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2024年6月29日土曜日

備えあれば憂いなし?深夜のフィルター緊急交換。アクアリウムの現実

深夜に判明したトラブル。果たして朝までに間に合うのか?

今回は、真夜中に発生した外部フィルター不調の原因調査、それから続くフィルター交換をしたお話。

持論として、常々「アクアリウムはプラモデルではありません」と申しております。
生き物を育て、お世話をする趣味だからです。

今回の事例はその一端。
夜中に急な対処に迫られる事態がありましたので、紹介できればと思い綴った次第です。

癒しなイメージが満載なアクアリウムですが、しかし生まれ出るトラブルはこちらの都合など一切お構いなし。結果、休息時間が無慈悲に食いつぶされていくとも多々あり。昨今のタイパやスケジュール重視の社会からは、かけ離れた趣味となっています。

水槽内に家族がいるんだからシカタナイネ。

今回は、てんやわんやしたある日を日記テイストでお送りします。
「そんなこともあるのね」と、これから水槽を始められる人の参考になればなれば幸いです。



虫の知らせ

きっと、4か月前に書いた2222の記事は、虫の知らせだったのだろう。

ベッドに転がって目をつぶってからというもの、どうにもパワーヘッドがうるさい。
ディーゼルエンジンのようなコロコロとした音が聞こえるのだ。本物の100万分の1と極小音。だが、なんとも耳障りであり、それがとろけていく意識を現実につなぎとめている。このままでは気になって寝られることはないだろう。

となれば、やることは1つ。
我慢し続けていては、ベッド上でゾンビになるだけ。翌日迫りくる眠気と戦い、一日中青白い顔ですごさなければならない。
であるなら、積極的に問題を解決し安眠を得るのみ。騒音解放戦士は掛け布団を弾き飛ばし、不眠の巣窟へ向かうのであった。

すでに深夜の1時半。
寝不足にナッチャウヨ。



パワーヘッドの不調


問題の切り分け

まずは、トラブルの系統的な切り分けを試みる。
本当に2222のパワーヘッドが問題なのか、それともろ材詰まりやアクセサリによる負荷で音がしているのか、はたまた直結しているサブフィルター2213なのか。
無意識に時計に目をやると針はほとんど変わらない。が、闇雲に動いて時間を浪費するわけにはいかないのだ。
夏至直近のこの日、夜明け時刻は午前4時、あと数時間もすれば西向きの出窓から朝日が飛び込んで来るだろう。そうすれば安眠など到底叶うはずはない。

フィルターの生存確認。
排水パイプを持ち上げてみると、いつも通りなみなみと流れ水面へと落ちている。ろ過停止ほどの緊急な問題ではなさそうだ。

安眠を妨害している犯人を探し始める。
初手、サブフィルターを切り離し、メインのみでまわしてみる。
暗い室内、ダブルタップをいじり吸排水ルートを変え、パワーヘッドに耳を傾けてみるのだが懸案の音は依然発生中。
さらに、吸水・排水アクセサリを撤去してみるもダメ、さらにろ材コンテナごと取り出して稼働させてみるもダメ。
ダメ、ダメ、ダメ。無情にも、フィルターは件の音を奏でている。



エーハイムのスピンドル&インペラは……高いっ!

問題はパワーヘッド。
となれば、故障してろ過停止となる可能性が、万が一にもあるともいえる。
こうなると爆弾だ。

音の原因はスピンドルかはたまたインペラか……。
そこしか見当がつかない。しかし、目視しても傷や破損は見受けられない。
だが、過去の経験よりこういった高速で回転するパーツは、少しのキズが重心の偏りになり異音が生まれることを知っている。
そして、その解消方法は、素人が修理できない部品である以上、交換しかない。
となれば……、スマホでamazonを見る。合計金額は上部フィルターの価格を優に超えている。

頭を掻きむしり、改めて考えてみる。
フィルターを動かさないことには魚は生きていけない。
だが、いつ炸裂するかわからない問題を抱えている。さらに、このコロコロ音では常時睡眠不足となるだろう。
ドウシタモノカ。

思案の結果たどり着いた先は……



20年保存し続けた予備機を復活させる


プロ2段がエコ3段には入らない

真夜中に物置を掘り返す。
予備で待機させてあるエーハイムエコMを頼ることにしたのだ。
20年間眠っているソレは、アクアグッズ倉庫の奥のさらに奥。
モスボールとまではいかないまでも、こんな時のために大切に保管されている。
ヘッドに張られた2233という番号。いまや主流のコンフォートシリーズでないことが、深い眠りについていた期間の長さの証明でもある。

そのまま風呂場へと直行する。軽く水洗いをするのだ。
シャワーの蛇口を開いた矢先、原付バイクがパタパタと音を吐き通り過ぎていった。いよいよ新聞屋も動き出したらしい。

大きなハンドルが特徴のパワーヘッドを外すと、白のろ材の中にウールマットが1枚とワセリンのチューブ。20年前のわたし、我ながら気が利いている。
早速ろ材の入れ替えを始めるのだが、ここで問題が発生。
エコMはコンテナ3段、2222は2段。それにもかかわらず、ろ材が収まりきらないのだ。

上段に詰め込まれていたのは旧式サブストラット。対して下段はバイオメック。
前者は生物ろ過、後者は生物物理ろ過に適したろ材だが、どちらかを半減した上で積み込まないと入りきりそうにない。
多孔質にするべきか、特殊なブロック形状にするべきか。1人酒でも飲みながら、どっぷりと長考し楽しむべき事案だが、今からそんなことをしていては夜明がふけ朝を迎えてしまうだろう。

幸いサブフィルターを利用していたため物理ろ材は十分。ならばと、バイオメックを下段、サブストラットを中・上段へと詰め込んでいく。
そして、残ったのはバイオメック半分。

独特の土臭さを放っているこのセラミックろ材、よく干してからしまい込むべきだ。
家族を起こさないようにベランダへ忍び足で向かうと、トラックのけたたましい音がひっきりなしに通り抜けている。日本の物流は通勤ラッシュを迎える直前に、ラストスパートをかけているようだった。
つくづく今日のメンテナンスは手が掛かる。

Made in Germanyが誇らしげ


エーハイムエコ系統の呼び水問題

グヌヌヌ……。

さっきから、器具をセットしパワーヘッドセットのハンドルを倒してみているのだが。
…どうにも動きが重い。
力任せにするには嫌な予感がする。

このエコシリーズは、独自の呼び水方式となっている。言うなれば、フィルターケース―をシリンジ、パワーヘッドをピストンに見立てた構造となっている。
ハンドルを引くとヘッドが上にスライドして負圧が生まれ、水槽から水を呼び込むのだ。

一言で言えば癖があり、言い換えればエポックメーキングなメカニズムだ。が、パワーヘッドのOリングの潤滑次第では動きが重くなり機能しづらいこともある。
こんな時はワセリン! 先ほど取り出したチューブからたっぷり塗ったくってやる。すると、パワーヘッドはヌルンんと収まっていった。
これで解決するだろう。


ふんぬっ……、ウヌヌヌっ!

だが、未だ重く呼び水は一向に始まらない。
諦めて押していたハンドルからぱっと手を離すと、スンと元の位置に戻っていった。

はっとして注意深く見てみる。なんとダブルタップのレバーが横を向いているのだ。
これでは、シリンジの先端を閉じた状態でピストンを引っ張っているよなものである。

(そこでを閉じてたら水も空気も引っ張れないよね……)

20年ぶりのお付き合い。
操作を間違うこともある。取り急ぎエーハイムのサイトで操作方法を復習する。
ソウソウ、改めてまずin側のタップを解放。
ツギハout側のタップ。
そして最後にハンド……る?

ザーッ! ゴボコボコボッ!

なんと、パワーヘッドに手にかけるよりも早く、フィルターに吸水され排水パイプからは空気が抜けていく!!

……どうやら、サブフィルター2213直後まで、サイフォンが利いているのを失念していたようだ。

イカンイカン。
デモ、ネムインダカラ、シカタナイネ

とにかく、呼び水だけで20分のタイムロス。

※ハンドルを下に引くと呼び水される仕組みだ


生き物を育てるということ


目を覚ましたエーハイムエコM

こちらの眠気など、どこ吹く風。
あっという間に満水になり、今か今かと電源をONにされるのを待っている。
それに応えてやると、20年の眠りから覚めたとは思えない勢いで水が流れていった。

しかし、改めてフィルターをセットしたときは、漏水が発生するのがよくあること。
電源をONにしたからといって安心せず、30分は見守りするのがわたしの決まり事である。
なのだが……、時刻はすでに午前3時半を過ぎている。空はすでに紫に染まりはじめ、あと30分もすれば明るくなり始めるだろう。
ホント寝不足になっちゃウよ。

でも、万が一の漏水、水槽内の渇水を考えると、放置しておくワケにはいかないのだ。
結局、布団に入り込んだのはすっかり明るくなった日の出直前。
アー、ヨアケガガガガ……

4:00夜明け、4:30日の出な夏至直近の理不尽さ。
それを恨まずには……、いや、もはや寝不足でそんな感情すら生まれない、ゾンビに成り果てたわたしであったのでした。



それでもアクアにはまる理由

そんなこんなの寝不足事件がありまして、アクアリムは生物系の趣味、ペットの範疇にあると再確認しました。
もし、癒され目的で激務の企業戦士がアクアリウムを始めると、共倒れの可能性も無きにしも非ずとも言えます。
疲弊した自分と地獄絵図しか残らない結末を迎えることもあるでしょう。

しかし、ふんだんに時間を使う分、観賞する以上に「育てる」充実感はひとしおであり、まだ見ぬ自分の可能性を開花させることもあります。
それこそが、アクア沼・ペット沼の入口にもなっているわけですが……。

というわけで、日記テイストでお送りしましたが、今回はここまで。
長文読んでいただき、ありがとうございました。



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