(更新:2022/9/7)
どうも、こんにちは。ごん太です。
前回は……
コケさせないヘアーグラス。
そのメンテナンスについて記事を投稿しました。
そんな今回は、打って変わって水上ウィローモス。
以前作ったものを巻き直しました。
そのついでに、栽培器具の話や水上のメリットデメリット、そして実際の作業まで。
盛りだくさんに紹介していきたいと思います。
それでは、次の章より水上でのウィローモス栽培の経緯や現状、器具構成や水上で栽培できる理由について述べたいと思います。
なお、今回の記事は大変な長文となっております。
お忙しい人は↓目次リンクより、お探しのパートへジャンプしてください。
また、以下より清掃前の汚い流木の写真があります。
お食事中の人はご注意ください。
(サイト内リンク:水上ウィローモス関連)
- 木綿糸より長持ち!?釣り糸でウィローモスを活着させる方法を写真で紹介!(2017/12/3投稿)
- 流木の上でウィローモスの水上栽培~湿っていれば元気に生長~(2017/12/12投稿)
- 水上ウィローモスの巻き直し(前編):ウィローモスを水上で栽培するとここが良い!悪い!(2018/11/8投稿)→今ここ
①. 水上ウィローモスの経緯や栽培器具など
偶然にも「水上」になった理由
ここでは、水上ウィローモスの経緯と現状について、簡単に紹介したいと思います。
栽培を始めた経緯
さて、この元の話を投稿したのは、2017年の12月のこと。
実際の作業と記事の作成には、多少なりとも時間差がありますから、おそらくは同年11月には、すでにに流木に巻いて栽培がスタートしていたのかと思います。
このウィローモスは……
水上で栽培しよう!
なんて意識は、もとよりありませんでした。
巻かれた流木が、思いのほか大きかったのです。
設置してみたら偶然、流木の先端が水面よりポッコリ上に出てしまった。
これが栽培することなった発端です。
設置当初は、――乾燥や冷気にやられて、すぐに枯れるだろう!――と思っていたのですが……、
意外や意外、じわじわと、ゆっくりと生長していくではありませんか!?
そして、悠然とすぎ行く月日。
冬の寒さと乾きに耐え、梅雨のカビも乗り越え、夏の猛暑にもしのぎ、何とか1年間無事にいてくれたのです。
巻き直しになった理由
そんな、水草には似つかわしくない水上部分の逆境とは裏腹に、水中部分ではまさしくこの世の春を謳歌せんばかりに、グングンと伸びています。
このスピードがかなりのもので、
5月のGW~夏にかけては2~3週間に1回程度トリミングしないと、愛・地球博のモリゾウ(歳がばれる)状態に。
……が、過ぎたるは猶及ばざるが如しで、旺盛な生命力は少々面倒なことが起きるのです。一見何ともないウィローモスですが……
べろっ……
根本に日が当たらず、活着部が腐り落ちて、このようにペロっと剥がてしまいました。
幸か不幸か表側はまだ枯れておらずつながっているので、こんな感じで剥がれるのです。
このウィローモスの剥がれ落ち。
原因は苅込不足です。
こうなってしまうと、ただのウィローモスマット。
裏側は死んでいるので、放っておいても再び活着する気配もありません。
さらに悪いことに、水中でもふわふわと鯉のぼりのように漂ってしまい、どうにも収まりが悪い。
巻き直さないと、どうにもならないのです。
そんな、ウィローモスを活着させている流木も……
↓の写真のよう、に黒ヒゲ苔だらけに!!
そんな理由がありまして……
えーい、もうリセットじゃあああ!!
と、やけくそ気味にメンテナンスを決意したのです。
さて、次のパートからは、そんな水上ウィローモスに哀悼を表し(?)、いままでの栽培環境や、問題なく水上でも生長できた理由について、わたしなりですが話をしていきたいと思います。
睡蓮鉢ではなく無加温の小型水槽? 水上ウィローモスの栽培環境
というわけで、まずは栽培の状況についての紹介となります。
なお、高額な器具やこだわりのアイテムなど、自慢できるものは一切ありません。
あしからず。
読んだ人がより具体的な想像ができ、アクアリウムの知識や経験の血や肉になれば……
そんな思いで、しょぼい環境ではありますが、当サイトではなるべく紹介するようにしています。
物品・光量・肥料など
栽培状況を一覧にすると、こんな感じです。
(水上ウィローモスの栽培環境)
- 水槽 → 睡蓮鉢(直径30cmほど約10L)
- 加温 → なし(2018/11月現在昼水温20°)
- ライト → 植物育成用LEDライト(amazonで購入した物)
- フィルター → エデニックシェルトV3
- 底床 → 川砂
- 設置場所 → 室内半日日陰
- CO2添加 → 無添加
- 肥料 → 園芸用液肥(適宜20倍希釈500μLを投入)
――フィルターとライトあり。
太陽の力を借りた睡蓮鉢ではなく、どちらかと言えば小型水槽となっています。
次のパートではポイントとなる器具のみ絞っての紹介となります。
ヒーターについて(無加温で栽培)
ヒーターを利用していません。
つまりは、無加温です。
気になるのはその水温ですが……
11月現在、お昼では約20℃あります。
また、わたしの過去の記事を読み解くと、12月初旬にはお昼で14℃程度まで低下するようです。
以上の条件と経験から、室内で睡蓮鉢=無加温小型水槽が楽しめるのは、
11月下旬まで……といったところでしょう。
なお、ウィローモスの新芽が伸び始めるのは、毎年4月付近ですから……
4月~11月までヒーターの無加温栽培が楽しめることになります。
(1~3月の厳冬期は枯れもせず、生長もせず、という状態になります。)
ライトについて(amazon産→IKEAのものに変更)
amazonで数年前に購入した下の写真の物を、興和のクリップライトのシェードに接続して利用していました(過去形)。
しかし修正現在(2020/5/30)、IKEAの植物育成用LEDライトを利用しています。
※現在、ikea製植物育成用ライトは終売となっている模様です。
このLED電球ですが、999円なのに効果ばっちりです。
いやもう、ばっちりすぎるぐらいで、
冬だというのにウィローモスはがっつり生長し……
おまけにアオミドロまでつく始末。
おそらく、ウィローモスとの距離が近すぎたのでしょう。
現在はLEDライトと水面の距離を離すことで減光して利用し、アオミドロの勢いを何とか止め、いい感じに栽培できています。
それでも、気温が上がる夏には光合成の諸条件が整うようで、ウィローモスもガッツリ伸び始めると同時に、アオミドロが悪さを始めます。
ですから、
光合成促進と言う観点なら、とてもお買い得なLED電球だと言えるでしょう。
しかし、それなりのデメリットもあります。
とりあえず、下の写真をご覧ください。
色温度が4000K。赤みが強くなってます。
そのため、好き嫌いがはっきり出ると思います。
その他、詳しいレビューはコチラからご覧ください。
フィルターについて(現在は水作エイトS)
フィルターはエデニックシェルトV3を利用していました(過去形)。
半球状の睡蓮鉢では、付属のパイプ類が利用できなかったので、エーハイムのφ9/12ホース接続用パイプを別途購入し、それを蒸気を利用して曲げて設置してあります。
なお、更新現在は、エデニックシェルトV3から水作エイトSに交換してあります。
肥料アレコレ
肥料に関しては、ハイポネックス観葉植物用を、添加後の睡蓮鉢内のアンモニア濃度が極端に上昇しないような計算&調整したうえで、添加しています。
さて……、
このハイポネックス「観葉植物用」にはアンモニアが含まれています。
エビや魚がいる環境での利用はお勧めできません。
今回紹介する睡蓮鉢には水草以外の生体はいませんので利用していますが、それでもこのような園芸用アンモニア入り肥料を添加は、フィルターのバランスが崩れやすいので、お勧めできません。
園芸用を利用するなら、アンモニア態窒素が入っていない物を利用しましょう!
ごん太の睡蓮鉢は、実際には睡蓮鉢を「利用した」アクアリウム
以上よりこの睡蓮鉢は、ざっくり言えば睡蓮鉢というよりは、
無加温の水草のみの小型水槽。
そんな言葉がぴったりな栽培環境となっています。
(こんな感じで栽培しています:メンテナンス前) |
と、いうわけで……
なんとなく栽培環境がお分かりいただけたでしょうか?
水上栽培のウィローモスと言う少々特殊な物を栽培していますが、生体がいない以外は至って普通な水槽となっています。
さてそれでは、次の章より、そもそも水草であるウィローモスがなぜ水上で栽培できたのか?
この謎についてごん太なりの考えを紹介してみたいと思います。
ウィローモスを水上で栽培できた理由
水草はやっぱり乾燥に弱い。なので……
さて、水上葉ではない多くの水草と同様、ウィローモスも乾燥にはそれほど強くありません。
水分がない場所で、栽培するのはとても大変です。
そのため……
どのように水を供給するのか?
これが、水上でウィローモスを栽培する上での課題になります。
次のパートより、水の供給方法について、簡単に考察を述べておきます。
水を供給する方法その1:水中ポンプ
ここで1つ考えられるのは、水中ポンプによる方法。
アクアテラリウムでよく利用されている方法です。
具体的には、ポンプで飼育水を汲み上げ、流木に活着しているウィローモスに水を供給するというワケです。
そのパワーはすさまじく、
実際、供給量>蒸発量となり、乾燥することはまずありません。
わたしが考えるに、
この方法が、栽培するにはベストであると思います。
水を供給する方法その2:流木からの自然給水
もう1つは、今回その巻き直しを紹介するようなに流木の一部分を水に浸し、その水上部分を栽培する方法です。
木は良く水分を吸収します。
それをウィローモスに利用してもらうのです。
しかし、ポンプを利用した揚水と比較し、流木による水の供給量は圧倒的に少ないのです。
乾燥を気にせず、夏も綺麗に育てたいのならば、ポンプを利用すべきでしょう。
結局どっちがいいの?
上でも述べた通りで、揚水ポンプを用意できるのなら、利用した方が好ましいのです。しかし今回の小さな睡蓮鉢など、いつもスペースがあるとは限りません。
わたしもこの記事を投稿した後、ポンプで揚水してコケに水を供給してみたのですが……
睡蓮鉢内部があまりにも手狭になり、メンテナンスが煩雑に……。
えぇーい、もうやめっ!! と、すぐさま器具を撤去した経験があります。
ですから、どちらがいいかはケースバイケースでしょう。
(――だだ、初手揚水ポンプの方が、遠回りしなくて済むと思います。)
というわけで、水上でもウィローモスが育つ仕組みと理由を説明したところで、次の話では、そのメリット・デメリットについて言及してみたいと思います。
②. 水上ウィローモスのメリット・デメリット
ここでは、流木を利用したウィローモスの水上栽培の利点・欠点を紹介したいと思います。
水上ウィローモスの3つのメリット
メリットその1:ポンプがなくても水上で栽培!
まず、1つ目のメリットとなります。
わたしのような小さい水槽(睡蓮鉢)では、水を汲み上げるポンプを設置するスペースを確保するのが、困難となります。
また、電気器具を置くわけですから、コンセントも当たらに用意しなくてはいけません。
そのため、小さな水槽や睡蓮鉢では流木を用いる方法なら……
省スペースかつ電源なしで、簡単に「陸上部分」を作れるのです。
ただし、当然ですが、活着させる流木のサイズ次第であることを付け加えておきます。
メリットその2:水中栽培と比べトリミングせずとも絨毯のようにきれい
これは2~3年間(2020年現在)、水上ウィローモスを栽培した経験から言えることですが……
コケ植物ですから、〝維管束〟をもつ陸上の物と比べ、真上に水を吸い上げる力が弱いようです。
結果、茎葉は天地方向に、それほど伸びなくなります。
そしてこれが、偶然ながらもトリミングなしでも草高が揃い、絨毯のようにきれいに生えそろう、不思議な現象を生み出します。
たしかに、伸びないという点ではデメリットですが、地上部限定ではありますがトリミング不要というのは、メリットと言えるでしょう。
メリットその3:水中ではないのでコケに悩まされない
さて、いくら陸上部と言えども、水がある部分にはコケが侵食してくる可能性が十分あります。
とはいえ、流木に含まれるごく少量の水分で栽培しているわけですから、どちらかといえば水中ではなくて水上であり、ウィローモス表面は乾燥していると言えます。
コケはウィローモスよりもはるかに乾燥に弱いですから、結果的に黒ヒゲ苔などの煩わしさに悩まされることは、ほとんどありません。
もちろん、水上部ならアオミドロも茶ゴケも侵略してくることはありません。
しかし、それ以外の厄介者が来る可能性もあります。
というわけで次のパートから、厄介者の話を含めデメリットについて。
水上ウィローモスの3つのデメリット
デメリットその1:年中ジメジメしているのでカビや虫が出ることも
この水上ウィローモスでは、常時流木が湿っています。
もちろん、流木ではなく、水中ポンプで揚水している場合も、陸上部も当然ジトジトしているわけです。
梅雨や秋雨など、ムシムシと湿気ている季節に何が起きるか?
カビです。
実際わたしの水上ウィローモスも、今年の梅雨に侵略されてしまいました。
しかしご心配なく。
そんなときは……
まずは、カルキ抜きした水で良く洗い流しましょう!
そして……
水槽や睡蓮鉢の水位を上げたり、もしくは流木の向きを変えてみたり、カビが水中となるようにして、1~2週間栽培してみてください。
いかにしつこいカビと言えども水中では繁殖できないようで、次第にその姿は消えていきます。
駆除後、ウィローモスを改めて水上に戻せば、再び水上で栽培できるというわけです。
虫についても同様です。
こちらも水に浸け込めば、薬剤に頼らない対策ができるでしょう。
もちろん、コバエが出たら、台所用品のコバエホイホイ的なものを利用したり、食虫植物などを配置したりしても、良いかと思います。
普段は水に浸さなくとも、もともとは水中で栽培できるウィローモスですから、利用できる方法です。
知っておいて損はないはずです。
デメリットその2:冷気にさらされると生長がとまることも
無加温限定の話になりますが……
水上で栽培しているので、冬場は冷気にさらされます。
実際、わたしの室内睡蓮鉢にあるウィローモス達は、1~3月にはその無加温で生長がほとんど止まります。
しかし、帰化植物というだけあり、乾燥さえしなければ寒さにはかなり強いようです。
生長は止まりはするものの、枯れることはありません。
以上までの話が、ポンプの有無にかかわらず、水上栽培の変わらないデメリットととなります。
しかし、次の欠点は流木のみで栽培した時に出る物となります。
デメリットその3:水の供給が追い付かず乾燥し枯死することも……
流木が水を吸収しウィローモスに与える力は、ポンプと比較すると大変に弱いのです。
例えば扇風機やサーキュレーターなどで風を当て続けたり、風や空気の通り道に睡蓮鉢を設置すると……
あっという間に水分が蒸発し、乾燥してカリカリになります。
ですから、ファンや扇風機、もしくは窓際など直接風の当たる・通る場所は要注意です。
もちろん、機械的なポンプで水を揚水していませんから、故障や停電に強いという側面もありますが、インテリアの一部を担わせるには注意が必要となります。
メリット・デメリットまとめ
以上より流木を用いた方法は、ポンプを利用せずとも気軽に水上部分を作れる便利な方法となっています。しかし、日ごろの観察は必要です。
また、紹介しませんでしたが、流木が乾くことで睡蓮鉢の水位も下がりやすいという欠点があります。
そのため、夏場で冷却ファンを設置したり、生風が当たる場所に置いたりするときには、水位には十分に留意する必要があります。
とりわけ、フィルターの循環に水位を利用しているエアリフト式や外部フィルターの場合はなおさらのことです。
水上ウィローモスのせいでフィルターが停止したら……。
もし生体がいるなら、大変なことになります。
というわけで、メリット・デメリットはここまで。
次の章はそんな水上ウィローモスの巻き直しとなります。
③. 水上ウィローモスの巻き直し
さて、この章より水上ウィローモスの巻き直しの紹介となります。
なお、以下より清掃前の汚い流木の写真が出てきます。
食事中にはご覧にならないことをお勧めします。
今回利用する道具
利用した道具について、さっくりと説明しておきたいと思います。
道具一覧
今回は、少し大きめな流木にウィローモスを活着させるので……
広範囲を楽に固定できるコレを利用したいと思います。
ハ ス
ではなくて・・・
ハリス(0.8号、ダイソー製)です。
(袋はいらなく、テープでいいですよ! ってお願いしたら絶妙な位置に貼ってくださったので、ネタにしてしまいました。ダイソーさんごめんなさい。)
というネタを入れつつ、今回利用する道具を一覧にしてみました。
- ハリス(ナイロン製釣り糸)
- ハサミ
- キッチンタオル(ティッシュペーパー)
- 容器とカルキ抜きした水
釣り糸について
釣り糸についてですが、今回はナイロン製0.8号を利用します。
ナイロン製の糸ですから、裁縫用の木綿糸などとはちょっと違ったはりがあり、透明ですから目立ちにくいですが、その分作業はしづらいです。
過去に釣りでナイロン糸を扱った経験がある人なら問題なく作業できると思いますが、そうでない人は多少太めの釣り糸(例えば1号以上の物など)を利用したほうがいいかもしれません。
また、以下のようなコメントもいただいております。
「はじめまして インターネット普及以前に観賞魚をしておりましたが、情報も限られ 水生シダの固定には苦労しました。 当時瞬間接着剤の適用は一般ではなかったと思います。 最近アクアリウム再開の際、貴殿の記事を多々参考にさせていただきました。 実はごく最近ボルビティスをを珪化木石に固定しました。 その際用いた釣り糸ですが、PE ラインを用いました。 おそらく釣り糸とは、ナイロン素材と思われます。 昨今、釣り糸はナイロン、フルオロカーボン、PE(polyethylene)素材があります。 それらの中で、PE素材は断面積あたり最高の引張強度、木綿糸並に張りおよびコシが無く、 結節等する際に他の二素材に比較して作業性が格段に改善されます。 わざわざ購入するまでもありませんが、周囲に海釣りする方がおられれば余ったPE ラインが試用分くらいいただけるかもしれません。(2018/12/02) 」
【コメントいただいた記事削除につきこちらに転載】
というわけで、釣り糸の素材に留意して利用すれば、より簡単になりそうです!
ただし、PEラインは、100m1000~2000円とそれなりに値段がしますので、良くお財布と相談の上購入しましょう。
ハサミについて
切れやすく利用しやすい物であれば、どんなハサミでも構いません。
100均のハサミでも、釣り用のものでも、水草用の高価なものでも構いません。
利用用途はウィローモスを細かく刻むことと、ハリスを切断することぐらいですから、普通のサイズ~やや小さめなものが使いやすいとは思います。
繰り返しますが、切れさえすればなんだっていいのです。
キッチンタオル(キッチンペーパー)
ウィローモスの余分な水分をふき取るために利用します。
こちらも水に溶けず水分を吸収できる紙でしたら、なんでも利用できます。
水に溶けづらいティッシュペーパーでも大丈夫です。
ただし、水に溶けてしまうトイレットペーパーで水分を吸着してしまうと、溶けてウィローモスに貼り付きます。
お勧めできません。
なお、それが付いたまま水槽に戻すと水槽内に散らばり、大惨事になりますのでご注意ください。
その他準備しておくもの
最後は「容器」と「カルキ抜きした水」。
これは乾燥防止のため、ウィローモスを一時的に保存しておくのに利用します。
別の作業にかまけてて気が付いたら水草が乾燥してカリカリというのは、ままあることですので、一応リストに載せておきました。
特に夏場は乾燥しやすいので要注意です。
(冬の石油ファンヒーター直撃もご注意ください。)
なお、今回はウィローモスを巻くだけでなく、流木の清掃もしたので、別途……
- ブラシ
- 木酢液(3倍希釈したもの)
を用意しました。
これらについては、本題から大きくそれますので、詳しい説明は割愛します。
さぁ、次のパートからその一部始終を写真で紹介していきたいと思います!
水上ウィローモスを巻き直し
まずは取り外す
何はともあれ、まずは今まで育ててきた部分を再度利用するために、回収しましょう!
今回は強固に活着しておらず、剥がれかけていました。
多少の力を加えただけで、ペロリと分離できました。
それでも水上部は結構な力で流木に活着しているらしく、写真左端先端にはアゴ髭のような形で残っていますね。
生きてる部分と枯れている部分を選別
回収したものが次の写真になります。
ご覧の通り、茶色く枯死したところと、緑の生きているところが混在しています。
枯れている部分を利用するのはナンセンスですので……
生きていて再利用できそうな部分
(緑色の部分)
と
枯れているもしくは調子を崩して再利用できいない部分
(茶色く枯れた部分)
にザックリと分けて、緑色のみを利用します。
枯れている葉も巻きつけておけば、いつかは復活するとは思います。
しかし、おそろしく時間がかかるでしょうから、今回緑の葉のみ選別利用していきます。
選別後の写真が次のものになります。
そんなこんなで、ウィローモスの準備ができました。
このまますぐに、流木に巻きつけ作業をしてもいいのですが、恐ろしく汚れていたので、清掃することにしました。
次のパートからは流木の清掃となります。
なお、↑のままウィローモスを放置しておくと乾燥してしまうので、軽く飼育水を含ませ湿らせておくことを、強くお勧めします。
流木の清掃
まずは、取り外した後の流木をご覧ください。
汚い画像ですが、どんな感じで釣り糸を巻いたか、くっきりとわかりますね。
次の写真は、釣り糸をすべて取り外したものとなります。
――うん……すごく、――
――きたない。――
黒ヒゲ苔もさることながら、枯れて腐ったウィローモスがびっしりと張り付いています。
今回は歯ブラシでゴシゴシと丹念に清掃してみました。
その出来上がりが次の写真となります。
なんとか、見られるぐらいにはなったかと思います。
ただ、これだけでは黒ヒゲ苔を駆除できなかったので、トドメに3倍に薄めた木酢液で10分ほど放置。よく濯いで出来上がりとなりました。
そんなわけで、次からは巻きつける前の、大切な下処理をしていきます。
ウィローモスを軽くふき取る
こんなことをしているのは、もしかしたらわたしだけかもしれませんが、巻くつける直前に次のようなひと手間を加えています。
(なお、以下の作業より巻く直前に行ってください)
それは何かといいますと……
ウィローモスをキッチンペーパーで包むようにして、軽く水分をふき取るのです。
(露出の関係で暗く、見づらい画像となっています。) |
こんな風に、余分な水分をふき取ると、何が良いのか?
と言いますと……
流木に、均等な厚さで敷けるからです。
水分がついていると、濡れた髪の毛のごとく表面張力でよく貼り付きます。
薄く均等に配置するのが、至難の業です。
もし、ぶ厚く不均等に巻くとムラができやすく見た目が気になるようになります。さらに悪いことに奥には光が当たらず、枯死して腐りやすくなり、ペロっと剥がれ落ちてしまうこともあります。
以上のような理由のため、ウィローモスの厚みをなるべく均等にするために、軽く水分を取っています。
ウィローモスを刻む
拭き取りに次いで下処理その2。
ウィローモスを刻みます。
その長さが3~5cm程度。
そんな風に刻むには、理由があります。
切断された箇所からたくさんの脇芽が出て、密で美しい絨毯となりやすいからです。
とはいえ、極端に細かく刻みすぎると完全にいじけてしまい、再起不能もしくは再起まで途方もなく時間を要します。ほどほどが肝心です。
準備はできました!
さぁ、あとは巻きつけるのみ!
……が、その前にウィローモスを仮置きしたいと思います。
ウィローモスの仮置き
さて、釣り糸で巻く前に「仮」に置く理由はなにか?
と言いますと……
いちいち流木に置きつつ釣り糸で巻く、という手法が〝想像するよりも〟難しいからです。
さて、ここまでの前処理で、ウィローモスはばらけやすくなっていると思います。
パラパラっと均一に置いても良いですし、もしくは薄いワタを置くような感じでフンワリと仮置きしてもOKです。
そんな感じで仮置きし終わった流木がこちらになります。
ただし、このままでは、簡単に剥がれたりズレたりします。そのまま釣り糸で巻くことはせず、次のパートでは仮止めをしていきます。
水の表面張力で簡単仮止め
流木に釣り糸を巻きつけている最中に、ポロポロとウィローモスが剥がれ落ち、イライラしたことがありませんか?
それを防ぐために仮止め!
というわけです。
ただし……
仮止めなんて言っても接着剤を使うわけでも、釣り糸やネットを使うわけでもありません。
利用するのは、
水の表面張力!!
つまり、水を用意するだけでいいのです。
これを、仮置きが終わったウィローモスを注射筒やピペットでそーっと水を含ませ、べちゃべちゃになるまで湿らせます。
道具がなければ、手からやさしく垂らしてもいいでしょう。
このように湿らせると……
↑のように、ぺったりと表面張力で貼り付くのです。
さながら入浴後の髪の毛です。
多少流木を揺らしても、ポロリと巻く前のウィローモスが落ちることはなくなります。
結果として、釣り糸を流木に巻きつけやすくなるのです。
ただし、いくつか注意点もあります。
まず、あくまでも表面張力という弱い力でついているだけですから、仮置きした面を逆さにしたり斜めにしたり、乱暴な扱いをすると当然ですがすぐに剥がれてしまいす。
また、弱い力で止まっているだけですから、指で触れたり水をあてたりすると簡単にずれたり剥がれたりします。その点も注意です。
そのため、仮止め中は丁寧に扱ってください。
しかしそんな注意点はあるにせよ……
接着剤などの生体に有害と考えられるものは利用していないわけですから、気軽に安心・安全に仮止めできます。
さぁ、この作業が終わりましたら、次からはいよいよ、釣り糸で仮止めしたウィローモスを巻きつけていきます。
まずはスタート地点を決め、釣り糸をきつく結びつける
それでは、流木に釣り糸を巻いていきましょう。
まずは、巻き始めるスタート地点を決めていきます。
スタート地点はどこでもいいのですが、なるべく糸を結びやすい場所がいいでしょう。
決まりましたら、次に流木に糸を結び付けます。
かた結びでも、巻き結びでも、シベリアンヒッチでも、クリンチノットでもなんでもいいので、釣り糸を引っ張った時に緩まないように、すこしきつめに結び付けます。
ここで、しっかりと流木に結びつけることがとても大切です。
できていないと……
のちのち、緩み始め作業がやり直しになったり……
水槽内部でほつれ始め、ウィローモスが飛散したり……
面倒なトラブルのもとになります!
しっかりと結び付けましょう!!
結び付けが終わりましたら、いよいよ釣り糸でグルグルと縛り付けていきます。
釣り糸を流木に巻きつけるコツ
さて、ここでは巻き方のコツについて説明していきます。
きれいにほどけることなく流木に釣り糸を巻くには、ナイロン製の釣り糸の特性を少しばかり頭に入れておく必要があります。
ナイロン製の釣り糸というのは、強靭でテンション(引っ張り)に強いという特性があります。
また、独特のハリがあるために、結んでいない状態でテンションを弱めるとすぐに緩んでしまうという特徴もあります。
以上を念頭に置き、流木を巻いていきます。
具体的には……
左手で流木を持ちつつ、軽くテンションをかけながら(引っ張りながら)
右手で押さえつけるように、釣り糸を巻いていきます。
ウィローモスが傷つかない程度のテンションをかけるというのが前提ですが、途中ほどけけることなく密に巻けるのです。
もちろん、たまには手を休めるため片手や両手を離しても構いません。
しかし、集中力の問題もあるので、なるべく一気に巻きつけてしまったほうが得策です。
なお、このように、常に両手を利用して作業するので……
仮置きのパートで述べました通り、ウィローモスを逐一流木に乗せながら巻きつけるのは、至難の業となっています。
巻きつけの間隔(幅)は自分に合ったものを選んで!
わたしは釣り糸の間隔が、5mm~1cmになるように巻きます。
もっと細かくてもいいですし、もう少し間隔が大きくても大丈夫でしょう。
しかし、ほどけないようにテンションをかけつつ、密に巻きつける作業は実に神経を使います。
何回もほどけたり、途中で集中力を切らしたりして
「あー!!もーやーめた!」と、ならないようにするのが肝心です。
(そのためにも長期戦にならないよう、一気に巻きつけるほうが良いわけですね。)
ですから、ご自身の技術と根気、そして出来上がりの姿を天秤にかけながら、マイペースで集中力を途切れないように作業しましょう。
そんなことを紹介したうえで、
狭く密に巻くのか?、広く荒く巻くのか?
どちらがいいのかを説明したいと思います。
まず、間隔を狭くすれば……
出来上がりが大変美しくなります。
また、巻かれている回数が多いので、ほどけにくくなります。
しかし、やはり集中力を消費しますし、時間もかかります。
逆に間隔を広く巻けば……
糸と糸の隙間から、剥がれ落ち見た目が悪くなりやすいです。
しかし、手早く簡単に巻けます。
実際に、どちらがいいかはご自身で判断するの一番かと思います。
スタート~折り返し地点まで。途中休憩ポイントを作る!
そんなわけで、巻きはじめて……
(0.8号の釣り糸なので、すごく見づらくなっています。拡大してご覧ください) |
↑の写真のような間隔(幅)になるように、グルグルと釣り糸を巻きつけていきます。
そして、とうとう流木の端までやってきました。
しかし、ここで巻きつけ終了! というわけではありません。
流木の一番端までやってきたら……
ここからは、今までとは反対方向に向かって(スタート地点に向かって)、巻き始めます。
しかしその前に……
せっかく端まで集中力を途切れることなく巻いてきたのですから、解けてしまっては元も子もありません。
万が一解けてしまっても最低限ここから再び巻き直せるように……
かた結びでも何でもいいので、一度流木の狭い部分に、ぐるぐると釣り糸を巻き付け、きつく結び付けておきましょう!!
(セーブポイントでしっかりセーブしておきましょう!というわけです。)
幸い、流木の先端には細い場所がたくさんあります。
釣り糸を固く結ぶのにちょうどいいのです。
そんなわけでわたしは、とりあえずここで一度強く結びつけました。
休憩しつつシャッターをパシャリとしたのが、上の写真となります。
スタート地点まで戻ってきたら、流木につよく結んで出来上がり!
上記の流木の地点から、今度は反対方向に巻き続けます。
そして、スタート地点まで戻ってきました。
こんな感じで等間隔で巻き続けると、さながらネットがかけられているような感じになり、ウィローモスを強く固定できます。
わたしとしては、活着する前に外れると面倒ですから、2重に巻くことをごん太としてはお勧めします。
そして、スタート地点まで戻ってきたら、最後も強く流木に結び付けて、出来上がりとなります。
結び目がほどけないように、瞬間接着剤で固めておくといいかもしれません。
無事に出来上がった流木を裏から見てみると……
釣り糸でグルグル巻きにされているのが、簡単に見て取れます。
睡蓮鉢に巻き直した水上ウィローモスを戻して、カメラをパシャリ!!
この後の生長が楽しみです!
というわけで、水上ウィローモスの巻き直しの話はここまで!。
長文読んでいただきありがとうございました。
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