山あいの里で垣間見たあの水景を目指して
七夕も終わり、子供たちが夏休みの計画に夢を見る季節となりました。
どうも、こんにちは。ごん太です。
先日、早朝に里川でヤマメ釣りをする機会に恵まれました。
朝霧にウグイスの鳴き声に囲まれた水辺。川虫を捕ろうと足元を覗けば、朝焼けの紫に包まれサワサワとなびく水草たち。しばし竿を振るのを止めて見入ってしまいました。
さて、自粛ムードは徐々に薄まりつつあり、抑圧されていた物欲も解放気味な今日。なにか新しいことがしたい! という気持ちが自然に生まれても我慢で先送りする日々は、少しずつですが終焉を迎えつつあります。
わたしは……といいますと、何をするにも家に帰ってからもあの水景が焼き付いたまま。このまま瞼の裏で反芻するように何度も楽しんでもいいのですが、せっかくですので我が家の水辺にインスピレーションを投影したいところ。
そこで、完全再現は無理にしても、水槽の雰囲気を寄せてみることにしてみました。
というわけで……
今回は山あいの小さな里で目にした水景を目指す第一歩として、通販で水草をお迎えした、アクアリストの【とある日】を紹介していきたいと思います。
導入する水草たちの紹介
とりあえず育つかどうか試してみることに
夏の風でゆらゆらとざわめく稲の葉のように、水の流れに身を細長い草姿を持つ水草たち。それが渓流でわたしが見た水景です。となれば、お迎えする子は限られてきます。
が、そうはいっても、現在実に様々な種類の水草が流通しています。サイズ感や葉の大きさなどというように水槽への収まり具合や見え方から始まり、CO2濃度や硬度といったいわゆる水質の条件もまちまち。
カタログスペックを鵜呑みにすと失敗することもありますので、
心が痛みますが実際に植えてみることにしました。
というわけで、いくつかの水草を毎度おなじみチャームで【自腹】で購入&育成してみることにしました。
セキショウモをお迎えした理由
まずはセキショウモ。トチカガミ科セキショウモ属の水草です。
こちらも和名でセキショウモ(石菖藻)とついていますが、
Vallisneria asiatica
というわけで、バリスネリアの仲間となっています。
さて、セキショウモを今回選んだ理由ですが、
いつぞや炭酸水に浸け込んで大失敗しているので、そのリベンジというワケになります。
そんなセキショウモは、日本に自生しているぐらいですから、育てやすさも◎。CO2の添加量が少なくても、硬度が多少高くても元気に生長してくれる頼れる子。
とは言え、気になる点もいくつかあります。
まず、単子葉類ですから葉が根元から生え、さらにランナーで子株増えるタイプとなっています。そのため、ヘアーグラスと同じくカットした葉を「差し戻し」で増やすことができません。株が大きくなり、ランナーを出し子株が増えるまでじっと我慢ということになります。
また、酸性に弱いことも気になる点です。
前回はスネール対策として飲料用の炭酸水に浸け込んだのですが、葉が崩れ落ちるように溶けてしまいました。そのため、コケ駆除で木酢液を利用するのも難しいと思われます。
しかし、そんな欠点が霞むほどセキショウモは美しい草姿をもっています。
水面まで届きゆらゆらと揺れるスレンダーな葉と、長身とは似つかわしくない華奢な根元。
見れば見るほどに、日本人がもつ心のDNAに刻まれた何かが反応する美しさを持っています。
テンプルプラントナローリーフをお迎えした理由
次いでテンプルプラントナローリーフ。
聞きなれない名前ですが、みなさんおなじみキツネノマゴ科の植物です。
つまりハイグロフィラの仲間。
当然、ラテン語で属名+種小名の二名法を用いる学名で記すと……
Hygrophila corymbosa “angustifolia”
ハイグロフィラ(属名) + コンボーサ(種小名)
学名ではあまり見慣れぬ二重引用符内は、改良品種を指し示す部分であり、そこには形容語で「小さな葉:angustifolia」というラテン語が入っています。
ちなみにポリスペルマの学名はと言いますと……
Hygrophila polysperma
ハイグロフィラ(属名) + ポリスペルマ(種小名)
というわけで、ウォーターウィステリア(Hygrophila difformis)と同じく、流通名がついているハイグロフィラの仲間となっています。
それだけアクアリウムでよく用いられるということなのでしょう。
とにもかくにも、
このテンプルプラントを選んだ理由は育てやすいということです。
たしかに、キツネノマゴ科の水草は草丈が大きくなりがちという欠点こそあります。そんな点が気にならないほどに、光さえあればCO2の添加は少なくてもグングンと生長してくれます。さらに、多少の硬水もなんのその、おまけに新しい土を好む傾向にありますから、初心者さんや水草ご新規さん、そして気軽に楽しみたい人にはぴったりの水草となっています。
まさしくハイグロフィラ達はアクアリストに味方ですね。
とまぁ、あれやこれやとレビューを書くのは後日にするとして、ここからは到着から植え付けまで写真で紹介していきたいと思います。
水草がやってきた!!
今回の作業計画
実は写真撮影をすっかり失念していましたが、下の写真の様にすでに水槽右半分にあった陽性植物たちは撤去済み。
ここへ、これからダイソーのプラスチックトレーで作る水草寄せ植えプランターを設置。そこに、先日うっかり10L購入して余り気味なソイルを投入して丸ごと隠す予定です。
鉢植えにすれば水槽外で水草を植え付ができ、根が鉢の外の土壌に絡みつくこともないので、設置も撤去も簡単というワケです。
とにもかくにも、水草の到着を待つばかり。
水草到着
ピンポーン♪
早速水草が到着したようです。
今回〝も〟チャームにて購入。
たしかにアクアショップ巡りは楽しいひと時です。しかし、わたしは主夫ですから外にでる機会は限られています。
おまけに季節は夏。うっかり喫茶店に入ってアイスティーなんて飲もうものなら、ショップ巡りの交通費+軽飲食代=送料以上となってしまうことも。
今の時期、欲しいものが決まっているならば、なるべく通販を利用したいところ。時間、体力、金銭的にも節約になります。
なんて書くと、さもチャームの回し者のように聞こえるかもしれませんが、
今回も自費で購入しています。
(皆様に見ていただいた広告収入から購入しております。)
というわけで、無事注文の翌々日に到着。早速開封していきましょう!
段ボールを開けると、まず見えてくるのはプラスチックパッケージとビニール袋。
これを外すと、水分を含んだ梱包紙に丁寧につつまれた水草とのご対面となります。
セキショウモは柔らかな弧を描くように、テンプルプラントは両端が綺麗にまとめられています。
開けてすぐ写真を撮っても、絵になるような職人技。さすがです。
100均のトレーに水草を植えてみる
水草プランターを作る
まずは、今回はたった2種類だけですが、水草の寄せ植えプランターを作っていきます。
まずは↑のようなトレーを用意。こちらはダイソーの文具用ケース売り場に置いてあったもの。
こちらにコントロソイルをどばどばと注ぎ満たします。
そして、テトライニシャルスティックをさらさらとフリかけて……
このままでは植えづらいので、飼育水をいれて水田状態に。
これで植え付ける準備は完了!
続いて水草の準備をしていきます。
検疫は可能な限り行いましょう!
検疫なんて物騒な言葉は、生物系の人ぐらいしか知らなかったものなのですが、すっかり多くの人が意味を知る世の中になりました。
と、いうわけで、まずは新入りに余計なスネールやプラナリアが付着していないかチェックしていきます。とりわけ、水中葉で送られてくるものは入念に検疫しましょう。
方法はこうです↓。
カルキ抜きをした水でよく濯ぎつつ、目視で葉の表はもちろん、その裏側から茎、根本にいたるまで異物がいないことを確認します。可能であれば、手で触れて調べてみてもいいでしょう。カワコザラガイやサカマキガイは独特のプチっとした小石のような硬い感触を有しています。手で押してプチっと潰れれば間違いなくスネールです。
が、わたしたちの優れた視覚・触角をくししても、極小サイズの卵やプラナリアなどは入ってきても気づくことは到底不可能。
そのため、ここまで書いて本末転倒気味になりますが……
なるべく市販の薬剤(水草その前など)を利用しましょう!
急がば回れ。
ひとたびスネールやプラナリアたちの侵入を許せば、その駆逐に膨大な時間と労力を費やすことになります。
なお、過去スネール対策としてセキショウモを炭酸水で検疫したところ、溶けてしまった経験があります。また、「水草その前に」でも溶けてしまう水草があるようです。
このようにpHにより合う合わないがあるようですので、どのような薬剤でも、利用する前にはネットを使用例の有無を検索するといいでしょう。
なお、セキショウモにつきましては前回盛大に失敗しましたので、
今回は薬剤を利用していません。
スネールのことを考えるとリスキーですが、そこはチェリーバルブ軍団になんとかしてもらう予定。果たしてどうなることやら。
セキショウモのオモリのつけ方
さぁ、まずはセキショウモを植え付けていきましょう。
なお、今回は植栽後にソイルから抜けるのを防ぐため、スドーの水草のソフトおもりを利用しています。
が……
重金属に極端に弱い生体がいる場合は、植え直しが面倒ではありますがオモリは利用しない方がいいでしょう。
というわけで、こちらはセキショウモとスドーのおもり。
根元から新芽やランナーが生えるタイプの水草です。そのため根付近にグルグルとオモリを巻くのはあまりよろしくありません!……といつぞや書いたと記憶があります
が、そこはさすがのチャーム。
根元をみると意図的にランナーが3cmほど残してあります。
これはおそらく植栽したときにソイルにひっかかり抜けないように、もしくはここにオモリをつけるためでしょう。
今日はここにオモリをグルリと巻きつけててみます。こうすれば、ランナーや新芽に邪魔にならないはずです
ピンセットで植栽。
今回はお試しなので、レイアウトのことはとやかく考えず、テキトーに植えてみました。
トレー下半分は、テンプルプラントを植えるため、スペースを空けてあります。
テンプルプラントを植えてみる
次いでテンプルプラント。
サイズが大きいため、本来なら半分ほどに剪定してから植え付けといいのでしょうが……、それはいつでもできること。ご新規お迎えしたときは、とにかくこれ以上、無闇にダメージを与えたくないのが親心です。
そのため、特に何もせず茎にオモリを付けて植栽。
というわけで、水草プランターはこんな感じに。
……どうしてこうなった!?
という、がっかりネタではないのでご安心ください。
今は確かに、みんな好き勝手に倒れていて、とても「これを植えました!!」なんていえる状態ではありません。
しかし、かれらは水草。水の中に入れて、初めてその綺麗な草姿を見せてくれるのです。
できあがりはどうなった?
というわけで、水槽の底砂に穴を掘って……
ここに完成した水草プランターを設置。
最後に隠すようにソイルをかぶせると……
まだまだ水が濁っていますが、とりあえずの形になりました。
が、水草たちの姿勢はまだまだ。
こんな時は焦らず1日待ってみましょう。植物たちには光の方向に体を伸ばし、綺麗に生え揃える力が自然と備わっているのです。
というわけで、翌朝写真。
例のごとく餌の時間と勘違いしたチェリーバルブたちが群れをなしておねだりしています。
水はすみ、水草の姿勢は◎。
しかし、プランターの白地が少々見えてしまっていますね。
今回植栽した水草たち、葉は大きいものの、その根元付近はコンパクトのため底面は大きな広場ができているもよう。そこがプレコの格好の遊び場となっているようです。それが証拠に、夜中に幾度となく大きなヒレでブンブンと底床をかき混ぜている後姿を目撃。
プレコ愛好家として、それはそれで愛らしくほっこりしてしまうのですが。
そして、一週間後。
一見変わりありませんが、全体的に新芽が出て美しく育ち始めています。
また、写真では見えませんが、セキショウモからはランナーが出始めました。
というわけで、この2種は我が家では難なく育ちそうな気配。
程よきタイミングで植え直しをして、別途前景草を迎える予定です。
気になるプランターのフチは、追いソイルで何とかする予定。
というわけで今回はここまで。
長文読んでいただきありがとうございました。
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