クリップ扇風機&自作冷却ファン失敗談
自作失敗談!&冷却ファンのメリット・デメリット
(2024/11/25 修正)
今回は、PCファンを使って冷却ファンの自作を試み、失敗するまでの一部始終を紹介していきたいと思います。
夏の水温対策の本命はアクア用冷却ファン
冷却ファンは庶民の味方
これほどまでアクアリストを深く悩ませる問題はありません。
魚の命が最優先。水槽用クーラーを設置するのが正解だと、ド正論が突き返されてきそうですが、本体費に電気代と大変懐事情に厳しく、庶民が費用対効果で到底納得できるものではありません。
もしパートナーに相談しようものなら、「そんなお金あるなら」と火に油を注ぐばかりで、家族全体の不興を買うのは目に見えています。小さな水辺を取り巻く金銭問題は、わたしが水槽を始めた10年前から改善すらしていないのです。水槽用クーラーが安くなった、電気代がほとんどない、設置場所も排熱も稼働音も困らない、などという話は夢のまた夢、未来にならないと訪れない!
……かもしれません。
となれば、必然的に低コストで水槽を冷やす手立てはないのか、という話になります。
ここで登場するのが、庶民の味方!! アクア用冷却ファンです。
水槽用冷却ファンの利点・欠点
というわけで、まず冷却ファンの利点と欠点について列記してみたいと思います。
・設置場所や固定方法に困らない
・廉価である
・安心して利用できる
・消費電力が少ない
・逆サーモが付属している製品も
・部屋用クーラーと併用できる
以上のように、挙げればきりがなさそうです。事実、多くのアクアメーカーから発売されており、どの製品もよく考えられて作られているため、その経済性と合わせて水槽冷却器具のメインストリームだと言えるでしょう。いつの時代の夏にも、そこには冷却ファンがあったのです。
しかし、便利な反面、欠点もあります。こちらも列挙すると……
・風切音や駆動音がうるさい
・2シーズンで故障することもある
・アダプターが邪魔になることも
・製品によっては逆サーモが必要
・ガラス蓋を外さないと利用できない
優秀なものが多い冷却ファンですが、使いづらい特徴も多く有しているのです。そのため、アクアリストが代用できる道具を探したり、自作するのは、当然の流れだと言えるでしょう。実際わたしも、クリップファンで水槽を冷やしたこともあります。
たしかに、それはそれでよかったのですが、大きな問題もありました。
クリップ扇風機の利点・欠点
ここで、クリップ扇風機の利点をいくつか記しますと、まずその風量が挙げられます。水槽用のものと比べて大きなモーターと巨大なハネがついているので、強い風を作れるのです。そのため、その風量ゆえに冷却能力も強力だと言えるでしょう。もっとも、冷却には気温と水温、そして湿度が関係しているので、一概には言えないことですが……。
また、クリップ扇風機は騒音になりづらいという利点もあります。それでも、大きなモーターであるため、無視できないほどの稼働音があり、人によっては音を大きく感じるはずです。しかしそれは、多くの人が幼少の時より、夏特有の音として慣れ親しんだものです。耳障りと感じる方は、おそらく少ないのはずだと思います。
そのように、一見メリットしかなさそうなクリップ扇風機ですが、実は重大なデメリットがあります。それは、本来の用途ではないことです。水槽直上より送風して水を気化させれば、当然湿度が高くなりやすく、結果として故障の危険性や機器の寿命が短くなる可能性があります。もちろん、わたしが利用していたものには、「湿度が高いところで使用しないでください」と注意書きが記されてあり、1.5シーズンもたたずにモーター部が熱を持った状態で動かなくなってしまいました。 もしかすると、電圧が高いため、異常過熱し発火していたかもしれません。ゾッとする思いです。
そのほかにも、大きさや消費電力、さらにはそもそも水槽付近にクリップ扇風機を固定するものが必要であったりと、入手しやすく身近な存在ですが、実際に使うとなると、思いのほかハードルは高いようです。とはいえ、こちらの静音性をいたく気に入り、もはや冷却ファンに戻るつもりはさらさらありません。
どうする? ならば、自作だ!
知ってますか? USBとPCファンの電圧の違い
ここから先はタイトルの通り、実際にPCファンで自作し、失敗するまでの経緯を紹介していきます。
PCファンで水槽を冷却するための道具(失敗談)
失敗談ではありますが、早速道具の説明に移りたいと思います。
まずは、今回利用した道具の一覧です。
・PCファン
・USB電源アダプタ
・PCファン用USB電源変換ケーブル
・クリップ
・逆サーモ
・ドライバー
注釈が必要ないくつかについて簡単に説明しておきます。まず、今回利用したPCファンはOwltechの60mmサイズ20mm厚のものです。小型で、風量があり、そして静音性が高かっため選びました。給電コードは、4ピンペリフェラルコネクタもしくはファン用の3ピンでDC12Vで動くものとなっています。
次いで電源ですが、USB電源を利用しました。こちらは100均で購入したもので、iPhoneなどのスマートフォンを充電する時に使うもので、今回の失敗の原因となります。
そんな間違いを犯したのは、今回利用したPCファン用USB電源変換ケーブルがあったからです。安値で販売されていたため、思わず飛びついたのです。しかし、通販サイトのレビューにはいろいろと文句が書かれていたようなので、それを見落としてしまい、今回の失敗を生み出すことになりました。
あぁ……よくチェックしておけば。
と、失敗原因と結末が分かったところで、手順の説明となります。
PCファンで水槽を冷却するための手順(失敗談)
それでは、今回失敗した自作方法を紹介したいと思います。
なお、PCファンで水槽を冷却するのは、本来の使用方法ではありません。自作と自作品の利用は必ず自己の責任のもとで行ってください。
まず、PCファンを固定するネジにクリップのつまむ部分を通します。その状態でドライバーで締めて、ファンに固定します。この部分はPCファンとキャノピーやフタ(自作)と固定するパーツとなります。
次いで、逆サーモにUSB電源アダプタを接続します。コンセントにプラグを差し込むだけです。非常に簡単です。
さらにUSB電源アダプタにPCファン用USB電源変換ケーブルのUSBコネクタを差し込みます。こちらも、いつもスマホを充電するように入れるだけ、いたって普通の作業です。
そして、取り付けたケーブルの先端にあるコネクタに、PCファンから伸びた3ピンを取り付けます。コネクタの内部にある金属製のピンは簡単に曲がってしまいますので、ピンが穴にまっすぐ入るように、ゆっくりと丁寧に作業してください。
最後に、自作のフタやキャノピーに取り付けて出来上がりです。それらがなければ、クリップの代わりに大きめの目玉クリップを取り付け、アクア用ライトに挟み込めば、簡単に設置できおすすめです。当然、その利用は自己責任で。
実際に使用してみた……(失敗談)
それでは、スイッチオン!
「ナニコレ! 回っているけど、風が全然出ていない!」
風量が弱いです。激よわです。風を当てるというよりは空気を循環させているようなイメージで、「そよ風」といったところでしょう。なぜこのような結果になったのでしょうか?
問題はUSB電源にあります。こちらから出てくる電圧・電流はDC5Vの1.0A、対してPCファンが求めるのはDC12V。結果としてファンを回すのには、明らかに電圧不足なのです。
とはいえ、USB電源アダプタでPCファンを動かすという発想自体は正しく、DC5V→DC12Vに昇圧変換する器具さえ利用すれば、問題なく利用できるのです。……が、当時は金欠気味だったため、格安商品に飛びついた結果、このような残念なことになってしまいました。
とにもかくにも、単三電池1本でミニ四駆を動かすようなもの。当然と言えば当然の結果となりました。もちろん、水槽の冷却能力としてはかなり微妙なもので、このままでは引き下がれない! というわけで、リベンジすることになります。
というわけで、今回はここまで。長文読んでいただきありがとうございました。
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