ドワーフ・フロッグピット栽培のポイントは水流と温度!
どうもこんにちは。ごん太です。
今回は、ドワーフ・フロッグピットの実際の栽培について。
導入方法、栽培方法、間引き(トリミング)、栽培上の注意点、越冬などについて。
今までの栽培経験をもとに、紹介していきたいと思います。
まずは目次、サイト内リンクに続きまして本文へと入っていきます。
それでは続きをどうぞ!
(サイト内リンク:ドワーフ・フロッグピット関連)
- ピット?ビット?道具はどうする?ドワーフ・フロッグピット(前編)
- 枯れさせない・溶けさせない! ドワーフフロッグ・ピット(後編)
→イマココ
ドワーフ・フロッグピットの導入
導入方法はとっても簡単!
今回からは、具体的な栽培方法の話になります。
最初は、導入方法と注意点について。
以下導入手順は、スネールが侵入しないことを目的に行います。
- カルキ抜きした水で軽くすすぎながら、目視による検疫を済ませます。
- 「水草その前に」や炭酸水などの薬剤も利用しましょう!
- よくすすぎ、薬剤を落してから水槽へ。
つまりは……、ほかのごくごく一般的な水草と、ほぼ同じ手順となっています。
導入時の注意点も、他の水草と一緒というわけなのです。
葉の裏側にスネールが潜んでいるかも!?(導入にあたっての注意点)
導入時最大のポイントは……
スネールの有無です。
浮草という特性上、表側(水面側)の葉に目が行きがちです。
しかし、スネールたちは基本的に、人目につかぬところを好みます。
とりわけ、ドワーフ・フロッグピットの場合、裏側に付着していることが実に多いです(体験者談)。
そのため、葉をひっくり返して、目でよく観察することをお勧めします。
また、水ですすぎながら、軽く手で触れてみてもいいです。
スネールがいると、小さなポコっとして無機質な感触があるはずです。
……が、それでも見逃すことがあります。
カワコザラガイなどのスネールの卵は、目で見えないほど小さいからです。
目や素手でチェックするだけでなく、薬剤を利用したスネールの駆除も、併用したほうが良いでしょう。
なお、わたしはこれを怠り、睡蓮鉢がカワコザラガイまみれになってしまった経験があります。
プラナリアゼロで完全に駆逐できましたが、景観的・時間的・金銭的損失は甚大です。
なるべく「水草その前に」などの薬剤を利用してから、導入することをお勧めします。
たしかに、ちょっと余分な手間だったり、時間やお金がかかったりして面倒ではあります。
が……、もしものことを考えると、導入のタイミングで処理するのがお勧めです。
ドワーフ・フロッグピットの栽培方法
道具さえ揃っていれば、後は浮かしておくだけ!
実際の育成は、器具が揃ってさえいれば、比較的簡単なことです。
光合成をおこなうための葉は水上にあります。
よほど酷くない限り、コケにやられることはありません。
また、ライトに最も近い場所で栽培します。
ほかの水草の陰のせいで、ドワーフ・フロッグピットが生長しない!
ということはまず起きません。
さらに、ライトと葉の距離が、大変近い位置で育てます。
結果、強烈な光を葉全体で受け取ります。
それなりのライトでも、光量不足で悩むことは少ないでしょう。
ドワーフ・フロッグピット栽培のためのポイント
この浮草は池や沼などの穏やかな水面に自生し、日本では夏に生長が盛んになる植物です。
その栽培の基本方針としては・・・
- ①、自生地のように水面付近の水流を抑える
- ②、光量(60cm規格水槽で2000lm程度)
- ③、温度(気温と水温)
- ④、CO2もあるとよい
以上が大切なポイントとなっています。
詳しくは後述しますが、それらに注意すればぐんぐん生長していくでしょう。
逆にドワーフフロッグピットに元気がないときは……
水面付近の水流、光、温度、二酸化炭素、最後に肥料
……の順に改善してみると、良い結果が出ると思います。
ドワーフ・フロッグピットのトリミングや間引きはどうすればいいの?
ここでは、トリミング(間引き)について話していきます。
ドワーフ・フロッグピットは生長しやすい環境があると、他の浮草と同様に大繁殖します。最後には、水面を覆い隠すでしょう。
あえて水面全体に増やしたり、水質浄化目的で栽培しているときには、大きな問題にはならないでしょう。
ですが、このような状態になってしまうと……
水中の水草たちに光が届かず、調子ががっくりと落ちます。
そのため、増えすぎたドワーフフロッグ・ピットを、適宜間引きすることをお勧めします。
増えすぎた分だけ、手で摘まみ上げて、捨てるだけです。簡単なことです。
注意点としては、適切なタイミングで間引きしていないと、巨大化した株の根が底床に達し、ソイルに根付いてしまうことがあります。
そのようなときは、根をカットしたりソイルから引っこ抜くだけ。撤去の手順自体は簡単です。
しかし、根張りは思った以上に強力です。
ソイルが舞わないように、水を濁さないように、撤去するのは困難となります。
――やはり……、「ドワーフ」な浮草です。
小さくて、フワフワと浮いているのが可愛らしい水草です。
よほど思い入れがない限り、根付く前に間引くことをお勧めします。
次のパートはドワーフ・フロッグピットの栽培上の注意点について。
ドワーフ・フロッグピットの栽培上の注意点
このパートでは、栽培するうえでの注意すべき点をまとめてみました。
水流に弱い!
もともと、水流の緩やかな河川や湖に、自生しています。
強い水流や、水流が直接当たる場所は、大の苦手です。
そのような苦手な場所で栽培していると……
どんどんサイズが小さくなり、いつの間にか跡形もなく、消えてなくなります。
それを防ぐため……
ナチュラルフローパイプやポピーグラスなど、水流をゆるやかにする道具を利用しましょう。
もちろん、水面付近に強い水流とエアを作り出す、ディフューザーも大の苦手です。
エアレーションするときは、エアポンプとエアストーンでふわりゆるりとした焚く程度にとどめておきましょう。盛大に焚くのはお勧めできません。
低温に弱い
ドワーフ・フロッグピットは低温に弱い浮草です。
わたし経験上ですが、日中の水温が12℃前後になると生長が止まるようです。
それよりも低温にさらされると、溶けるようにジワジワと枯死していきます。
茶色く変色するようにカサカサになり、傷みが広がるのです。
浮草はたった一晩の「秋風」ですら、枯死に至る場合があります。
水槽を設置してある部屋の室温にもよりますが……
保温に心掛け、必要あらば適宜ガラス蓋を利用してあげましょう。
逆に、適切な保温をしてあげれば越冬は可能です。
冬でも旺盛な生長を楽しめます。
もし、通年で栽培するのを目論むのであれば、「秋」の保温開始のタイミングがポイントとなります。
肥料不足に弱い
その旺盛な成長力と、水質浄化作用が示しているように……
肥料をたくさん消費する浮草です。
極端な貧栄養な環境では遅々として生長が進まないこともあります。
ウィローモスやミクロソリウムなど、肥料をそれほど必要としない植物とは大きく違います。
……が基本的には、魚を飼育しているような環境では、そのようなことは起きづらいでしょう。
それでも、Kは不足しがちになりますので、生長具合と照らし合わせて添加しましょう。
対して、魚の少ない水草水槽など、極端に貧栄養な水質で栽培するときは、NPKを含んだ肥料(液肥)の添加を検討したほうが、いいのかもしれません。
季節によりCO2も必要
この話は後出しの追記となります。
2019年12月に起きた、じわじわとしたCO2添加漏れにより、一時的に水槽内はCO2不足状態に陥りました。
その影響を真っ先に受けたのが、浮草たちです。
栽培していたドワーフ・フロッグピットとルドウィジア・フローティングプラントがほぼ同じタイミングで枯死。
対して真っ先に影響を受けると思われていた陽性植物は、ダメージはあるものの枯死までには至ってない模様。
しかし、わたしには以前、両浮草を、無加温CO2無添加LED照明の室内睡蓮鉢で栽培した経験があります。
てっきり、浮草たちはCO2添加が無くても生きていけるだろう!
と考えていたのですが、実はそうではなかったようです。
さて……、なぜCO2不足で枯死に至ったのか?
以下二つの理由が考えられます。
1つは、水温や気温、つまり光合成の速度によるもの。
――これは、低水温では光合成速度が下がる(=水草の調子も下がる)。だから、基質(CO2)を増やしてなるべく酵素の反応を進みやすくさせる!――
……という、酵素の反応速度=光合成速度が絡んでいるものと、思われます。
もう1つは、気孔の位置によるもの。
――気孔は葉の裏側に多く、葉の裏側は水面なので、水中からしかCO2が吸収できない!――
という、ドワーフ・フロッグピットの構造と生理学的な問題と思われます。
……アレコレと述べましたが、はっきりとした原因は分っていません……。
意外と他の陽性植物と同じように、CO2を好む水草なのかもしれません。
……が、それでも、
浮草は冬が苦手です。
過保護なぐらいの方が、良いでしょう。
ある程度の光量が必要
ドワーフ・フロッグピットの栽培には、それなりの光量が必要です。
一般的には有茎草を栽培できるようなライト……、
目安としてはパワーIIIやフラットLEDが2灯あれば十分でしょう。
高価なライトは不要です。
とはいえ、水草の栽培を目的とせず魚を美しく見るための、いわゆる「観賞用」ライトではさすがに育成は難しいでしょう。
そのような光を要求しますので、すでに水草(有茎草などの陽性植物)を栽培している人は、すでに栽培環境が整っているといえます。
対して、アヌビアス・ナナのような陰性植物のみであったり、そもそも観賞用ライトを使用している環境では、ライトとその光量について見直す必要があるでしょう。
というわけで、4つの注意点を上げてみました。
最後に越冬するための方法について紹介して、話を終わりにしたいと思います。
越冬するためにはガラス蓋!!
何度も記しているので、もうお分かりかと思います。
基本的に、浮草は低温に脆い植物です。
夏が終わり、気温が20℃を下回り始める、
わたしたちにとって、心地よい「秋風」が吹いたら要注意です。
秋は、朝夕の気温の変化が激しく、夜いつのまにか浮草がダメージを負うこともあります。
10月以降は最高気温・最低気温を確認して、夏対策を継続しつつもガラス蓋で保温しましょう!
それに失敗すると、せっかく生長した浮草を一晩で全滅させる憂き目にあいます。
つまりは、秋は少々難しい季節です。
わたしは、ルドウィジア・フローティングを、ガラス蓋で保温するタイミングを誤り全滅させた経験があります。
冷却ファンが回らなくなり、外気温による水温の上昇が無くなり次第、ガラス蓋での保温を始めてあげたほうが安全かと思います。
ということで、ドワーフ・フロッグピットについての話はこれにて、おしまいです。
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