかなかきれいにできたようです。
仮設置&吸盤取り付け
ここでいったん仮設置をして、目的通り水流が弱くなったか確認してみます。今回の自作物ではまだ勢いが強かったため、さらにもう1面をパンチ加工することにしました。なお、作業工程はまったく同じであるため、割愛します。
(見た目はすごくいいのだが……) |
最後はガラス面に固定するための吸盤の取り付けです。方法はいたって簡単で、まずはケースのガラス側となる面に穴を2つ開けます。次いで片方の穴へ内側ビニタイを通し、外側に出します。そして、出した先端に吸盤を通し、もう片方の穴に入れ内側へ通します。最後に出会った両端をぐるぐると巻き付けるように締め込んで出来上がりです。
(水流が弱まっておらず諦める) |
設置してできあがり
現在は下の写真のように設置しています。
パンチング加工した面が向かって前面と左面ではなく、右面と左だったら穴が目立たずに済んだはずだと少々後悔していますが、性能そのものは十分であり、大変満足しています。
60cm規格水槽用外部フィルター2台でも水槽中部~底部ではほとんど水草がなびきませんから、その強さたるや強烈なようです。
そんなわけなので、今回の自作はまずまずの出来のようです。わたしとしても、見た目もすっきり省スペースで、結構気に入っています。
というわけで、これで完成です!
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