ヒーターについて考えてみる
どんどん気温も下がり、真冬らしくなってきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
どうも、こんにちは。ごん太です。
さて、前回は水草の機器のお話。
CO2カウンターのジレンマを絡めつつ、レビューをしてみました。そして今回は、水槽のヒーターのお話。
つい最近、数年ぶりにヒーター交換をしました。
そこで今回は……、
「ヒーターどれ選べばいいのっ!?」
ということでお困りの初心者さんに向けて、その時の考察を元にアレコレと述べていきたいと思います。
なお、本文にて白点病について触れますが、当方獣医師ではございません。質問に対する返答は差し控えさせていただいております。あしからず。
また、魚の病気については、人間、畜産、ペットなどと違い、専門的な知識と経験をもち誰でも相談できる「有資格者」が圧倒的に少く、おいそれと巡り合えないのが現状です。
魚の治療・看病の際は多角的に情報を収集し、必ずご自身の責任のもとで行ってください。
我が家のヒーター交換経緯
まず、冒頭にて述べておきます。本来ならヒーターは毎年変えるべき物。
しかし、ここ数年とある悩みがありなかなか交換できずにいたのです。
そう! サーモスタットを辞めるべきか 続けるべきか? な問題。
――いやいや、サーモスタット持ってるなら専用ヒーターを交換していればいいじゃないの……。という話に必ずなるとは思います。
それでも買い替えできなかったのは、実はここ2.3年、オートヒーターのスッキリ感に強く惹かれ、両者の間で心揺れ動き身動き取れなかったからです。
何かと初心者向けと、言われがちなオートヒーター。もちろん10数年以上前はごん太も初心者。最初期はテトラのオートヒーターを愛用していました。その長い飼育歴の中で、白点病に悩まされたこともあれば、プレコを28℃で飼育して調子が良すぎ! なんて噂に心を動かされることもあり、ふと気が付けばサーモスタット+専用ヒーターを手にしていました。
購入当時を思い返すと、
これさえれば白点病もへっちゃら!!
などと、喜び勇んでスキップして帰宅したかどうかは、10年以上前の話。記憶が定かではありません。それでも、取り付け前には幾度となく水温調節ダイヤルをグルグル。高めのテンションで楽しい妄想を広げては、アクアリウムの腕がさらに上がった妙な錯覚があったこと覚えています。
高揚感とは裏腹に、慎重に26℃ぴったりで設定。飼育に適した水温から大きく外すことなど、魚のことを考えればできるわけがありません。水槽台内に取り付けたフックにサーモスタットをひっかけ、両僕の後ろに隠れるようにヒーターを配置。そして最後に電源ON!
その時から、我が家の水槽に鎮座することになったのです。
そして、あれから数十年。
次第に埃をかぶり、いつのまにかダイヤルは渋く……。すっかり水温調節のことは忘れ去られ。今はほぼ目盛りが動くことのない我が家のサーモスタットと専用ヒーター。
改めてこの珍妙な状況に気が付いたのです。
これならオートヒーターでいいのではないか?
と。
しかし、「憧れ」で購入した物。簡単には手放せません。
……そんなことを毎冬悶々と悩み続け、ついに3年も経ってしまいました。
ゆれる「サーモスタット+専用ヒーター」の利点
このように言う人もいるかもしれません
サーモスタット+専用ヒーターって、オートヒーターの上位互換でしょ? わざわざ機能を下げなくてもいいんじゃない?
たしかに、水温は可変、ヒーター単体が故障しても交換可。オートヒーターではこれができません。
それでも、今まで述べたように水温のダイヤルを十年不動。そもそも現状我が家の水槽で、温度を変えられるのが果たしてメリットなのか? わたしは自問自答するようになりました。
でも、ランニングコストを比較しても、サーモスタット+専用ヒーターの方がお安いんでしょ?
たしかにそうです。
ここで、エヴァリス社の60cm水槽用ヒーターに絞って、各ラインナップの値段関係を見てみましょう。
エヴァリス マクロセーフパワーヒーター CVL150(サーモスタット専用ヒーター)
→¥1,873円
エヴァリス EVサーモスタット 300-RD(サーモスタット単品)
→¥4,151円
エヴァリス マイクロセーフパワーヒータープラスNX 150 ヒーターサーモ分離型(セット品)
→¥5,390
エヴァリス プリセットオートヒーター AR150W(オートヒーター)
→¥2,607
エヴァリス オートヒーター ダイヤルブリッジ R150AF(温度可変式オートヒーター)
→¥4,886
(2023年1月某日のチャームでの販売価格)
ずらずらと記しましたが、サーモスタット用専用ヒーターは上から1段目、オートヒーターは4段目となります。
その差額734円。約ラーメン一杯です。
大人にはそれほど気にならない金額ですが、生徒さん、学生さんには大きな額。
しかし、忘れてならないのはサーモスタットのイニシャルコスト(購入費)。
専門メーカー製の物はセットで購入しても4,000円近く、割引が利いているセット品でも5,000円、下記のような安価なものでさえ2,000円もします。結果、サーモスタットと専用ヒーター方式は、元を取るまでには数年かかるのです。
(上の画像はあくまで1つの例)
※
なお、エヴァリスの場合は温度可変式ヒーターよりもサーモスタットと専用ヒーターのセットで購入したほうが明らかにお得ですが、メーカーによっては下記のようにオートヒーターほぼ同額の物まであります。
(Ex)
テトラ ミニヒーター コントロール 150W(温度可変式オートヒーター)
→¥2,761
テトラ 26℃セットヒーターJ 150W オートヒーター
→¥2,761
(2023年1月某日のチャームでの販売価格)
水槽用ヒーターの価格設定は、ピンからキリまであり魔境ともいえる状況を作り出しています。
話を戻しまして金額外にも、サーモスタット+専用ヒーターの組み合わせには気になる点もいろいろとあります。
まず、ダイヤルの付いている箱の取り付け場所を確保しなければなりません。また、水温変えられるためにセンサーやらコードやらで、気を付けないと水槽が雑多な感じになります。
取り付け箇所を間違えば水景は台無し、さらに、水槽内でコード類は黒ヒゲが好む箇所でもあるので掃除する手間も増えます。
果たしてこれでいいのだろうか?
いつかはサーモスタット!
いやー、サーモスタット最高!
憧れから自然に溢れ出た、みずからの妄想に騙されていないだろうか……と。
そう考えるうちに、自身のいままでの価値観に疑念の目が向けられるように。
考え直す良い機会でしたので、その時考えたことをブログで記してみることにしました。ヒーター選びでお悩みの初心者さんのお力添えになれば幸いです。
ヒーターの各種の利点・欠点
このパートではオートヒーター、サーモスタット+サーモスタット用ヒーター、温度可変式ヒーター、それぞれについて説明していきたいと思います。
実はベテランさん向け? オートヒーター(温度固定式)
何はともあれ、まずはオートヒーター。
ヒーター本体にセンサーがついており、設定水温は変えられません。26℃って言ったら26℃なんだもんね! と頑固な子です。
逆に言えば、水温を決めるダイヤルや、サーモスタット、さらにはそこから伸びたセンサーなど、野暮ったい物は極力存在しないのです。
つまり、センサー内蔵でコードスッキリ! というわけです。 しかもお値段もお手頃。
煩わしい操作はなく、わざわざダイヤルの取り付け場所の確保も不要。配線ごちゃごちゃ地獄は生まれずに、スタイリッシュに水槽を彩れるのです。
そのため、実はオシャレできる子。
さて、そのような特徴があるオートヒーターです。とりわけ価格と扱いやすさから初心者さんが手に取る機会も多いと思われます。
たしかに、一通り道具を揃えるだけならこれで十分。
しかし、水温を変えられないという点を憂慮すると、ある程度アクアリウムに慣れた人向け。もしくは、立ち上げて半年以上経過したこなれた水槽向けなような気がします。つまり、機能的にはベテランさん向けな道具。
初心者さんは、第一に白点病の対応を考えるべきで、後述2つのどちらかがお勧めです。
長く続ける確信があるならサーモスタット+専用ヒーター
わたしの憧れ(だった物)。
サーモスタット+専用ヒーターは、温度を感知し電気を流す制御役割を持つサーモスタットと、それ専用のヒーターを組み合わせて使います。
その接続は、上の図のようにヒーターのプラグをサーモスタットのコネクタに取り付けて利用します。
さて、これらは、セットでも個別でも購入可能。結果、もし片方が故障しても、その箇所のみ交換できるのです。もちろん、毎年の交換もヒーターのみ可。結果、中~長期間の累計交換コストはオートヒーターよりも安く済みます。さらに、サーモスタットを利用しているので水温を変更可能。
ここまでの話をまとめると……
・故障時には、その箇所のみ交換可能。
・中~長期の交換コストは安い。
・水温変更可能。
と、良いこと尽くめ。一度はサーモスタットと誰しも憧れます。
その欠点は……冒頭パートで散々述べた通り。
深呼吸してよくよく考えると、今のわたしには明らかにオーバースペック。
(次パートへと続く……)
【番外】白点病対処にはやはりサーモスタット+専用ヒーターが鉄板か?
さて、サーモスタット+専用ヒーターの特徴は、何と言っても水温が変えられること。これこそ白点病を治療するうえでの、大きなメリットとなっています。
簡単に結論を言いますが、
白点病の病原体は高水温が苦手。さらに水温が高いほど薬が効きやすくなるからです。
そもそもこの病気は、水温や水質が不安定かつ、魚が新しい環境に慣れてないほどよく罹患します。孤立無援で水槽を立ち上げすることになる初心者さんほど、蔓延しやすい傾向にあるのです。そのため、水温が変えられるこのヒーターは、初心者さんにお勧め!
しかし、それは昔の話になりつつあります。
気になるのは「価格」というそびえたつハードル。
サーモスタットと専用ヒーターで水槽1つ分の値段となります。水槽・フィルター・ろ材・ヒーター、ライト、CO2器具、生体・水草・薬剤・肥料・etc、etc、etc……
水槽設置のために、各種物品を購入したばかりの初心者さんには、ヒーターに4,000円、5,000円をポンと出すには難しい金額かもしれません。
そのため、温度可変式ヒーターこそが、初心者さんにはよりお勧め。
毎年の交換費用は高くなりやすいですが、初期投資がサーモスタット+専用ヒーターと比べ安価なのがその理由です。
なお、初期の病気ラッシュともいえる状況を乗り越えた水槽では、白点病を見る機会は極めて少なくなります。そのため水温を変更する機会も少なくなります。
結果、高水温や低水温飼育する魚種や、頻繁に薬浴する機会がある飼育スタイル、さらには好みのメーカがある場合や、そしてなにより挫折なく1年間以上続けるという信念がないと、その機能を有効に活用し、「元をとる」のは難しいかもしれません。
初心者さんにはコレ! 温度可変式ヒーター
最後は温度可変式となります。
こちらは、サーモスタットとヒーターがコードで直結しているタイプ。
当然、サーモスタットが付いているので温度を変えられ、さらに温度センサーはヒーターについているので、配線がごちゃごちゃしない。この2つが大きな利点です。
また、サーモスタット+専用ヒーターのセットと比べて、イニシャルコストが安いのも利点。
また比較的近年登場した方式ですが、廉価な物もありその動向は見逃せません。
例えば、ヒーター専門メーカーたるエヴァリス製の物は、いまだサーモスタット+専用ヒーターとほぼ値段が変わりません。
対して、テトラ社やGEX社製の物は随分と購入しやすい価格となっています。とりわけ、冒頭で記したようにテトラ製の物はオートヒーターと値段が変わらない物も。
その値段なら、予備用として1台確保しておいてもお財布は痛みませんよね?
当然、気になる点もいくつかあります。
まず、選べる機種が少ないこと。
次いで、万が一どちらかが故障した場合は、直につながっているため故障個所のみの交換ができないこと。
さらには毎年の買い替えも、丸ごとになるので交換費用が高くなりやすいこと
以上3点です。
それでも、白点病に掛かりやすい期間は導入時1~2カ月であることを考えれば、初心者さんこそ利用してほしい方式。
この病気が蔓延しやすく、愛魚の喪失から挫折しやすい最初期を、少ない初期投資で十分な機能を持ったヒーターで迎えられる。これがとにかく大切です。
オートヒーターでは力不足、サーモスタット+専用ヒーターでは過大投資。
利用期間、機能、コスト、この3点がとても現実的。
まさしくこれから水槽を始める人向けな設定なっています。
気になる交換費用も、実はそれほどかさみません。
と言いますのも、ヒーターの交換は1年おきがベスト。
最初の一年はよほど好きなメーカーがない限り、テトラ製やGEX製などの安価な水温可変式のヒーターを利用しましょう。
そして、水が落ち着いてきて、白濁や泡立ち、油膜や白点病などのトラブルが治まった立ち上げから1年後、ヒーター交換のタイミングを迎えます。そこで、改めてサーモスタット+専用ヒーターなり、オートヒーターなりの好みの方式のヒーターを購入しましょう。それまでに、水槽導入で疲弊したお魚やお財布も元気を取り戻し、きっと自分なりの飼育スタイルが確立しているはずです。長くどっぷりと向かい合う予定なら、サーモスタット+専用ヒーターがいいでしょう。よりライトにお世話をしたいのならオートヒーターを選ぶべきかもしれません。
なお、白点病の危険性が低くなった水槽では、交換コストの高くなりやすい温度可変式ヒーターを無理して交換して使い続ける状況は【それほど】ありません。好みの方式や好みのメーカーなどでこだわることもありますが、交換のタイミングで飼育状況に合わせて再度考えてみましょう。
カバー ありなし どうする問題。……は昔の話となりつつある
昔はカバー付きヒーターがいまほど主流ではありませんでした。カバーは利用したい人が別途購入。そんな時代だったのです。
白いボディは剥き出しのセラミック。これを水替え中に、電源付きっぱなしのヒーターを出したままうっかり放置。水槽へ設置し直すためそれを触れてしまい、手がジュッっ!
ヒーターもヒューズが飛んで再起不能。まるで悪夢のようなダブルパンチ。一度なら誰しも通る道でした。
「魚が火傷? いやいや、カバーがなくても通電して周囲の水温が上がり始めれば、まわりでたむろしていた魚たちはサッと逃げて行くでしょう?」
……と考えるのが当時は主流派(もしかしたら現在かもしれませんが)。
それでも、気にしておきたいのは底物だと言われていました。
とりわけプレコやポリプテルスは通電していないヒーターを流木の代わりにして陣取り、お昼寝する子が多い印象。現に、その当時飼育していたグリーンロイヤルプレコのお腹や、プラチナロイヤルのムネが火傷し、白い傷ができてしまったこともあります。
その子たちのお話は、記せばとても長くなるので簡単に述べておきますが、自己責任でとある魚病薬を塗りつけ、しばらく薬浴したおかげで無事完治。ほっと胸をなでおろしたことを覚えています。
長い飼育経験の中で火傷が起きたのはそのプレコニ匹のみ。 ポリプテルス達で火傷をした子は皆無。
それでもヒーターがONになった瞬間、ニョロニョロ!っと大慌てで逃げ出す光景を数度も見ています。
保険的な意味合いを込めて、愛魚を火傷させないためにも有った方がいいのでしょう。
なお、実は、おっちょこちょいな人間のためにカバーがあるのでは……? と、勘ぐっています。
テーブルの上にあるアツアツになったヒーターをうっかり握りしめ、しばらく手をヒリヒリさせた経験のある人は、断然カバーあり一択です。(わたしだけかもしれませんが。)
とは言え、話を根底から覆してしまいますが、
近年のヒーターは、最初からカバーが掛かっている物がほとんどです!!
そもそも、カバーを付けるか? 付けないか? これで悩む時代ではないのかもしれませんね。
白点病の生活環とヒーターの設定水温を上げる理由
散々、白点病の対策! 白点病の治療! と連呼してきましたので、ここでは改めて白点病について、お話ししていきたいと思います。
なお、以下で述べる「白点病」は淡水性白点病(イクチオフチリウス症)を指します。
白点病はハクテンチュウ(Ichthyophthirius multifiliis)によって引き起こされる病気です。
魚の体に白い粒々が付いてるように見えるそれは、ホロントと呼ばれるハクテンチュウが寄生している姿。これが十分に栄養を吸い成長すると剥離しシストという休眠状態になります。いわば水草で言うところのタネの状態。環境の悪化に強く、このようにするのは生き残るための選択だと考えられています。
そのシストは内部で子供を増殖し続け、やがて遊走子を放出します。これが魚体の表皮に寄生。再び魚体の白い点々、つまりホロントとなるのです。
このように、
ホロント→シスト→遊走子→ホロント→シスト→遊走子→ホロント……
と、グルグルと和のように姿を変えつつ生長していくので、このような様相を生活環と言います。
その中で、白点病に薬が効くタイミングは2回。遊走子の状態と、魚体から離れてシストになるまでです。
つまり、魚体についている時(ホロント)と休眠状態(シスト)の時には、いくら薬浴しても効果はありません。
それ以外の薬効ある時期のハクテンチュウは目で見えないほど小さく、この期間のみ見計らっての個別薬浴で狙い打つのは困難。そのため、水槽まるごと2~3週間薬浴することになります。闘病が長期間になりやすく、白い点もなかなか消えづらい。「魚の風邪」とは名ばかりで、忍耐を要する病です。
そんな、頑固な白点病の治療ですが、押さえておきたいポイントがあります。
水温です。
一般的に25℃以下の水温で発病しやすく、さらにハクテンチュウの世代交代は水温が上がるほどに早くなるとも言われています。
この特徴から考えられることが2点。
まず1つは、水温を上げれば白点病の発病を抑えられること。
そしてもう1つは、水温を上げればハクテンチュウの薬の利く機会が増えることです。
結果、水温を28℃にして、マラカイトグリーンなどの白点病治療薬で薬浴することになります。
これこそが水温を変えられるヒーターを、頑なに初心者さんへ進めてきた理由となります。
ただし、白点病と水温の関係については、未だ解明されていない部分も多いようで、常にその解釈が変わりつつあるのが現状。
昨今では、前者(高水温により増殖しないという)という点に重きを置かれ、後者(世代交代が早くなるので薬効のあるタイミングが増える)は話題にも上がらないようです。
どちらにせよ、高水温に薬品。白点病も退治できますが魚や生物ろ過へのダメ―ジもあります。
白点病は、ハクテンチュウが増えないうちに、魚の体力があるうち……。早めの発見、早めの治療が大切です。
そのためにも、とりわけ始めたばかりのアクアリウムでは、楽しむ癒されるばかりでなく、1日に1回は愛魚の体調を観察しましょう。
初心者さんはどれを買うべき?
散々述べてきましたので、こちらは簡単に記しておきたいと思います。
器具の揃えやすさを考えるならオートヒーターです。値段も安く、設置もコンセントにつないで水槽にいれるだけ。
しかし残念ながら機能的に、水温を26℃→28℃に変更できないため、白点病でつまずく可能性が大。
初心者さんが必ず通るであろう、この難関の対処を考えるなら、
サーモスタット+専用ヒーターもしくは温度可変式ヒーターがお勧めです。
当時、白点病を患っていた子を思い返せば、その胸中はまさしく藁をすがる思い。
みなさんも、お迎えした子を数日で亡くし、空虚になった水槽をイメージしてみてください。
これほど心に突き刺さる物はありません。十分に挫折のポイントになり得ます。
そして、ヒーターはそれを防ぐ手立てとなります。もちろん、サーモスタット+専用ヒーターでもいいでしょう。ですが、白点病に掛かりやすいのは、水槽設置からどう長くても半年まで。
ならば、安価な温度可変式ヒータを購入し、余ったお金でマラカイトグリーン系の薬を前もって入手しておくのが正解のように思えてなりません。
そして、アクアリウムを続け、無事1年後のヒーターを交換するタイミングを迎えられたら、好みの方式に変えればいいのではないでしょうか?
極最初期は何かと失敗もあります。100%の成功を手にできる人など、ほとんどいないと考えて結構です。それが生き物相手の趣味の難しさでもあり、子育てに通ずるところです。そのため、第一に愛魚の健康を念頭に置くべきでしょう。
そうは言っても……ね? 好みってあるじゃない?
アクアリウムは魚を飼育する趣味です。それでも、道具への強い執着が生まれる、罪作りな側面も。「こだわり」です。
外部フィルターならエーハイム、上部フィルターならGEX、ライトならADA、スクレーパーならFlex、水槽ならニッソー。時代の流れ変化しますが、ブランドイメージや機能性、コストパフォーマンスや安心感など、何かしらの納得できる理由により、ある特定の会社の器具を好むようになることが、この趣味では始終あることです。
それは、魚の命を扱う道具への高い理想と鋭い観察眼。さらには人工物ゆえの「当たりはずれ」。この2つが拍車をかけるように思えてなりません。
例えば、ヒーターと言えば……エヴァリス!!
これは、あくまでもわたしの場合ですが、多少お値段が高くても故障した経験が少なく、安心感があるからです。
みなさんも、「この器具ならこの会社!」という物がきっとあるはずだと思います。
当記事の中では温度可変式ヒーターをお勧めしてきましたが、もしそういった強い好みがあるのなら、魚のことを最優先にしつつにコストや希望を合理的に考えるべきかもしれません。
例えばエヴァリス製のヒーターが好みなら¥4,800する可変式ヒーターより、後先考えて¥5,300円するサーモスタットと専用ヒーターのセットを購入するべきでしょう。
また、テトラ製を好くのなら、オートヒーターと可変式ヒーターでは値段の差がないので、後者の方がお得です。
このように、自分のこだわりを実現するために、いろいろ情報を探りつつ、物品購入へと至る過程に時間を費やすのも、アクアリウムの楽しみ方の1つ。
みなさんも、気になっているメーカーや、商品があれば是非とことん調べてみてください。
アクア沼、みんなでハマれば怖くない!
熱帯魚歴10年以上のごん太はどれを買った?
わたしが数年考え抜いて購入した物は、オートヒーターでした。
昔を思い返すと、わたしが初心者だったときは、温度可変式ヒーターなんてありません。
オートヒーターかサーモスタット+専用ヒーターの二択でした。
当時はわたしも初心者さんで、迎えした子がさっそく白点病を発症。タイミングが悪く特効薬ともいえるマラカイトグリーンが一時店舗から消えた時期で、近所の観賞魚を置いてあるペットショップにあるはずもなく……。
わざわざ特急に乗り、朝早くから近隣の都市の大規模店を巡り回り。売れ残っているマラカイトグリーンを夕方に探し出し、晩御飯抜きで薬浴の準備をしたものです。
それから十数年。
白点病なんて久しく見ていません。もちろん、サーモスタットも触ってない。下手したら水温のダイヤルも。これが2、3年ではありません。干支一回りです。
触ってないなら不要なはず。
そう、心が決まりかけた時にトドメとばかりに、泊まりに来た親戚の子がCO2のスピードコントローラーを一心不乱にいじくりまわしていた悪夢の光景を思い出します。
目の前で起きたほぼ重大事故とも言える事態。素早く対処でき事なきを得ましたが、やはり色々考えると危なっかしい。
機械があったら触りたい。
ボタンがあったら押したいし、取っ手があったら引っ張りたい。
当然、ダイヤルがあったら回したい。
幼児だから? いえいえ全ての人間のサガですよね。
それがあるからこそ、人類の今の繁栄があると思うのです。
事が起きる前にオートヒーターにすることにしました。
というわけで、ヒーターの話はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
0 件のコメント:
コメントを投稿