オトシンクルスを導入する前にまず考えるべきこと
どうも、こんにちは。ごん太です。
さて前回は没ネタを引っ張り出して、、、
排水アクセサリ自作失敗!という話を紹介してみました。
今回も失敗談で、かつ、記事にしようと思って諦めた【没ネタ】を手を加えて投稿したいと思います。
そのテーマは、、、
オトシンクルスの導入と餌付けについて。
ざっくり言うならば、
ごん太半年前にオトシンクルスを導入したのですが、、、
餌付けに失敗してしまいました。。。
が、、、オトシンたちはそれをものともせず、みな元気です。
そんなわけで今回は、、、
オトシンクルスたちが餌付けに失敗しても餓死しない理由と、
オトシンクルスを導入する前に皆さんに1つ考えてほしいこと
この2つのオトシンネタを中心に述べていきたいと思います。
まずは、没にしていた理由、ついで 過去の大失敗談 、そして、今回オトシンクルスを導入した経緯、最後にオトシンクルス導入に関して詳しく述べていきたいと思います。
それでは続きをどうぞ!
なお、今回も前置きが長いですから、お忙しい人は目次リンクを利用してくださいね。
今回の記事が没ネタになった理由
なお、今回の記事ですがそもそもボツにした理由は、
魚の生死に関わるかなり微妙なラインの話だからです。
この手の微妙なラインの体験談は、様々な人に見ていただけるネット上で、かつ細かなニュアンスを伝えづらく一方通行になりがちな文字媒体では、
正直な話、記事にしづらい、書きづらい部分があるからです。
しかし、
そういった事を忘れ去ったり胸の内にしまい込むのではなく、アクアリウムで起きる可能性の1つとして共有してもらい、
多くの今後多くのアクアリストが同じ過ちをしないよう、血や肉にしてもらうというのがこのブログの1つの趣旨でもあります。
そんなわけですので、没ネタを掘り起こし、ついでに15年前の失敗談もさらけ出すことにした・・・というわけです。
ネット上に数多ある話の中の、1つの事例程度な話ではありますが参考にしていただければ幸いです。
というわけで、まずは話の15年以上前の「大」失敗談について昔を思い出しながら綴っていきたいと思います。
15年以上前のオトシン導入失敗談
以下の失敗談はかれこれもう15年以上前の話になります。
・・・
ひょんなことから、ごん太はオトシンクルスを飼う事にしました。
もともとごん太、プレコが好きでアクアリウムを始めたのですが、プレコにそっくりな小型魚であるオトシンクルスには手を出せないでいまいた。
といいますのは、、、
オトシンクルスは餌付けが難しい。
餌付けに失敗するともれなく餓死。
↑このようなオトシンクルスを飼育するうえでの難しさを、日々のアクアリウムについての情報収集で事前に知っていたからです。
(なお、オトシンクルスの餌付けの難しさは今も昔も多くのアクアリストを悩ませている大問題です。)
そんなある時、、、
「オトシンクルスの簡単な餌付け方法」
なる話を耳にします。
失敗談ですから詳しい餌付け方法は割愛しますが、この話を鵜呑みにしたお馬鹿なごん太。
これでオトシンクルスが飼える!と喜び勇んで、翌日意気揚々とオトシンクルスを購入し、立ち上げ済みの30cmキューブハイタイプに導入早速導入したのでした。
しかし、聞いた通りの方法で餌を与えてみるものの、、、
全く食べてくれません。。。
仕方ないのでアレコレと様々な餌に手を出し、最後には生野菜を与えてみたものの、それらを食べている姿は一度たりとも見ることはできませんでした。。。
こうなってしまうと、ごん太にはただただ、餌を食べてくれることを神に祈るしかないのでした。
そして、結局は一匹も残らず全て餓死。
2週間というごく短期間のことで、ごん太は自身の手でオトシンクルスを死なせてしまったのです。
アクアリウムは生体相手の趣味です。
人間でも個性があるように、同じ種類の同じ魚でも個体が違えば違った反応になるのは当然です。
ですから、ごん太が当時採用した方法でうまくいく人もいれば、当然失敗する人もいるでしょう。
そんな紙一重の成功と失敗。生と死。
【アクアリウムは試験管ではない】ということを思い知らされ、オトシンクルスという言葉はごん太のトラウマ級の苦い思い出とセットになって脳裏に刻まれたのでした。。。
冒頭の写真を取った直後、餌と勘違いしたチェリーバルブが集合し始める(汗 |
それでもオトシンクルスを再び導入することにした経緯
そんな大失敗を15年前に経験したごん太なのですが、再びオトシンクルスをお迎えすることとなります。
その理由は、ミナミヌマエビが増えないからです。
我が家の水質ではミナミヌマエビが増えづらい。
さて、諸説ありますが、ミナミヌマエビが正しく脱皮するためにはある程度GHが必要と言われています。
では、ごん太の水槽はといいますと、、、
ごん太の水槽は水草を栽培するため、GHが0~4°dとやや低め環境となっています。
なので、ミナミヌマエビにとっては少々厳しい環境となっています。
おまけに我が家のミナミヌマエビ達は代を重ねてもう5年経ち、少々血が濃くなりすぎたきらいもあります。
そんなわけで、
どうにもこうにもミナミヌマエビが殖えづらいのです。
なぜそんなことが問題になるのかと言いますと、ミナミヌマエビたちがバンバン殖え、ガシガシ仕事をしてくれない一番困るのが水草達。
ミナミヌマエビが少ないと我が家の水槽はあっという間にコケだらけになるのです。
とは言え、水草のためにGHを低めにキープしているわけでして、
そこで大きな矛盾が生じるわけです。
そこで白羽の矢がオトシンクルスに
そんなわけで、エビが殖えづらいGH低めな環境下でも快適に仕事をしてくれる、お掃除屋さんを探すこととなりました。
しかしまぁ、、、はっきり言ってそんな都合のいい生き物なんていません。
小さな体ながらも、その体を固定させるための手足をもち、さらにコケをちぎり取るためのハサミを持ち、そして水槽内で繁殖する。ミナミヌマエビはよく小回りの利く優れたコケ取り生体です。
もちろん、よりお掃除能力が高く長生きな少し大き目なヤマトヌマエビ先生という存在もありますが、、、
今回のコケ取り生体探しの条件はGHが低くても調子よく生存できること。
さらに条件をつければ、小型であること。
そうなると、数ある生体のなかでもミナミヌマエビの次に候補としてあがるのは、オトシンクルスです。
そんな経緯で、過去に大きな失敗がありトラウマがあるものの、改めてオトシンクルスを導入することを慎重に検討することにしたごん太なのでした。
先んじて失敗談を述べましたが、そんなオトシンクルスの再導入についての話は後半に述べるとして、
次のパートではオトシンクルスという魚の特徴について述べていきたいと思います。
※ただまぁ、記事を書いている今考えてみると、過去死なせてしまった経験のあるオトシンクルスを避け、オトシンネグロにした方が良かったのではないかなぁ・・・と考えている次第です。
オトシンクルスの特徴
さて、オトシンクルスを再度導入すること検討し始めたごん太ですが、ここで脳裏をよぎるのが昔の大失敗。
全く同じ失敗を繰り返してしまっては目も当てられません。
なので、まずはオトシンクルスについて改めてリサーチしてみることにしました。
↓そんなわけで、もう知っている人も多いとは思いますが、改めてオトシンクルスについて軽く紹介したいと思います。
オトシンクルスってどんな魚?
さて、ここからはオトシンクルスという魚の特徴について、話していきたいと思います。
オトシンクルスという魚を簡単に言うならば↓の通り。
(またもや集まってくるチェリーバルブ。オトシン単体では撮らせてくれない) |
【オトシンクルスってどんな魚?】
・原産地→アマゾン川
・水質→中性~弱酸性
・ナマズの仲間
・正式にはナマズ目ロリカリア科
・プレコと同じ「科」に属する
・体長3~5cm程
・いわゆる「コケ取り生体」
・茶ゴケを好んで食べる
・草食性の強い雑食性
15年前に大失敗した時も今も大して情報は変わりません。
そんなオトシンクルスの最大の特徴、というよりその最大の注意点は、、、
好き嫌いが激しい魚であるということ。
これがオトシンクルスが餓死する最大に理由です。
オトシンクルスが餓死するメカニズム
さて、オトシンクルスは水槽内の微生物、特に茶ゴケを好みます。
オトシンクルスはいわゆる【コケ取り生体】ですから、毎日せっせと茶ゴケや微生物を食べてくれます。
しかし、茶ゴケや餌となる微生物達を食べつくしたらどうなるのでしょう?
確かに水槽がピカピカになるかもしれませんが、
そこにはもう、オトシンクルスの餌はないのです。
ですから、、、
水槽内のコケや微生物に頼らず、食糧を安定供給するために餌付けをしよう!
という方向に話が進んで行くにも十分頷けます。
逆に言えば、コケ取りのためにオトシンクルスを導入したわけですから、好物である水槽内の微生物やコケを増やそう!という方向に話は進まないようです。
しかし、
当然コケも食べつくし餌付けに失敗ともなれば、そこに待っているのは餓死です。
もしかしたら↓こう思う人もいるかもしれません。
いやいや、
生き物なんだからお腹空いたら勝手に食べるでしょ?
しかし、これは人間が考えた都合のいい理屈。
こういった楽観的な考え方はプレコやオトシンクルスなどの偏食かつ神経質な魚には全くもって通用しません。
オトシンクルスの餌付けも難しいのです。
与えて餌に少しでも興味を持ち齧ってくれるのが餌付けのスタートですが、オトシンクルスは好き嫌いが激しすぎて全く興味を持たず齧りもしません。。。
結局は餌付けもできず、コケを含めた微生物も食べつくした水槽では、オトシンクルスはあっという間にガリガリに痩せこけ、お腹ぺったんこになっていきます。
そして、食べるものがなければオトシンクルスは死を選びます。
それほど好き嫌いが激しいのです。
そんなわけなので、オトシンクルスの餌付けの成否は飼育するためには極めて重要なことですが、それ自体難しいことですから、結果的に飼育の難易度も高くなっています。
オトシンクルスと餌付け
そんな飼育の難しいオトシンクルスですが、その餌付けのノウハウはアクアな先人たちが餓死を避けるべくに挑んできた歴史そのものです。
以下、ごん太の私る限りのオトシンクルスを餌付けできる餌の種類を列挙しておきます。
【餌付けできる餌の種類】
・プレコタブレット
・乾燥昆布
・小松菜orほうれんそう
・きゅうり
上で列挙した各餌について↓で簡単に述べていきたいと思います。
餌付け方法その1:プレコタブレット(プレコの餌)
そのまま与えたり、
時に軽くふやかし流木や割り箸に塗り付けてたり、、
はたまたガラス面にグィっと押し当てて張り付けてみたり、、、
時にはきゅうりに中や、昆布の上に置いてみたり。
オトシンクルス=ナマズの仲間=さらに草食性=プレコの餌!
そんな理由で、最終的な餌付けの到達地点としてプレコ用の人工飼料への餌付け目指す人も多いです。
とはいえ、人工飼料に慣れてもらうには時間がかかることが多く、「初手」人工飼料では餓死する可能性も高いです。
ですから、食いの悪い人工飼料ではなく、当面腹を満たす嗜好性の高い↓で示すような「生の餌」を餌を与えるべきでしょう。
餌付け方法その2:乾燥昆布
出汁(ダシ)を取るために料理で利用する乾燥昆布を利用します。
水を含むと大きく膨らむので、
与える時は小さくカットし、よく水で戻し出汁を出し切ったものを与えましょう。
海中になびいている昆布ですから、ふやかしてもそのままでは浮いてしまうので、おもりや爪楊枝で水底に固定するようにします。
また、その真偽と有効性は不明ですが、スドーサテライト全面に戻した昆布を張り付け、オトシンクルスへ強制的に昆布の味を教え込ませる・・・なんていう面白い方法もあるようです。
餌付け方法その3:小松菜 or ほうれんそう
小松菜もしくはほうれん草を茹で、こちらもおもりで固定して水底に設置します。
野菜に農薬が付着していてエビが大惨事に、、、ということもあるので、
なるべく無農薬の物をよく茹でて利用した方がいいかもしれません。
餌付け方法その4:きゅうり
昆布や小松菜と違い、こちらは生で与えます。
こちらもそれらと同じくおもりや爪楊枝で水底に固定します。
しかしやはり農薬が心配ですからなるべく無農薬のものを利用しましょう。
なかには農薬が心配できゅうりの皮を剥いだうえで与える人もいるようです。
餌付けはオトシンクルスの餓死を防ぐため。でもね、、、
先ほどのも述べた通り、オトシンクルスの餓死を防ぐ手段が餌付けです。
その重要性をここまで読んでいただけたならわかっていただけると思います。
しかし、、、
その餌付け方法は、15年前ごん太が大失敗をした時とほとんど変わっていません。。。
これだけ月日が流れれば何かうまい方法でも発見されてればいいのですが、残念ではありますがアクアリウムは生物相手。
そう簡単にはいかないようです。
生野菜や昆布を利用する上での注意点
さて、↑のような生の餌は注意するべき点がいくつかあります。
1つは生の餌ゆえに痛みやすいということです。
水温は26℃でいわば常夏な水温なわけですから、生野菜は痛みやすいです。
早めに取り出しましょう。
もう1つは↑それゆえ水も痛みやすいという事です。
腐った生野菜をいつまでも水の中に入れて置くと、水を汚してしまうというわけです。
臭いがする前に餌の撤去と換水をしましょう。
そんなデメリットの多い生野菜の最大の難点は、、、
種類にもよりますが生野菜って季節によっては高いです。
男性諸君?
スーパーの肉や魚や、そしてカップ麺や酒の売り場ではなく、、
「野菜」売り場を一人で歩いた事はありますか?
特に冬のきゅうり!。
冬のきゅうりはびっくりするほど高いです。
夏とはわけが違います。
小松菜は季節変動が少ない方ですが、天候不順が起きればあっという間に値段は吊り上がります。
また、小松菜はそこそこサイズがあるので、きゅうり以上に冷蔵庫でかさばるのも難点です。
(ただし、同じ値段でも量は小松菜の方が多いので、生野菜にこだわるならきゅうりよりも小松菜がいいでしょう。)
そんな風に考えると、コスト的には乾燥昆布がおすすめです。
乾燥しているので冷蔵庫に入れる必要はないですし、水分が抜けてコチコチになっているのでコンパクトです。
とまぁ、あれこれ書いてみましたが、
真の注意点は、、、、
↓のパートに続きます。
【注意事項】しかし餌付けを失敗することも
繰り返しますが、相手は生き物相手です。
当サイトを含め【餌付け方法】として紹介されている様々な方法はありますが、
それらは絶対ではなく、餌付けを保証するものではありません。
いくらオトシンクルスの習性に寄り添っても、、、
いくら嗜好性の高い餌を準備できたとしても、、、
失敗する時は失敗するのです。
餌付けをしないでも済む飼育方法を考えてみる
さて、オトシンクルスの餌付けには先ほど述べた通り「絶対」や「確実」という言葉は通用しません。
もし、このままごん太が以前と同じように餌付けを行えば、そこには失敗する可能性もあるわけです。
ですから、
なるべく生存できる可能性を高めたい。
そうごん太は考えたわけです。
なので、オトシンクルスの導入とその餌付けについて再考することにし、そもそもオトシンクルスって何食べてるの?レベルからリサーチしてみることとしました。
オトシンは何を食べるのか?
※このパートは導入当時ごん太が調べたことと、時系列的に後出しにはなりますが半年以上飼育して日々の観察から得た経験を統合して、現在ごん太がオトシンクルスの飼育について考えていることを述べていきたいと思います。。
さて、オトシンクルスの好物は茶ゴケと言われて久しいです。
茶ゴケは水質が不安定な立ち上げたばかりの水槽や、水を汚しやすい肉食魚の水槽に出ます。
ここで我が家の水槽に目を移してみると、、、
現在オトシンクルスを飼育している水槽は、立ち上げてからすでに5年程経過しており、黒ヒゲ苔ならチラホラと見ますが、茶ゴケはしばらくお目にかかっていません。
ですが、記事作成現在までの約半年、オトシンクルスたちは餓死することな生きています。
そんなわけなので、日々収集している様々な情報とごん太が日々水槽を観察から、オトシンクルスの食性に関して改めて言えることは、、、
オトシンは茶ゴケ以外にも水草や器具表面についた微生物を食べているのではないのか?
ということです。
「オトシン=草食」というイメージが依然強いわけですが、、、
ごん太の勘ですがロイヤルプレコの場合と同じように植物性の食物を口にするからと言って、すぐに草食性と決めつけるのは、少々違うような気がするのです。
実際、この手のコケ取り生体は確かにコケを好み、時に残飯や死体など有機物をターゲットに食事をしていることが多いのですが、、、
しかし、、、
消化の難しいリグニンやセルロースでできている流木、
さらには化石燃料からできているプラスチックやスポンジ、さらにはシリコンでできたエアチューブなど、、、
到底生き物が食べれないような物でも時にハムハム(オトシン)していたり、時にツマツマ(エビ)していたり、時にアグアグ(プレコ)しているわけです。
しかし、百歩譲ってリグニンやセルロースならまだしも、石油製品をそのまま摂取し消化してエネルギー源にしているとは到底考えづらく、
おそらくはこういった器具や流木に繁殖したコケを含めた微生物を食べていると考えるのが妥当でしょう。
そういった魚達を「草食性」というくくりにひとまとめにするにはいささか無理があるのではないかとごん太は思うのですが、、、、
まぁ、それはさておき、あくまでもこのパート結論ですが、、、
餌付けが難しいなら、食べれる餌(自然に生まれる微生物)を用意してあげればいいじゃない!
ということです。
オトシンクルスを継続的に飼育するために
そんなわけなので、今までの話をまとめると、オトシンクルスを餓死させないためには、、、
①、コケを含めた微生物を与え続ける
②、オトシンクルスを餌付けする
この2択となるわけです。
しかし、①について水槽内で自然に生まれでてくる微生物は、その数に限りがあります。
なので、先ほど述べた通り餌付け②をするとことになります。
しかし逆に言えば、オトシンクルスがコケや微生物を食べ尽くさねば、餓死を免れるとも言えます。
そして、これを成すためには、オトシンクルスを購入する時から全ての計画を仕込まなくてはなりません。
どういうことかって?
もう少しだけ、ややこしい話は続きます。
餌の供給量と消費量の関係
さて、↑でも記した通り、そもそも水槽内で自然に生まれでてくる微生物は、その数に限りがあります。
なので、先ほど述べた通りオトシンクルスの食べ物を安定供給しよう!ということで「餌付け」となるのですが、餌付けに失敗した場合、やはり数に限りある微生物という餌に頼らざるを得なくなります。
そこで問題になるのが、餌(微生物)供給量とオトシンクルスの食べっぷり(消費量)の関係。
端的に言うならば、、、
この自然に生まれてくる微生物の量が、消費量を上回れば、水槽はだんだん綺麗になると同時に餌も無くなり、もし餌付けに失敗しているれば、最終的には餓死することになります。
逆に餌となるコケを含めた微生物の供給量が、オトシンクルスの胃袋に収まる量よりも多い場合、例え餌付けに失敗したとしても十分な食料があるわけですから餓死することはありません。
ただまぁ、その場合「コケ取り生体」としての作用は低くはなりますが。。。
とは言え、実際にオトシンを飼うために微生物を増やすという話は、あまり聞いたことがありません。
ではどうすれば微生物を安定的に供給できるのでしょうか?
餌を安定供給するために
そこで、消費量と供給量の関係で着目すべき点は餌の消費量となります。
この餌の消費量が餌の供給量を下回るようにコントロールする必要があるのです。
餌(微生物)の消費量というのは、、、
是即ち、オトシンクルスの匹数。
オトシンクルスの数が多ければあっという間に水槽内は、俗にいうピカピカの状態になります。
そして、生まれる出る微生物をあっという間に食べ尽くし、その後困窮することになります。
少なければ微生物は食べつくされることはなく、そしてそれ自体勝手に殖えオトシンクルスの餌になるわけですから、オトシンクルスが餌で困窮することはないというわけです。
微生物を増やすのではなく微生物を食べる側(オトシンクルス)を減らす
これこそ、餌付け不要でオトシンクルスを長期的に飼育するための1つの答えです。
オトシンクルスの飼育匹数
じゃあどれぐらいなら、餌付けなしで飼育することができるの?
ということになるのですが、
一般的には、、、
60cm規格水槽に2~3匹としている情報が多いようです。
ごん太としても餌付けをしない場合、60cm規格水槽に2~3匹というのが現実的に妥当な飼育匹数だと考えています。
もちろん、
立ち上げたばかりのすっからかんの水槽では微生物も少なく60cm規格水槽で1匹でも難しいかもしれません。
繰り返し書きますが、、、
オトシンクルスが食べるのは微生物なわけですから、、、
その微生物の生態系において関係するであろう、残飯や糞、流木や枯れ草、時には死骸まで、
水槽内という小さな世界で生まれ出てくる有機物が豊富でなくてはなりません。
そのような生態系全体で生み出すものは、数日で増やせるような代物ではありませし、人間がコントロールしようにも複雑すぎておそらくは不可能でしょう。
私たちができることは、水草を増やし、多くの生体を入れる程度のことしかできません。
結局はコケや微生物さらには生体を含めた生態系をコントロールし、オトシンクルスの餌となる微生物だけを意図的に増やすことが難しいので、餌付けという話が生まれてきたのでしょう。
ただまぁ、餌付け「も」難しいです。
なので、話は一周して微生物を餌にする生体の数に着目というわけです。
とは言え、、、
試験管の中ならいざ知らず、オトシンクルスと餌(微生物)双方ともにコントロール不可能な生き物ですから、その適正飼育数について「絶対」であるとは決していえないといういことも付け加えておきます。
オトシンクルスを導入する前に考えるべきこと
そんなわけなので、ごん太が皆さんに声を大にして言いたいのは、
このオトシンクルス飼育数と自身の水槽にある餌(コケや微生物の量)について、
導入する前に考える是非とも考えていただきたい。
水草がたくさんあり生長も旺盛、ライトも強CO2も添加している、そんな有機物が多く複雑な生態系が生まれているような水槽では、適正飼育数程度なら安心して買えるでしょう。
しかし、
餌のやりすぎて茶ゴケが酷いから・・・
オトシンクルスが好きだけど水槽は立ち上げたばかり・・・
そういった水槽では適正飼育数でも少々厳しいかもしれません。
そして、自分が今管理している水槽はどういう水槽なのか?どれくらいの微生物があるのか?生態系が乏しいのか複雑なのか?これは決してネットの情報にはありません。
結局は、
水槽を観察してどれぐらいならオトシンクルスが飼えそうなのか?最終的には自分で判断するしかないのです。
面倒だからと大量に導入せず、1匹ずつ導入してみるのも一つの手かもしれません。
オトシンクルスは餌付けに難しい魚です。
残念ではありますが、自分の水槽の状態を見誤れば、15年前のごん太と同じ失敗をすることになるでしょう。
、、、とまぁ、いろいろと口酸っぱく書いてきましたが、次のパートより実際にごん太が導入した時の話となります。
オトシンクルス導入記
今回導入した水槽と匹数
さてさて、、、
ごん太の45cm規格水槽は小型魚多数、プレコにミナミヌマエビもおり、おまけに水草あるので、微生物を含め残飯、枯れ草、糞などの有機物が非常に発生しやすい水槽です。
つまりはごん太が考えるにオトシンクルスの大好きな微生物が多いと見込まれます。
そんな水槽に今回導入するのは、、、
オトシンクルスのたったの2匹のみです。
先ほど紹介しましたが、餌付けしない場合60cm規格水槽でも2~3匹という事を考えると、それでも多いくらいです。
なにはともあれまずは餌付けに挑戦
プレコを含み(、、、ごん太はプレコの大ファンなので何につけてもプレコの話が出てきてしまい大変恐縮なのですが、、、)ナマズ仲間には鱗が無いものもいます。
なので急激な水質変化には敏感であると昔から言われています。
(随分古い知識なので間違っていたらごめんなさい。)
そんなわけですから、水合わせにはヒーターとエアレーションを利用しつつ、点滴で3時間ほどじっくり時間をかけ、手厚く導入しました。
(導入直後のオトシンクルス。隠れていますが色が抜けているのがわかります。) |
そして、、、
なにはともあれ、まずは餌付けにチャレンジすることとしました。
あれこれ悩んだ結果、
今回は昆布を主体として生の餌(主に茹で野菜)を、水草用のおもりで水底に固定し与え餌付けを試みることにしました。
しかしまぁ、悪いことというのは15年経っても続くもので、、、
待てど暮らせど昆布を食べに来ない
よくある導入から数日間は神経質になっているのでは?と疑ったので、しばらくはライトOFFで水槽にも近づかない作戦!を展開してみたものの、、、
昆布をハムハムしている姿も、食べられた形跡もありません。
大変残念ではありますが、餌付けは失敗しているようでした。
餌は食べなくてもお腹パンパン
ただまぁ、昔の大失敗からこうなることはごん太は織り込み済み。
餌付けに失敗しても餓死させないために、オトシンクルスの数を絞っていたわけです。
そして、全く減らない昆布を尻目に、オトシンクルスたちの腹部はパンパンに膨らみ始めてきました。
それと時を同じくして水槽内の流木やエアチューブ、水草表面やスポンジ、さらにはアクセサリとして設置して石など、
実に様々な場所でオトシンクルスたちがハムハムしているのが確認できるようになりました。
2匹のオトシンクルスと水槽で生まれてくる微生物。
このバランスが良かったのか、懸念していた餌不足に陥ることはなく、オトシンクルスも微生物たちもなんとか持ちこたえてくれそうです。
そして、あっという間に2週間経過。
前回の大失敗では、餓死が起こり始めた時期を迎えましたが、今回はみな元気にこの2週間目を乗り越えられそうです。
それから約半年
さて、随分と話が長くなってしまいました。
最後に現在のオトシンクルスと導入にあたっての注意点をまとめておきたいと思います。
オトシンクルス達のその後
今日もオトシンクルス2匹は元気一杯です。
(またも餌が来た!と思い集まり始めるチェリーバルブ) |
なお、ごん太はオトシンクルスの餌付けに今回も完全失敗したようで、ごん太が普段他の魚に与えているテトラプランクトンやひかりクレストプレコには見向きもせず、
一心不乱で微生物が付着していると思わしき箇所をハムハムしています。
時折気まぐれで出汁を取り終わった昆布を与えてみるのですが、こちらも全く興味なし。
オトシンさんスルースキル高すぎです。。。
もしかすると、、、
コケや微生物の嗜好性が高すぎて、人工飼料という存在そのものに気が付いていないのでは?
そんな風に疑っています。
もし、魚と話せるのならそのあたりの認識をインタビューしてみたい魚です。
【飼育開始から1年後】
なお、記事修正現在(オトシンクルスを飼育し始めてから約1年後)も、この記事の題材となったオトシンクルス2匹は元気にしています。
1年たった今も人工飼料を食べている姿を見たことがありません。。。
オトシンクルスを安定的に長期飼育するためには、餌を増やす・餌付けするではなく、飼育数を減らすという逆転の発想が大切なようです。
(2021/1/3 追記)
オトシンクルスの餌付けに関して
最後にオトシンクルスの餌付けに関して、いままでの話をまとめたいと思います。
今回の件で、ごん太は餌付けが失敗しましたが戦略がうまくはまり現在絶好調でオトシンクルスを飼育できています。
また、冒頭の通り過去大失敗した経験もあります。
そういった経験をもとに言えるのですが、、、
やはりオトシンの餌付けは難しいです。
今回のごん太の場合ではありますが、昆布ですら見向きもされませんでした。
そのような状況では人工飼料への餌付けなど夢のまた夢。
現に我が家のオトシンクルスたちは半年たった今でもプレコタブレットですら口にしません。
(プレコタブレット自体はタンクメイトにプレコがいるので毎日上げています。)
そんなわけですから、
やはりサテライトなどの狭い場所に押し込んで無理やり味を覚えさせるぐらいの力技が必要なのかもしれません。
とは言え、相手は生体ですから、当然これでも失敗し餓死させてしまう可能性が十分あります。
そうなるとやはり、飼育を成功させるにはオトシンの数を絞り、水槽内の微生物を安定供給する戦略が必要かと思います。
ですから、
導入前には必ずご自身の水槽にどれくらいオトシンクルスの餌があるのか?よく観察し考えてみましょう。
もちろん、これができるのは、オトシンクルスを購入する前までの話ですから、
餌付けがうまくいかずお腹がペッタンコ、もしくはすでに餓死が始まって慌てて、「何が何でも餌付けしたい!」となっても、残念ではありますが手遅れでしょう。。。
ですので、、、
オトシンクルスを導入する時は必ず計画的に行いましょう!
決して小型魚だからとフィーリングで導入する生体数を決めるのはやめましょう。
なお繰り返しますが、アクアリウム界において、オトシンクルスの餌付けについての知識の広がりと蓄積は、はっきり言って15年前と現在ではほぼ変わらないレベルです。
100%成功!オトシンクルスの餌付け攻略法!なるものは出てきていません。
(これが出てきたら本当に素晴らしい!と思うのですが、、、)
15年かけてもほとんど進展していないのが現状で、まるで餌付けはそれほど難しいことを示唆しているようです。
最後に、
オトシンクルスの難しさはわかったけど、どうしても小型のコケ取り「魚」が必要!というのなら、、、
少々割高ですがオトシンネグロという餌付けが多少楽でよく似た魚もいますので、ごん太としてはそちらをおすすめしたいと思います。
というわけで、今回のオトシンクルスの話はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
(更新:2021/1/3)
アドバイスありがとうございます。私も45センチ水槽でオトシンクルスを2匹飼い始めて明日で2週間です。あらゆる人口餌は今のところダメみたいですが、何とかキュウリは食べるみたい。また、ある程度微生物も定着しているのかもしれません。何とか1か月、3か月、半年、1年と生きて欲しいです。
返信削除返信遅くなり申し訳ありません。オトシンクルスの飼育は、なかなかうまくいくことがありません。ですが、最初の二週間さえ乗り切ってしまえば、餌付いていなくてもトントン拍子にことが進みます。ごん太のオトシンはそろそろ二年目を迎えようとしています。
削除オトシンクルスのお腹は、パンパンに膨れていますでしょうか?
あなた様とオトシンクルスのアクアリウムライフがうまくいきますよう。お祈りいたしております。