最近の更新(スクロールバー01)

釣り関係の記事はこちらへ移動しました。 (6/14)
【最近の投稿】
空気が出ない原因は長いエアチューブ?過度な節約から生まれた失敗 (7/3)
泡の細かさばかりじゃない!エアレーションで酸素が解ける本当の理由 (7/2)
ネオンテトラの泳ぎ方が変わった!エアレーション4つの注意点 (7/1)
水槽の立ち上げ試験紙全部買えない!?亜硝酸だけ分かれば十分の理由 (6/30)
水槽の底床掃除のタイミングはいつ?生き物を育てる深さを知った物語 (6/29)
水槽の底砂掃除はなぜ必要?熱帯魚飼育で底床を清潔に保つ2つ理由 (6/28)
流木のアクは活性炭で!アンモニア、亜硝酸、魚病薬は、どうなの? (6/27)
小さくても大きな安心。外掛けストレーナースポンジの役割とお手入れ (6/26)
掃除しやすい!美しさと実用性を兼ね備える魅惑のガーネットサンド (6/25)
水作エイトとスポンジフィルターはどう違うの?道具で迷った時の解法 (6/24)
水槽の夏対策の初手は今やタダ!?ライトリフトで夏を乗り切ろう (6/23)
どれだけ減ったか分かります?夏の足し水は命を守る大切な習慣 (6/22)
ブルーテトラの性格と混泳対策|美しい暴れんで大きな過ちをした物語 (6/21)
夏が来る前に知ってほしい!冷却ファン故障の兆しと点検法 (6/20)
静かな夜に泳ぎ出す魚の世界:夜のプレコ・ポリプテルスの観察の仕方 (6/19)
夜に消える金魚たち:ポリプテルスと餌金の記憶:その注意点 (6/18)
ポリプテルスが飛び出した!なぜ水槽にフタをするのか?その理由とは (6/17)
ちょっと待った!初めての外掛けフィルター、ろ材交換はよく考えて! (6/16)
小型水槽にプレコを入れテトラスポンジフィルターに助けられた思い出 (6/15)
ネオンテトラがパニックに!底砂を後入れした失敗談と注意点 (6/14)
夏だ!発酵式CO₂だ!……水槽が白濁!?逆流の恐怖と防ぎ方 (6/1)

2024年11月7日木曜日

水草アクアリウムでは、なぜ排水アクセサリを用いて水流を弱めるのか

なぜ水流を弱めるのか?

今回は、ナチュラルフローパイプやリリィパイプなど、水流を弱める排水アクセサリの必要性について記していきたいと思います。
なお、この記事は削除した過去記事を修正したものです。悪しからず。



水流と黒ひげ苔

近年の排水アクセサリの進化には目を見張るものがあります。

プラスチックにガラス、水流や水圧を弱めるだけでなく、エアレーションとして機能するものまで、実に多種多様な製品であふれています。ほんの20年前まではエーハイムのディフューザーやシャワーパイプぐらいしかない時代でしたから、つくづくその進歩には感心させられます。この目覚ましい進化の背景には、水草アクアリウムの認知度が向上したこと、それに伴い外部フィルターが普及したことがあるに違いありません。言うなれば、多くの方が排水アクセサリを利用するようになったとも言えるでしょう。

なぜ、人々は水流を弱めるのでしょうか。みんなが大嫌いな黒ひげ苔が好むからです。そのため、水草栽培では避けるべきものだと考えられています。

もし、時間があるのなら、ご自身の水槽で黒ひげ苔を探してみてください。生えているところは、きっと水の勢いが局所的に強い場所であったり、水の流れの境界になっている部分のはずです。例えば、前者はシャワーパイプや排水口、給水ストレーナーやエアストーンなど、後者はエアチューブや水温計・ヒーターなどのコードで見受けられるでしょう。

では、水草は? 
植物の葉は平たく薄く、飛行機の翼のような形をしています。実際、その外縁部は水の流れを分ける境界となっており、事実ほとんどの水草において黒ひげ苔の好発部位となっています。葉は柔らかい有機物ですから、苔にとってこれほど取りつくのに都合のよいものはありません。



黒ひげ苔の対処方法としての排水アクセサリ

ここで、黒ひげ苔の対処方法について考えてみましょう。被害の多い有茎草は器具とは違い大変柔らかいものですから、スポンジでごしごしと擦るようなことはできれば避けたいものです。しかし、素手で取ろうとしたり、ピンセットで摘まもうとすれば、強固に活着しているため葉そのものが破けてしまうこともあります。それほどデリケートなものなのです。

となれば、黒ひげコケを駆除できる生物兵器! と、いきたいところですが、そうもいかないのが現状です。例えば、サイアミーズ・フライングフォックスは黒ひげ苔を食べてくれますが、最大10cmほどまで成長すると言われています。基本的に水草水槽は観賞魚は小型魚かつごく少数で、徹底的に富栄養化を回避するものですから、おいそれと中型魚を入れるわけにはいきません。残念ながら、葉ごとトリミングしない限り、黒ひげ苔を「物理的」に除去する方法がないのが現状です。

もちろん、木酢液で化学的に苔を変性させる方法もあります。しかし、これはアヌビアスやミクロソリウムなどのように葉が厚くクチクラ層が丈夫な植物に対してのみ実施できる方法であり、ノウハウなく厚みのない陽性植物に用いるのは無謀だと言えるでしょう。実際に少しでも濃度が強ければ、葉は溶けるように腐り落ちていきますので、強い探求心を持つ人でない限り、おすすめはできません。

以上のような理由があるため、水流や水圧を弱め、黒ひげ苔が繁殖しにくい環境を整えるのが現在主流の対策方法となっています。しかし、ダブルコックなどで流量そのものを絞ってしまうと、水槽内の対流が弱まり溶存酸素濃度が低下し、生体に悪影響が出ることもあります。そのため、量を確保しつつ勢いを抑える必要があり、それをかなえるのがエーハイムのナチュラルフローパイプやADAのリリィパイプなど、水草用の排水アクセサリというわけです。


今回はここまで。
読んでいただき、ありがとうございました。



0 件のコメント:

コメントを投稿