正直アクア用添加材は評価しづらい。それでもやっぱりADAはすごいと思う
少しずつ冬の足音が聞こえはじめる季節になりました。そろそろヒーターの点検など冬の準備に取り掛かるタイミングですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
前回から少し期間が開いてしまいましたが、前回の投稿では……
キョーリンネオプロスという餌のごくごく簡単なレビューをしてみました。
さて、今回は……
ADAより販売されています、グリーンブライティ・ミネラルの話をしていきたいと思います。
本来、レビューというものは、客観的もしくはそれに近いデータに基づいて話を展開していくものです。
しかし、アクアリウムでは同一の条件を揃えるのが極めて難しくなっています。例えば同じ量の餌を与えたとしても、太陽の入る角度が違うだけでコケの出方が変わってきますから、餌の量と硝酸濃度のグラフすら、少ない水槽ではろくなデータが取れないことでしょう。
さらに、前回の餌のレビューも同様なのですが、生体に直接作用している物に関しては、飼育環境以外にも魚一匹一匹、水草では植えてある場所や角度で変わることもあり、客観的に物事見る基準となるはずの、比較・対照の段階で四苦八苦することがとても多いです。
そのような理由で、このグリーンブライティ・ミネラルも話の展開が主観的になりやすく、なかなか記事にするのをためらっていました。
しかし、まぁ、良いものは良いわけで……
今回の記事はレビューと言えるほどの客観的な話ではなく、”使ってみた”止まりの話となってはいます。ですすが、もし、それでもよろしければ、↓よりご覧なってください。
硬度低下は突然に
ここからは、グリーンブライティ・ミネラルを購入した経緯となります。
ものすごく、起こり得ない話ですので、きっと多くの人の参考にはならないでしょうが、取り合えず、述べておきたいと思います。
ごん太は比較的古くから栄えている街に住んでいます。
江戸時代、現在市街地がある場所には、既に街が築かれていたそうです。
ですので、歴史があります。
逆に言えば、新興住宅地ではないので、インフラが古かったり行き届いていない場所があります。
街灯を立てようにも、人が住み道が狭く、立てる場所がない!
そのため人口数十万の都市にかかわらず、夜道が真っ暗すぎて何も見えない場所もあるくらいです。
それでも、人口のある街ですから、住民が文明的な生活を享受できるよう、常にどこかしらインフラの工事をしています。
そのような感じで、約一年前にあったのが我が、家の近くを走る国道の、そのまた下お通る共同溝の工事。それに伴って我が家付近一帯も古くなった水道管を交換するのだとか。
深夜に地面を掘ったり埋めたりすること3カ月。梅の花が咲くころには、なんとか夜に響く重機の音もやみました。
で……この工事が終わったとある日、フィルター清掃がてらいつもの水質チェック。
硬度がほぼ0°d……嘘でしょう!?
というのも、過去の記事を見れば分かるのですが、この付近一帯は硬度が4~8°d、場合によっては8°d以上であることが多く、硬度を下げるために、ブラックウォーターやゼオライトを利用したことがあるぐらいなのです。
それが今になって突然の硬度ほぼ0°d。
それで、上で述べた水道管の工事。
どうやら古い水道管を新しく交換したから硬度が下がったのか?
それとも水源が変わったのか?
(我が家は、3つある水源の境目付近に位置しています。市内を流れる川は県をまたぐほどに長いので、そこからの取水されたものは硬度が高めなのですが、西にある近隣の山岳地帯には”名水”が多く、そこから取水されたものは硬度が極めて低いのです)
あれこれ考えて調べてみたりするものの、結局は、硬度が急激に下がった理由は確固たる証拠がはなく……。
とにもかくにも、鉄やマンガンなどの微量元素硬度と同じように、マグネシウムやカルシウムは植物にとっては大切な成分で、多量要素とも言われていますから……
このままでは低硬度を好む有茎草はともかく、硬度がややあるの水を好むミクロソリウム達が危うい!
そう考えたごん太は、ミネラル入りの添加剤をアレコレ調べたのですが、そもそも海水や大磯砂の水槽ならいざ知らず、マグネシウムやカルシウムというのは取り除かれるべきモノ。
それをわざわざ水草水槽に添加するという需要はないようで、やはり添加剤のラインナップはかなり少なめ。アクアシステムのミネラルバランスと悩んだ末に、久々にADAのグリーンブライティ・ミネラルを購入することにしました。
ADAグリーンブライティ・ミネラルの成分と効果、用法と容量
ここからは、グリーンブライティ・ミネラルについての説明となります。
グリーンブライティ・ミネラルはADAより販売されている水草用の添加剤です。
法律で成分の表示をするのが定められている農業用や園芸用の肥料ではありません。
そのため、パッケージの裏側には説明文はあれど、含有している成分について網羅的な言及はありません。
ボトルの裏側も、そして付属している説明書もこの通り、含有成分について、はっきりと記されていません。
そのため、ここでは、ADAのホームページや各種説明文から分かることを、言葉を借りてまとめるに留めたいと思います。
(成分)
・鉄
・マグネシウム
・微量元素
(効果)
微量元素不足から引き起こされる、新芽の異常や、発根障害、葉の黄化などの生育不良を改善する。
ミネラルとだけあって、その成分は多量要素と微量元素のようです。
その詳細が気になりますが、残念ながら……
成分として名前があがっているのは鉄とマグネシウム、そして微量元素という情報のみ。
そのため、この添加剤を添加する目的は必然的に、それらが不足し症状に対する対処や予防としてとなります。
続いて用法・容量、さらには価格を見てみましょう。
後ほど計算するのですが……
利用できる期間から計算すると良心的な価格設定になっています。
ここで軽く述べるならば……
30L程度の水槽、例えば45cm規格水槽や30cmキューブで毎日添加するなら、1200円の180mlボトルがお勧めです。
添加するタイミングにもよりますが75cm規格や60cmワイド水槽なら、1800円の300mlボトルがお勧めですす。
毎日添加できる几帳面な人なら60cm規格水槽でも300mlボトルがいいかと思います。
逆に言えば、ごん太のようにずぼらな人は、180mlボトルで十分かもしれません。
とまぁ、スペックを語るには、あまりにも情報が少ないので、次のパートからは早速レビューをしていきたいと思います。
グリーンブライティ・ミネラルを利用してみて
このパートからは、レビューパートとなります。
ただし、主観的な内容が多いため、比較を多用する〝レビュー〟というよりは、〝使用した感想〟と言った方がしっくりとくるかもしれません。
いざ購入! パッケージが神々しく思わず手が震える
正直な話、ごん太はADAの製品に縁はないと思っていました。
ADAの製品はパレングラスやリリィパイプなど、華奢で、可憐で、華があり、工芸品を越えて芸術的でもあるアクア用品が、数多くラインナップされているからです。
対して、このブログが始まってからでも4年、記憶の彼方まで見積もって15年以上アクアリウムを営んできたごん太は、どうしても華より団子ならぬ、メンテナンス性優先。
つまりは、最高の一瞬よりは、いつも一緒にいて楽しい方がいい。
そのため、自分自身でも我が家の水槽はADA製品は向いてないと思い、あえて距離を取ってきました。
そして、ここに来てのADA製品。
実店舗にあるADA製品売り場に立ち止まるでさえ気後れするのに、それを手に取るなどとは……。
こんなアクア用品ならぬ、可憐な佇まいの純白のパッケージ、手に取る指すら震えてしまいます!
あまりにおしゃれすぎるで、この紙パッケージが捨てるに捨てられず、半年以上たった今も水槽台の中に置いてあります。
まぁ、それが功を奏して、今こうやって記事の写真となっているのですが。
たった180ml。されど180ml。十分に多い。
そんなおしゃれな紙パッケージを開けるとこんな感じ。
こちらもなかなかのおしゃれさん。透明感のあるプラスチック製プッシュボトルが出てきます。
ごん太が購入したものは180ml入りのものとなります。
用法は前述しました通り……
毎日。20lにつき1push(1ml)。
それが180ml入っているので、トータルで3600L分のグリーンブライティ・ミネラルがあることになります。
ですので、ご自身の水槽の水量で3600を割ると、何日間利用できるか大まかに判別できるかと思います。
ごん太の場合ですと、利用しているのは45cm規格水槽(約30L)ですから、3600÷30で120日(四カ月)分ということになります。
思いのほか長期間使えますね!
※
但し、1push=1mlであるため、そのままでは0.1ml単位では正確にとれません。
例えば、30Lの水槽では1mlで20L分ですから、本来ならば1.5push(1.5ml)を添加することになるのですが、プッシュボトルであるため、1push分取れたとしても、残りの0.5pushがボトルから出せません。
ですから、実際は180ml÷2ml/(日)で、90日(3カ月)分ということになります。
まぁ、ボトルをプッシュするのを途中で止めればいいわけなんですが、几帳面な人には、もしかするとむず痒いかもしれません。
そんな人は、化粧品用の注射器がお勧めです!
最近は100均で売っていますし、肥料や魚病薬の添加に大変便利です。
しかし、どちらかと言えばアバウトな性格のごん太は、たかだか毎日2pushを添加できるはずもなく、梅が咲く時期に購入したはずのこのボトル、もう8カ月も経つのにもまだ使い切れていません。
忙しい人や、毎日添加する予定のない人、大雑把な人、そして水槽が小さい人は、多少コスト高でも、まずはお試しで120mlがいいのではないでしょうか?
使わずにほこりを被っていたら、それこそ無駄な出費となります。
もちろん、300mlボトルの方がランニングコストは安いのですが、180mlボトルでも、60cm規格水槽で毎日3push添加しても60日分あるわけですから、よほど几帳面な人でない限り、3カ月弱は手元にあり続けるはずです。
さて、そんなグリーンブライティ・ミネラルですが、その成分は上の引用文にも記されている通り、少なくとも鉄とマグネシウムが含まれ、さらに微量要素も入っています。
180mlボトルは30L以下の水槽なら3カ月は継続して利用出来き、それでいてお値段1200円。なかなかお買い得じゃあありませんか?
もちろん、300ml入りの1800円のものを購入したほうが、さらにお得になります。
大きな水槽で水草をしている人や、几帳面な人、水草水槽に熱中している人にはそちらがお勧めです。
おまけに、よく言われていることですが、このプッシュボトルは1プッシュ1ml出るタイプのものですから、使い終わっても自分で調製したカリウム液肥を詰め替えれば、まだまだ活躍できます。
やはり、ごん太としては、好奇心優先で購入してもでも千円ほどならそれほど懐が痛みませんし、液肥に便利なボトルが残りますから、多少コスト高でも180mlボトルがお勧めです
効果はあるように思える。しかし、客観的な根拠に基づいて述べるのが難しい
この記事の冒頭でも述べましたが、水槽内という同一条件を揃えるづらい実験環境で添加材を評価するにあたって、客観的なデータに基づいた評価が大変行いづらくなっています。
結局は客観視だけでは評価するだけのデータは揃えられず、この記事では利用してきた経験(主観)をもとに述べていくことになるのですが、
ADAという会社は日本における水草の先駆者なだけはあります。
それがごん太の結論です。
体感ではありますが、以前よりも水草の濃い緑や赤が発色して生き生きとしており、コケづらいように思えます。
もちろん、硬度が下がった影響でCO2が溶けやすくなり、光合成が活発に進むようになったからだと言われてしまえばそれまでの話ですが、それでも利用していた他社の鉄分添加材よりは、葉の発色が美しくなりました。
しかし、なぜ、似たような成分でも、他社製品よりもADA製の方が発色がいいのか?
実のところごん太もよく分かりません
もしかしたら、鉄以外の他のミネラルを含んでいるからかもしれません。
このグリーンブライティ・ミネラルは、肥料と違い成分が保証されているわけでも、明記されているわけでもありません。
しかし、何らかの成分で、水草の状況が良くなったのは、アレコレとうるさいごん太も認めざるを得ません。
そして、
やっぱりADA製は一日の長があるのだ
と思ってしまうのです。
鉄分も大切ですが、それ以外の多量要素・微量要素も大切だったということでしょう。
そんな幅広い視点にADA製品は立っていますから、例えばグリーンブライティ・ニュートラルKやグリーンゲイン・プラスも利用してみようかなぁと感心してしまうほどです。
ただまぁ、そのレビューの思考過程を文章として紙に落としたとき……
なんとも信憑性の低い文章になってしまうので、この添加剤のレビューを書くに書けず、何度もこの記事内で、あくまで主観ですと言い訳をすることになりました。
なお、我が家で利用している限りですが、硬度が上昇するようなことは見受けられていません。
なんのために購入したん?
それでも添加のおかげか、微量要素の欠乏症状はどの水草たちにも出ていません。
毎日欠かさず添加していれば違うのかもしれませんが、うっかり添加を忘れてしまう日もありますので、硬度が上昇しないだけなのかもしれません。
気になって実験! グリーンブライティ・ミネラルで硬度はあがるのか?
というわけで、ここでは上の疑問が気になったので、実験をしてみることにしました。
(道具)
・グリーンブライティ・ミネラル(1ml)
・テトラテスト6in1(試験紙)
・水(1000ml)
・水を入れる容器
(手順)
1、水道水を1000ml容器に汲む。
2、1の水質をテトラテスト6in1でチェック。
3、グリーンブライティ・ミネラルを1ml、1の容器に添加する。
4、3をよく撹拌する。
5、3の水質をテトラテスト6in1でチェック。
まず、ただの水道水の結果は……
(結果:水道水)
NO3-:0mg/L
NO2-:0mg/L
GH:0~4°d
KH:0~3°d
pH:6.8
Cl2:0.8mg/L
次いで、グリーンブライティ・ミネラルを加えて物は
(結果:グリーンブライティ・ミネラル入り)
NO3-:0mg/L
NO2-:0mg/L
GH:0~4°d
KH:0~3°d
pH:6.8
Cl2:0.8mg/L
よって、変化なし。
グリーンブライティ・ミネラルでは硬度はさほど上がらないようです。
水の量を1Lから100mlに変更すれば、試験紙でも検出できるのでしょうが、次の実験で試験紙切れにて万事休す。
もしくは、この試験紙では検出できない形で、マグネシウムやカルシウムが添加されているかもしれません。
そうなると、マグネシウムイオンでもカルシウムイオンでもないので、硬度(GH)では測定不能ということになります。
実際問題、このグリーンブライティ・ミネラルを低GHで利用していても、多量要素や微量要素の欠乏障害疑いの症状が出ていませんから、やはり効果はあるのだと思います。
最後に問題の我が家の水槽の水質(co2未添加時)を載せておきます……
(結果:飼育水)
NO3-:0mg/L
NO2-:0mg/L
GH:0°d
KH:6°d
pH:6.8
Cl2:0mg/L
かなりいびつな状況になっております。
名前ばかりの硬度のKHはともかく、GH0って……。
実験を比較すると、ほとんどの硬度がソイルに吸われたことになります。
ソイルパワー恐ろしや。
使いどころが難しいかも
このグリーンブライティ・ミネラルは、もちろん鉄分も含まれていますが、ミネラル成分を多く含んだ添加剤です。
この添加剤の主役たるミネラルですが、ごん太の家の水道のような状況に陥らない限り、さぁミネラル成分を添加しよう!
ということには、なりづらいかもしれません。
マグネシウムイオンやカルシウムイオンは基本的に水道水にある程度含まれているものですし、その他の微量元素は元肥としてソイルに埋め込む固形肥料に多分に含まれていることがほとんどです。
さらに言えば鉄分を添加したいだけなら、ADA製品でもグリーンブライティ・アイアンがあります。
なので、実はこのグリーンブライティ・ミネラル、使いどころがなかなか難しい商品なのかもしれません。
今考える限り、この添加剤を利用するべき水槽をリストアップしてみました。
・多量/微量要素の欠乏症状が出ている水草がある水槽
・多量/微量要素の欠乏症状が予想される水槽
・元肥などの微量元素が含まれる固形肥料を利用していない水槽
ただし、これを添加してもほとんど硬度はあがりません。
この添加剤は、あくまで多量要素や微量要素などの欠乏の予防や改善に主眼がおかれたものであり、硬度を上げることを目的としたものではないからです。
そのような地域にお住まいで硬度が必要な水草を栽培したい人は、専用の添加剤や大磯砂などろ材に詰めるなどして利用したほうが良いでしょう。
というわけで、今回はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
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