ウィローモスを瞬間接着剤で活着させる方法
(2024/11/16 修正)
さて、今回は瞬間接着剤を利用したウィローモスの活着方法を紹介します。メリット・デメリットは前回説明したので、まだお読みになっていない方は、まずはコチラをご覧ください。
なお、硬化前の接着剤は有毒であるため、多かれ少なかれ魚や水草に影響があるものと思われます。そのため、作業は必ず自己責任で実施してください。また、利用後はよくすすいでから水槽に戻しましょう。
活着させるための道具
まずは、今回使用する物品について列記しておきたいと思います。
・ウィローモス
・レイアウト用の石や流木など
・瞬間接着剤
・キッチンペーパー
・ハサミ
・カルキ抜きした水
注釈が必要なものだけを下で述べていきたいと思います。
まず、今回利用した石は、ツルツルとした木化石です。表面が平滑なものを選んだ理由は、接着しやすかろうと思ったからです。しかし、ウィローモスにとっては凹凸がある方が活着しやすいはずで、後の生長を考えれば溶岩石や流木の方が良かったのかもしれません。
(木化石) |
また、瞬間接着剤はアロンアルファゼリー状を使いました。選んだ理由は液状よりもゼリー状の方が、流木や石などに染み込まず、強固に接着できると考えたからです。そんな懸念とは裏腹に、1ヵ月たった現在でも外れるようなことはありませんでした。
最後にあると便利なのが、キッチンペーパーです。ウィローモスをうまく接着させるために、軽く水分を拭き取るのに利用しました。これがないと、表面張力で手に貼り付き、作業が難儀しますので、あった方がよいでしょう。
瞬間接着剤で活着させるための方法
さて、前回よりご覧いただいている方は、お待たせしました。これより手順について述べていきます。文章にしてみると、案外長いので、実際の作業工程も多いのかと思われるかもしれません。しかし、作業はごく短時間で終わりますので、ご安心ください。
ウィローモスと活着対象の下準備
まずは、ウィローモスを入手します。今回は、↓の写真のとおり、流木からトリミングした余りを利用することにしました。そのため、まずは簡単にウィローモスをトリミングしていきます。
(トリミング前) |
上の写真の伸びきっただらしないボサボサ頭のモスを、ハサミでバサリバサリと形を整えていきます。
(トリミング後) |
スポーツ刈りといったような風貌になりました。今回は、生長に影響を与えないため、丸刈りにするようなことはせず、流木の輪郭がわかる程度にとどめてあります。なお、この流木付きウィローモスは、生長が旺盛すぎることもあり、その後すぐに巻き直しすることになりました。
(このうち1/3しか利用しませんでした) |
それでも、ウィローモスの切れ端は思いのほか取れたようです。次いで、キッチンペーパーなどで軽く拭いて余分な水分を取り除きます。理由については道具パートで述べたとおりです。
そして、茎葉が3~5cmとなるようにハサミでザクザクと刻みます。これには、より作業しやすくするために、適度に刺激を与え新芽の展開を促すという2つの理由があります。ただし、あまりにも細かくしすぎると、かえっていじけてしまうので、3~5cm、もしくはそれよりも少し長めに刻むのがよいでしょう。
最後は、活着させる対象物の下準備です。こちらも真水で軽く洗った後、キッチンペーパーで水分をよく拭き取っておきます。これにて準備完了、あとは接着していくばかりです。
瞬間接着剤で貼りつける水槽へ
それでは、ウィローモスを接着していきましょう。まず、接着液を石や流木に塗ります。このとき、一度に大きな範囲に塗ろうとすると、石と指がくっついたり、取り付ける前に硬化してしまうなど、くだらないミスの原因になります。そのため、なるべく狭い範囲で、コツコツと作業することをおすすめします。今回は下の写真のように、接着剤が2~3cmの範囲に収まるように塗布してみました。
(写真左側にある液が瞬間接着剤) |
そこに、刻んだウィローモスを置いていきます。次の写真のように直径1~2cm程度のひと塊をふわっと接着剤がある所に乗せて接着します。なお、当たり前ですが、瞬間的に硬化しますので、やり直しは利きませんのでご注意ください。
これを何度も繰り返し、ウィローモスを均一に貼り付けていきます。
(中央にある液が瞬間接着剤) |
↓
(出来上がり!) |
全ての接着をし終えたら、カルキ抜きした水で十分によくすすぎ、出来上がりです。
最後に、水槽や睡蓮鉢の好きな位置にウィローモスをレイアウトしましょう。ただし、接着剤でとまっているだけですので、活着するまで極力いじらないようにしましょう。次の写真は投入後の睡蓮鉢です。白くなっている部分は、硬化した瞬間接着剤が変色したものです。
(白いぼつぼつが目立つ) |
絨毯になるまで時間がかかる!
さて、瞬間接着剤で接着して、1ヵ月経過したときの写真がこちらです
((瞬間接着剤利用・1か月後)) |
どうですか? 残念なことに葉がスカスカだと思いませんか?
現状では、たしかにウィローモスの分枝は始まっていますが、茎葉の本数も少なく絨毯とはほど遠い状態で、そのため活着も思うように進んでおりません。オクラネットや釣り糸を利用した固定方法と比較すると、生長が大変遅いものとなっています。
その理由は前回も記しましたが、瞬間接着剤を利用した方法は、茎葉の一部分を固定するだけの方法であるため、水中では自由な状態となっています。そのため、葉を伸ばせば生長に十分な光を得られ、脇芽をたくさんつけるようなことはしないようです。対して、糸を利用した従来の方法は、植物ホルモンの分布が水平に近くなることが関係していると思われますが、光源との距離が遠くなり、旺盛に脇芽をつけるようになります。結果として、生長後のボリュームや密度という差としてあらわれます。というわけで、同じタイミングで釣り糸で巻いたウィローモスとの比較写真をご覧ください。
((双方とも同じ無加温睡蓮鉢で栽培)) |
流木付きの方がナイロンの釣り糸で巻き付けたもので、石に付いているものが瞬間接着剤で固定したものです。あまりにも葉の密度が低いので、木化石にアオミドロが取り付いているようにしか見えません……。が、たしかにこれは、今回作成したウィローモス付き木化石であり、コケも付いていない良好な状態です。結局は、縦方向ばかり伸びて、横方向にはほぼ生長していないものと思われます。
では、見頃を迎えるにはどれほどの時間がかかるのでしょうか? 結論を言えば、1年間です。もちろん、加温、高光量、高栄養の環境ならもっと早く生長し、見ごろを迎えるはずでしょう。しかし、それでも、従来の方法と比較すれば、メリット以上にデメリットが上回っていると断言できるかもしれません。
(約1年経過したもの) |
以上より、
・綺麗なウィローモスの絨毯にしたい人
・より短時間で生長させ「見ごろ」にしたい人
そんな人は、素直に釣り糸で固定することを、わたしはおすすめしたいと思います。
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