水槽の夏対策の第一歩は水温計から
楽しみにしていた花見も終わり、もうすでにゴールデンウイークが待ち遠しい今日この頃。いかがお過ごしでしょうか?
どうもこんにちは、ごん太です。
さて今回は、これから迎えることになる初夏、梅雨、そして真夏。熱帯魚でも水温が厳しい季節に是非準備しておきたい、夏対策の基本のキ。
ニチドウのデジタル水温計、【マルチ水温計CT】のレビューをしていきたいと思います。
さて、↓こちらは旧製品のニチドウ マルチ水温計。
購入してから7年経過しようとしています。一度も故障することなく今日も静かに水温を指し示してくれています。
しかし、ひょんなことから、この旧製品を自費で「マルチ水温計CT」に交換することになりました。レビューの前にまずは、話の経緯を述べていきたいと思います。
水温計の玉突き人事?
さて、今回交換する予定の水温計はこちらになります。
ガラスでできた昔ながらのスタイル。金属フレームで覆われており、アクアリウム用の物とは少し異なる風貌を有しています。
実はこちら、わたしが釣りで使っている物なのです。
このような液体柱を用いた水温の欠点は、反応が遅いこと。
釣り場についたら、まずはこれを川へ投げ込み、竿を出して仕掛けを取付け。さらにランディングネットやらリリーサー、そしてハサミなどの道具を身に付けて……。最後に水温計を回収して温度をチェックするのが、釣り初心者なわたしのルーティンです。
そして、ここまでに優に10分は掛かります。
しかし、それでも測定までの時間が足らないようで……、一目で正しい水温を示していないことが数回。
水温計を待っていては、みすみす朝マズメ・夕マズメといったチャンスを逃すことになりかねません。
そこで目を付けたのが我が家で現在利用中のニチドウマルチ水温計(旧製品)。
たしかに、測定し終えるまで数分かかることもありますが、アナログと比べたら天と地と程の時間差。抜けた穴には、新しく購入したマルチ水温計CTを迎えることになったワケです。
※
なお、今回紹介のニチドウマルチ水温計およびマルチ水温計CTは、屋内専用となっております。アウトドアで利用する際は必ず自己の責任の元で利用してください。
製品紹介
さて、ここからはサイズや機能の紹介をしてきます。
サイズ
何はともあれ、まずは本体のサイズ。
【本体サイズ】
- 縦3.8cm×横5.7cm×厚さ1.3cm
- コード長 100cm
と、デジタル水温計にしてはほどよき大きさ。そのグレーのボディには、約半分を埋めるように液晶が配されています。
ディスプレイのサイズは……
【液晶サイズ】
- 縦2.1cm×横4.9cm
表示される文字も大きく、遠くからでも水温を一目で把握できるのは、なかなかGOOD。
次いで水温センサ―。
上でも記した通り、コード長は100cm。
水槽の深さや幅によっては、右奥にセンサーを配し→左手前に本体を設置・水温表示などのような取り回しは、やや厳しいと言えるでしょう。
また、水温センサーは付属のキスゴムで、水槽壁面に固定する仕様になっています。
その質感はやや硬め。
旧モデルもそうでしたが、おそらくは数年単位での吸着力は期待できないでしょう。
適宜エアチューブ用のものと交換することをおすすめします。
2つ機能と2つのボタン
お次は、機能とボタンについて。
このニチドウ マルチ水温計CTには水温を表示する他に、2つの機能が付いています。
1つは、コードについている水温センサー(IN)と本体内蔵のセンサー(OUT)での測定切り替え機能。
そして、もう1つは、最高・最低温度(MAX/MIN)の記録機能です。
その表示切替のために、2つのボタン(IN/OUTボタン、MAX/MINボタン)が液晶の下に配されています。
まずは、IN/OUTの測定切替えについて。
すでに文中で何度か触れていますが、この水温計には水温センサーがついており、それを水槽の中に沈めて利用します。水温センサーの測定値=水温を常時表示するのはアクアリストなら当然のことですね? なお、こちらのモードは、水中で測定するために(IN)と表記されています。
それでは、本体内蔵のセンサー(OUT)は?
こちらは、読んで字のごとく本体についているセンサーで、本体周囲の温度=気温(室温)を示すことになります。水槽外だから(OUT)ということなのでしょう。
ということで……
この水温計1台で水温と気温がわかるというワケなのです。
例えば、
室内クーラー使用時かつ水槽用冷却ファン稼働時に、水温が下げ幅がどれぐらいのあるのだろうか?
なんてことが実測値で把握できたりします。
もう1つの機能は、最高・最低温度(MAX/MIN)の記録と表示です。
こちらは、水温センサー(IN)と本体内蔵センサー(OUT)の双方に対応しています。
そのため、
水温センサーの現在の水温、最高水温、最低水温。
さらには、本体内蔵センサーの現在の気温、最低気温、最低気温。
計6種のデータを測定することができるのです!
……と、息まいてここまでキーボードを叩いたところで、レビューに片足を突っ込みつつあることに気が付きました!
さらに詳しくは、次章↓で述べていきたいと思います。
レビュー
ここから先は、レビューとなります。
なお、今回も【自腹】での購入となります。
なるべく、公平中立なレビューをするように心がけますが、基本的に私物のため愛着があります。そのため、鋭い刀でブッた切るようなことはいたしません。悪しからず。
最高水温がわかる!
これから始まる五月晴れ。
カラっとした空気。夏至間近で長時間屋根を加熱し続ける太陽。
ゴールデンウイークが終わると、最高気温は水槽の水温に近い27℃付近になることもあれば、それを通り越して一気に30℃まで上昇し真夏日になることもあります。
しかし、それでいて最低気温は15℃付近であることも多く、朝夕の通勤・帰宅時のみ外にでて、日中をオフィスで仕事をしている人には、今日の暑さはどれほどのものだったのか把握しづらいことがあります。
具体的には……
日中、水温が日中何℃まで上るのか?
冷却ファンが回る温度まで達する?
もしファンが回ったとして何度でまで?
という疑問が、いえ不安が、初夏にはよく生まれます。
しかし……
カラっとした陽気は夕方を迎えるとスッと消えるため、それ以降に帰ってくるあなたにとってすべてが後の祭り。
物言わぬ魚たちは、今日どれほどの高水温になったのかと語ろうとはしません。
結果として水温対策が遅れることになります。
この文章を書いている日(2023/4/16)にはさっそく夏日(最高気温25℃以上)となりました。わたし個人として水槽の夏対策は5月頃に始めるべきと考えていますが……、
そんな夏対策のタイミングはさておき……
この水温計なら、あなたがいない時間帯で迎えた水温の異常もしっかりと記憶しておいてくれます。
水温対策の必要性や効果を、目に見える形として残してくれるのです。
となれば、アクアリストに残さられた選択肢は、ほどよきタイミングで効果のある夏対策をするのみ。
日中の水温が高すぎる!
→ファンをさらにもう1つ追加しよう!!
水温が急上昇する時間がある!
→エアレーションもタイマーで制御しよう!!
そのような対策が取りやすくなるのです。これこそ最大の利点。
もし、水温に対して適切に対策ができたとすれば、慌てて帰宅して水温計を覗き込むことはおろか、もう天気予報の最高気温と最低気温で、ドギマギすることはなくなるでしょう。
気温もわかる! つまりは!?
気温がわかっても意味なくない?
いえ、とっても意味があります!
なぜなら、日光が直撃して水槽が灼熱地獄になるパターンを除けば、気温・室温の影響を受けて水温が上がってしまうことがほとんどだからです。双方には切っても切れない関係があるのです。
この点を押さえ、水槽の水温と室温がどのような関係にあるのかよく理解しておくことが夏の水温過上昇対策にはとても大切。
そして、この水温計なら水温気温双方の、最低と最高が記録できます。
つまりは、水温と気温の相関関係が、よりつかみやすくなるワケです。
毎日それらを眺めていれば……
明日の最高気温は35度!
それならば室温はきっと32度まであがるはず。冷却ファンでは間に合わないから朝からクーラーを前もってつけて出かけよう!
と言う対策法も取れますし……
ゴールデンウイーク前に、季節外れの「夏日」が予報されていた。
この部屋は西日が差し込み最高気温より水温がさらに上昇するはず。午後2時~5時の間だけクーラーをタイマーで使おう!
このように、経験をもとにした予測から、水温対策を打てるようになります。
そのため、クーラの設定温度を不必要に低温にせずに済み、省エネ・電気代節約に繋げられるのはもちろんのこと。襲い掛かる高水温の魔の手から、より安全に魚やエビ、さらには水草を守れる! というわけで……
水温と気温の把握は、アクアリウムの夏対策の基本のファーストステップだと言えるでしょう。
真冬でも!!
水槽にはヒーターがあるため、夏に比べれば冬の低水温は御しやすいです。
しかし、真冬の最低気温は、寝ていることの多い深夜(午前2時)から早朝(午前5時)にかけて記録されるもの。そのため、もしヒーターがパワー不足で、水温が25℃を超えて低下し続けても、気が付きづらく対処も遅くなりがちです。
その点、この水温計なら、最低水温と最低気温も記録してくれますので、ヒーターの故障やパワー不足に気づきやすくなるでしょう。
最高と最低、気温と水温を同時に表示できたらイイのに!!
というわけで、ほめちぎって来たわけですが、ここからは少々気になる点をいくつか述べて行きたいと思います。
いままで紹介したように、この水温計の特徴と利点は、
- 水温と気温を表示できる
- それぞれの最高値と最低値を記録できる
この2点です。
これは、今まで散々記してきた通りです。
問題は、それらを表示させるのに、いちいちボタンを押さないといけない点です。
……正直言いまして、旧製品を7年愛用してきたわたしですら、毎日ボタンをポチポチおして確認するのは億劫。よほどの猛暑日、もしくは寒波が到来した時にしか確認をしません。
とはいえ、今まで懇々と述べてきた通り、それらの情報は水槽を維持するには、とても大切なことであることは重々承知です。
となれば……、
せめて、ボタンを押さなくても、液晶の隅っこなどに最高値と最低値が常時表示されたらなぁ……
と、この場を借りて意見を表明せざるをえません。
機能的には100点満点。しかし、残念ですが、ユーザービリティに配慮がやや欠ける印象が否めません。わたしが、そんな風に思うのは、スマホにより近年普及したカラーで大画面なタッチパネルに、影響を受けすぎたからなのかもしれませんが……。
水温計として見ればややお値段がはるが……
そのお値段は約1200円也。
水槽用アナログ水温計の相場は、200円~600円程度。
水温計としてはややお値段のはる値段設定となっています。
しかし、デジタル式で外部センサーが付き、最高値と最低値がわかるものは水温計の相場は、おおよそ800~1400円程度。
それら、他社同機能の機種と比べれば、ニチドウ マルチ水温計CTはごくごく平均的なお値段です。
たしかに、裏面にはmade in chainaと刻印がありますが、そこはなんだかんだ言っても日本のメーカー製。
わたしが7年愛用した旧モデルのように、そうそう壊れることはなさそうです。
もちろん、エアレーションの水しぶきが直撃する場所に設置したり、取付場所からストンと落下させたりしなければ……という話ではありますが。
まとめ:夏対策の基本は正しく水温を把握すること
自分が不在の自宅で何が起きているのか?
わたしが子どものころなら……、
そんなコト知ってどうするの?
家に心配や不安があっても、この一言で片づけられた時代があったワケです。
しかし、ITの発展とライブカメラの登場により、
自分がいない時間帯の出来事に、積極的に注意を向けやすい時代となりました。
ならば、水温もしかり。
と、言いますのも夏場の高水温こそ、アクアリストの大問題。
今年の夏も、GWで始めたばかりの多くの初心者アクアリストさんが、奈落へと突き落とされることでしょう。そうならないための、水槽の夏対策。
繰り返しますが、その基本は、正しく水温を把握することです。
このニチドウ マルチ水温計CTなら、厳しい夏を乗り越えるガイドとなってくれるでしょう。
夏場対策の基本的な方針を固めたい初心者さんはもちろん、繊細な魚種や高水温に弱い水草を愛してやまないベテランアクアリストさん、さらには引っ越したばかりで夏場の室温の変化を追い切れていない時にまで……、幅広くおすすめな水温計となっています。
というわけで、今回の話はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。
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