パイプ清掃で流量大幅増! その方法と実際
梅雨が唐突に終わり、30℃をたやすく越える日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?
どうも、こんにちわ。ごん太です。
前回は当サイトとしては脱線も大脱線、
清流の小物釣りの話をしました。
いま、川は夏を迎えています。魚たちの活性も高く、アクアリストでも手軽に釣れる季節です。タンクメイトの確保や観察目的として、出向いてみてはいかがでしょうか?
さて、今回は……
パイプ清掃の話を、一部始終写真で紹介しながら述べていきたいと思います。
それは、こんな感じの道具を購入したからです。
外部フィルターの掃除はろ材洗浄だけでいい?
いえいえ、パイプを綺麗にする効果は、見た目以外にもあるのです。
というわけで、さっそくではありますが、本題へと入っていきます。
続きをどうぞ!
いざパイプ清掃!! の前に
今回清掃されるホースたち
今回は、文中の脱線が多かったので、細かい経緯やらはすっ飛ばして、手早く掃除を開始したいと思います。
まずは、今回清掃する水槽台内部の写真をパシャリ。
見るに堪えないほどの雑然とした水槽台で恐縮ですが、左側にあるのがエーハイムサブフィルター2213、右側にあるのがエーハイムプロフェッショナル2222。
サブフィルターと2222に直列につないであり、これらのホースと、吸水・排水パイプをクリーニングにしようと言うワケです。
まずは流量計測
何はともあれ、現在の流量を確認してみることにしました。
前回パイプ洗浄をしたのは3カ月前。
果たしてどれだけ落ちているのやら……。
それを確かめるため、排水パイプが水面より上になるよう、サっと水を抜きました。実流量を計測するのです。
この浮きあがった排水パイプから出る水を、大きな計量カップにためて、時間当たりの水の量を調べてみます。
なお、外部フィルターはサイフォンの原理を利用しており、水面の高さと排水パイプからの水の量が密接に関係しているので、まずはそれを写真でおさめておきます。
現在の水位は……
水槽外側底面より22.5cm。
この時の排水パイプからの水の量と時間の関係は……
ちょうど10秒で500mLの水が、カップ内に溜まりました。
つまり、1分で3L、外部フィルターのスペック表記で良く使われる言い方をするならば……
180L/hになります。
流量のスペックと現実
さて、エーハイム2222のパワーヘッドは、420L/h(50Hz)・500L/h(60Hz)の流量があります。
これはあくまでヘッド単体・高低差なしでのこと。
今回のフィルターのように……、
ろ材があること、サブフィルターを直列に取り付けてあること、高低差があること、そして、パイプやろ材に汚れが溜まっていること。
それらを、加味すれば、エーハイム信者歴10年以上のわたしの経験では十分現実的で、正常な値であると言えます。
むしろ、スペック上の流量を水槽で流すと、水流が強すぎる可能性が高いです。
例えば、わたしの45cm規格水槽の総水量は30L前後。
時間当たりの回転数は180L/h ÷ 30L = 6/h
つまり、一時間あたり6回となります。
これは、パイプ清掃不要なほどの、十分な流量があるとも言えます。
さて、今回はサブフィルター2213が2週間前、エーハイムプロ2222が1週間前に、ろ材清掃を済ませてあります。つまり、パイプの汚れのみで、180L/hという流量になっているワケです。
さぁ、このあとパイプの清掃をして、どれだけ流量が回復するのでしょうか?
水槽の回転数のお話。
せっかくなので、ここで「水槽の回転数」について触れておきたいと思います。
水槽の回転数とは、フィルターが水槽内の水を一時間あたり何回ろ過できるのか?
ということを表しています。
計算式は以下の通りです。
回転数(回/h)
=水槽の総水量(L)÷〝スペック上〟の時間あたりの流量(L/h)
一般的には、6~7回/hが望ましいと言われています。
この指標ですが、利用する時には、ちょっとした注意点があります。
あくまでもスペックから計算し、フィルターを水槽に合わせる時の指標としましょう!
例えば、60cm規格水槽にエーハイム2213を組み合わせるとしましょう。
60cm規格水槽の水量は60L前後。対してエーハイム2213は440L/h(50Hz)。
回転数は……
440L/h ÷ 60L =7.33回/h
となり、程良い回転数となります。
もちろん、2213は60cm規格水槽に適合するので、当然と言えば当然です。
では、稼働中のフィルターの回転数はどうなるのでしょうか?
稼働中のフィルターでは、ろ材の量や高低差、ろ材の詰まりやパイプの汚れ、さらにはサブフィルターの利用などで、外部フィルターのパワーヘッドは……
流量は実力の4~7割となります。しかし、それが正常です。
予め、その流量の落ち込みを加味して、作ってあるからです。
もちろん、回転数も必然的に4~7割となります。
それでも、飼育している魚や水草にもよりますが、大きな問題にはなることはありません。
逆に言えば、稼働中の水槽で6~7回転あると、水流が強すぎるといえるわけです。
お掃除開始!
フィルターの電源OFF、その時ろ材はどうする?
さて、これから実際にパイプ掃除をしていきます。
当たり前ではありますが、その際にはフィルターの電源をOFFにしなくてはなりません。
とはいえ、止めっぱなしにしておけば、内部が通水されないため、ろ材は酸欠状態になりはじめます。
一般的に、外部フィルターにおいては……、
フィルターケース内の水を抜かない場合、停止してから30分程度で硝化細菌が酸欠を起こし、死滅し始めると言われています。
が……、もう一度先ほどの画像を掲載しますが、ご覧の通り……
ホースの配管がごちゃごちゃとしており……
→取り外し
→ホースクリーニング
→取り付けて
→呼び水して、電源ON!
30分で、そこまで作業できる自信が微塵もありません。
そのため、今回はろ材をフィルターから取り出しておくことにしました。
なるべくなら、コンテナごと、あるいはろ材ネットごとバケツに入れておき、カルキ抜きした水や飼育水を入れて、さらにエアレーションをしておくといいでしょう。
みなさんには上記の方法を、わたしとしてもお勧めしたいです。
しかし、今回は少々横着をしてろ材を水に浸すのをやめ、バケツ内で〝水から上げておく〟ことにしました。
と、言いますのも、もともと硝化細菌は好気的な生き物です。そのため30分ぐらいなら……、
いえいえ、極端な乾燥や高温や低温にさらされなければ、数時間程度なら致命的なダメージを受けることはありません。
引っ越しをする際や停電時など、フィルターが回せない、エアレーションが掛けられない、水が使えない。
そんな非常時に……、いざという時に……、時に覚えていると便利な技です。
頭の片隅に置いておいても損はありません。
しかし、それでも、水に浸けエアレーションをしていた場合と比べ、大なり小なり硝化細菌はダメージを受けます。
そのため、この技を利用する時は自己責任でお願いします。
パイプを取り外す……のはやっぱり面倒?
さぁ、ここからが、パイプメンテナンスとなります。
まずは、水槽についている、全てのパイプとホースを取り外します。
吸水側はエーハイムサブフィルター2213。
ホース途中にダブルタップがあり、そこで分離せればサラリと簡単に取り外せます。
問題はエーハイムプロフェッショナル2222。
こちらには、ダブルタップではなく、給排水をまとめて操作でき取り外せる「ダブルタップユニット」が装備されています。
しかし、これがなかなかの曲者。
ホースとパワーヘッドの接続部を取り外すと……
ダブルタップユニットがお目見えします。
これが、結構な大きさがあり、水槽台のホースを貫通させる穴を通しづらいのです……。
上の穴を通すのは大変厳しい。
結局は……、このユニットをフィルターから外しただけでは水槽台から取り出せず、排水側のホースを抜くことになりました。
すぐにフィルターケースを取り出せる売りなのですが、パイプ清掃にはなかなか不向きのようです。
そんな便利機能の予想外な不便に苦戦しつつもなんとか外すと、ホースが異常に固く締め込まれていたこともあり、少し息が上がってしまいました。
後々になって気が付いたのですが……
【ダブルタップユニット機種向けホースの取り出し方】
- ダブルタップユニットを取り外す
- サイフォンが切れているのをチェック
- パイプ・ホース内の残った水をバケツに排水
- 水槽についている排水・吸水パイプを外す
- ダブルタップユニットを水槽台から引き抜くように取り出す
- つながっているホースも一緒に付いてくる!
以上の手順を踏めば、するりとホースが水槽台から取り出せます。
そんなこんな、ポカをやらかしつつ、最後は両フィルターを直列につないでいるホースを外します。これで分解作業は終了です。
清掃自体は拍子抜けするほど簡単♪
冒頭で紹介した、ホースクリーナーでスススっと清掃していきます。
今回はクリーナーのレビュー記事ではないので、細かい話は割愛したいと思います。が……、せっかく登場したので、その使い方程度は述べておきたいと思います。
【ホースクリーナーの使い方】
この例では、エーハイムの排水パイプ(12/16)を……
このホースクリーナーで清掃してきます。
このホスクリーナーは、両端に大小サイズ異なるタワシが付いているものです。
小さい方のタワシでは洗い残しもあるので、この例では、大きな方のもので、パイプを掃除していきます。
なお、ホースクリーナーには片側のみタワシが付いている物もありますので、そちらの場合も併記しておきます。
- 小さいタワシの付いている側、もしくはなにもついてない側のワイヤーをパイプの片側に入れる
- ワイヤーを押し続けて……
- 反対側のパイプの口から出す
- 出てきた小さいタワシもしくはワイヤーを引く
- すると、本命のタワシがワイヤーに引っ張られパイプに入っていく
- さらにワイヤーを引き続けると……
- 大きなるタワシがパイプ内を通過しながら汚れを落す!
- 最後にワイヤーを引いてタワシ取り出す
1回で綺麗にならなかったら、2度、3度繰り返しましょう。
綺麗になったら、最後にパイプ内に水をよく通し、完全に汚れを落として出来上がりです。
清掃自体は拍子抜けするほど簡単♪
さて、実際のパイプ掃除ですが、この作業自体、1つのパーツにつき3分もかかりません。
となると……、やはりホースの清掃作業は、「取り外し」が一番の面倒。
ここまでたどり着けば、実質半分以上終わっているというわけです。
ササッと綺麗にして、ちゃっちゃと終わらせてしまいましょう♪。
まずは、排水パイプ。
排水口が黒く汚れていましたが……
↑前
↓後
すっきりと綺麗になりました。(むむむ?)
お次は吸水パイプ。
こちらも一部真っ黒に汚れていましたが……
↑前
↓後
この通り。
エーハイムのグリーンが戻ってきました。(あらら?)
最後はホース。
清掃前は内部が濁ってよく見えないホースでしたが……
↑前
↓後
清掃後はピカリと光を反射しています(うーん??)。
……と、いろいろ書いて写真も添えてみましたが……、
せっかく清掃しても分かりづらいものですね?
ハッキリ言って遠目で見たら、汚れが全然わかりません。
ということは、その逆もまた然り。
清掃しても、あまり見た目が変わらないということです。
つまるところ……
それだけ、エーハイムが採用している緑色のパイプは、汚れが目立ちづらいというわけです。
じゃあ、なんでも緑のパイプがいいのかというと、そういうわけでもありません。
わたしのように熱心なエーハイムの信徒には、有難く感じられる〝エーハイムグリーン〟ですが、その色ゆえに良く目立ちつため、賛否両論です。
とにもかくにも、仕事や家事、育児や介護、学業や部活動などで、頻繁な清掃ができない人にはお勧めです。
それと、エーハイム社の外部フィルターに惚れてしまった人にもね♪
パイプ取り付けて電源ON!
最後は、フィルター再稼働に向けて作業をしていきます。
まずは、パイプ類を取り付けていきます。
取り付け作業自体は、取り外しと比べて、パイプ内の水を床にぶちまける危険性がなく、とってもお気楽で簡単です。
ガランドウになっていた水槽台内部も……
フィルター間をつなぐホースを取り付けて……
吸水パイプを取り付けて……
排水パイプも取り付けて……、
そして、呼び水。
今回は、ろ材を取り外した際に、フィルターケース内の水を抜いてあります。
そのようにしておくと、呼び水が行いやすいのです。
面倒でも呼び水で苦戦して、挙句の果てに飼育水をごっくんする自体になるよりかはいいでしょう。
あぁ……いつかは、エーハイムスターター……、ほしい。
最後に電源をON!
無事フィルターが動き始めました。
パイプ清掃完了! 流量はどうなって!?
最後に、流量を測定します。
まずは水面の高さを、先ほどと同じように底面から22.5cmに合わせます。
冒頭と同じ手順で流量を測定してみます。
結果、7秒で500mL。
なんと計算すると257.4L/h。
パイプ清掃する前は180L/hでしたから、流量が1.4倍も上がったということになります。
逆に言えば、パイプを掃除しないとせっかくの流量も7割程度に落ちてしまうと言うワケです。
写真で清掃前後を比べると……
↑前
↓後
まるで水の勢いが違います!!
ですから、水流が低下した際疑うべきは、ろ材の詰まりもありますが、パイプの汚れによるところも大きいということになります。
パイプはろ過細菌の本住まいではありません。なるべく頻繁に清掃をしたいところです。
が……、掃除をしてもまたすぐに汚れてしまい、流量もジワジワと落ちてきてしまうことが多いのもまた事実。
ろ材の清掃を比べて、労力が報われたと感じづらい作業でもあります。
それでも、ガラスパイプを利用して汚れがすぐに景観の悪化につながる水槽や、飼育匹数がフィルターの限界ギリギリな環境では、なるべく頻繁にパイプ清掃をお勧めしたいと思います。
きれい or 汚い
という観点もありますが、フィルターは魚が元気よく生きていくための、文字通りの生命線。
これから訪れる夏休み、愛魚のために水槽の大掃除に組み込んではいかがでしょうか?
というわけで、今回の話はここまで。
なお、このあと我が家では黒ヒゲ苔が大繁殖した模様です……。
水草とプレコ。両者のご機嫌をとるのはなかなか難しいようです。
0 件のコメント:
コメントを投稿