ろ材ネットの便利さを感じる物語
今回はろ材ネットのお話。
過去記事修正時に削除されたパートを編纂・修正の上、読み物半分、解説半分として投稿します。
なお、当記事で紹介する物品は全て自費で購入したものです。
ろ材ネットがあれば知らなかった苦労
2213と初めて出会ったのは青春時代を過ごした大学。海洋系の学科の友人が参加する研究発表会を訪れた時のことだ。クリアグリーンのボディから透けて見えたのはなんと大磯砂ならぬ地元の浜で取れた砂利。曰く、研究室ではセラミックろ材など使っていないとのこと。人工海水もしかり。たしかに、時折車から水でいっぱいのポリタンクを運び出す姿をたびたび目撃したが、あれは漁港で採った海水を研究室に運んでいたのだと言う。
それから数年、わたしもついにあの2213を手に入れることができた。当時は賛否両論のnew2213、ろ座固定盤ではなくろ材コンテナ付きとなったからだと、コアなマニアの友人は教えてくれた。
しかし、熱気漂うアクアリストの議論などどこ吹く風。コンテナと言えばセイロそのものなエコシリーズしか使ったことがないわたしには、むしろその方が清掃に、種類分けにと、万々歳な変更に思えたのだ。
だが、段ボールから取り出し、パワーヘッドを開け取り出して初めて付く。
分割式ではないのだ。
「え? これ、どうやってろ材分けるの?」
「でも……、使いたい、今すぐ使いたい! だって、あの2213だよ?」
わたしは、純粋な好奇心には抗えず、後先考えずにメックの上にサブストラット乗せ使うことにしたのだ。
そんなことをすっかり忘れて、あれからおよそ1か月。そろそろろ材清掃の時期となった。
まずはろ材を取り出すところから、と何の気なしにろ材コンテナを取り出すと、寸胴鍋のような細長い筒が現れるではないか。そこで改めて、勢いに任せた以前の行動を思い出し後悔する。
「どうすんのこれ?」
しかし、プレコ水槽で使っているだけに、ウールマットは木くずで茶色く染まりひどく汚れていた。怖いもの見たさでコンテナの下からのぞくと、飼料でグリーンに染まったメックの姿があった。
やるしかない。今やらねば遅かれ早かれ、プレコに悪い影響を及ぼすだろう。たとえどんなに時間がかかっても、清掃をするしかないのだ。
じゃらじゃらじゃら♪
ひっくり返してタライ全てぶちまける。
半分以上はサブストラットだが、この中から埋もれるメックを1つ1つ取り出すのだ。
従来のコンテナなら5分で済むはずの作業、ひたすら手を動かし続けること30分。なんとかゴールは見えてきたが……。
「ありえん!!」
そこには達成感などあるはずもなく、徒労感で誰もいない自室でぼやくぐらいしかわたしにはできなかった。唯一慰めてくれたのは新鮮な水が入り、喜ぶように尻尾をブンブン振り回してくれたプレコたちのみ。
下を見すぎて疲れた首を上げれば、時計の太い針はすっかり真上を指していた。
……そうならないためのろ材ネット。
値段も手頃ですので、2213では必ず利用しましょう。
ろ材ネットのメリット
以上失敗談を踏まえたうえで、ここからは利点と欠点を述べていきたいと思います。
メリット①:置き分け
まずは、その利点について述べていきたいと思います。
当然ですが、ろ材ネットに入れれば混ざり合いませんから、コンテナがなくても1つのフィルターで複数の種類のろ材を置き分けることができます。
例えばエーハイムメックにサブストラットプロという定番の組み合わせを利用する場合、それぞれを別のネットに入れて使えば、たとえ2213のような分割できないろ材コンテナであっても、上側にサブストラット、下側にメックなど、好きな順にセットできます。
これはわたしの体験談のように、実際に失敗しなければその利点はご理解いただけないかと思います。そもそも、最近はろ材コンテナという便利なものがありまして……、あ、いや2213は例外ですよ?
メリット②:ろ材清掃もらくらく
さらに便利なのがろ材交換時や清掃時。
ネットに入っているため、たとえろ材が何千粒と入っていても、楽に取り出せます。種類ごとに、好みの配合ごとなど前もって分けて入れておけば、そのひとまとまりごと取り出すことができるのです。当たり前ですが便利です。……言っていることが、もはや車輪の再発明ならぬ、便利の再発見レベルに分かり切ったことです。
とにもかくにも、これからクラシックシリーズを購入するみなさんには、山のようにあるサブストラットの中からメック選別するなんて、悪夢のような作業を絶対にしてもらいたくありません。同シリーズ含め2213を買うならろ材ネットは絶対に買いましょう。
さて、まとめて取り出せる特徴は、洗浄時にも効果を発揮します。なぜなら、ろ材の種類によってフリフリなのかそれともザッパンザッパンなのか、 違うことが多くあるからです。
まじめに書けば、ろ材と言っても物理ろ材なのか生物ろ材なのかで汚れ具合に大小が出ますし、またセラミックなのかプラスチックなのかで汚れの剥がれ方も変わります。
多くの場合において、全てのろ材をまとめて振り洗いすることは、いずれかにおいて洗浄の過不足が出るため、するべきではありません。ろ材ネットを活用しましょう。
しかし繰り返しますが、昨今の外部フィルターは、ろ材コンテナが階層構造になっており、何もネットを用いなくても享受できるので、今さらろ材ネットスゴイとはなかなかなりづらいかもしれません。
ろ材ネットのデメリット
次はろ材ネットのデメリットとなるのですが、はっきりとしたデメリットが見当たりません。以下は重箱の隅をつつくような話となります。
デメリットその①:ろ材ネットは基本別売り
一枚当たり数百円ではありますが、余計な出費がかかります。
気の利いたメーカーなら専用のろ材ネットをつけてくれることもありますが、基本的に別売りです。
しかし、クラシックシリーズなら、少額の出費でメンテナンス時には利便性が劇的に向上するでしょう。
ですから、機種によってはケチらずに購入するべきです。
デメリットその②:場所を取る
また、場所を取ることもデメリットです。
ネットで包みフィルターに入れることは当然、その分だけ体積を取るため、ろ材を詰められなくなります。
フィルターケースにギチギチになるほど入れたい人は気になるかもしれません。
そもそも、そのような利用方法はブーン音の原因となったり、水流量が減少しやすく頻繁なメンテナンスが必要であったりと、何かとトラブルが起きやすいので、わたしとしてはとしてはお勧めできません。
あくまで趣味ですから大きなお世話かもしれませんが、過去にわたしもろ材を目いっぱいギチギチと詰め込むのが好きでしたが、それが大きな失敗を引き起こしたため、あえて注意喚起をさせていただきます。
デメリットその③:通水性が落ちる
ろ材ネットの網目にゴミが引っ掛かって通水性が落ちることが十分に考えられます。
問題はろ材ネットの網目の細かさ。おしゃれ着用の洗濯ネットのような細かすぎるものを用いれば、それ自体が通水時に篩(ふるい)として機能することが考えられます。これでは、ネット内部のろ材にまで汚れが入り込まなくなるので、先頭に立って大きなゴミを取り除く物理ろ材にとって、この影響は顕著であるように思えます。
とはいえ、販売されているろ材ネットのほとんどは網目が大きいため、そのようなことが起きることはほぼありません。実際に、使用中のものを取り出して観察しても、葉や茎など巨大サイズのゴミならまだしも、残飯やソイル屑などの物理ろ過が作用するべきゴミは、しっかりと内側のろ材に入り込んでいることが確認できます。
が、洗濯ネットは別。流用するときに十分に注意をするべきです。
何にせよ通水あってこその生物ろ過。ろ材は6~8分目に詰めることをおすすめします。
今や外部でろ材ネットはクラシックシリーズのため?
なんだかんだで、ろ材を種類ごとに分けフィルターケースに収められるので、クラシックシリーズユーザーにはろ材ネットは必需品です。気になる点は場所を取ることと通水性ですが、詰め込み派でない限りデメリットとして感じづらいでしょう。
もっとも、今やそれらは全てろ材コンテナで済む話ですが。
あぁ、エーハイムから別売りでもいいので、多階層式のコンテナが出ればなぁ。
いつも拝見させて頂いております。
返信削除コンテナを引き上げてジャブジャブするとある程度汚れが取れるので楽ですね。
あまりろ材に触りたくないのでこの方法を重宝しています。
コメントありがとうございます。ろ材コンテナは本当に便利ですよね。
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