通電ランプが点灯しない?
今回は、テトラ 26℃ミニヒーター100Wにありがちなトラブルについて紹介したいと思います。
が、その前に、まずは簡単にレビューを述べておきたいと思います。
縦に"も"使える
昔は、「ヒーターの縦置き」は禁じ手でした。なぜなら、正しく水温調節が機能しないことがあるばかりでなく、もし水位が低下したときには水面に出るため空焚きになる危険性が大いにあるからです。
とはいえ、ヒーターは水景を作る上で邪魔者以外の何物でもありません。何も知らないアクア初心者さんが縦に設置してしまうのは、至極当然なこととも言えます。
現在こそ縦置き可の製品が普及したので極めてメジャーな機能となりましたが、20年前は多くの人が待ち焦がれていたアイテムでもありました。
さて、実際に利用してみると、省スペース性能は抜群で景観は大変良好なものです。 とりわけレイアウトを気にしている水槽や小型水槽なら、そのメリットを最大限に生かせることでしょう。逆に言えば、大きな水槽や水槽奥側に流木や水草などで雑然としている水槽では、なかなか縦置きという恩恵にあずかれないかもしれません。
とはいえ、無理に縦に置かなくても、横置きでも使えるのがこのヒーターのもう1つ利点。やるだけやってみて、水槽に合わなければ横にして使うという柔軟さがあります。そんな懐の深さがあるのもこのタイプの利点です。
縦に使えるがゆえに若干気難しい
これは縦置きヒーターすべてに当てはまることですが、そもそも熱せられた水は上へと昇るものです。それを見越して加熱部やサーモスタットが最適化されたのが従来のヒーターであり、残念ながら縦置きでは性能をいかんなく発揮できません。
たとえ平時は問題なかったとしても、前回述べた通り室温が低すぎる場合や正しく水流が当たっていない状況では、縦置きのほうが水温が低下しやすい傾向にあるようです。現に、寒波が到来し双方とも26℃に保てないという真冬の室内では、同じ100Wのヒーターでも横置きエヴァリス製の方が縦置きテトラ製と比べて1~2℃高温をキープできたほどです。
もっとも、あくまで縦置き「可」なだけなので、そのような水温低下に見舞われた際は、まずは横置きに取り付けてみると良い結果になるかもしれません。たしかにレイアウト的な問題は生まれるかもしれませんが、生体に適切な水温を維持するには必要なことですから、多少の不満は諦めたほうがいいのかもしれません。なお、この問題の根本にはW数が不足しているという原因がありますので、1~2ランク上のものを用意すれば万事解決するはずです。
LEDが消えた?
そしてここからが本題。話はヒーターの設置までさかのぼります。まずは軽く洗浄し、水槽前側へ仮設置。そして動作確認のために通電させてみます。
問題なく稼働しているようです。
そして本設置。固く癖のついたコードに苦戦しながら、今度は水槽左奥へセット。LEDランプが光るまで水槽の前で待機し、稼働の最終確認をすることにしたのですが……
確かに赤く光ったはずなのに、配線を直してから本設置したらLEDが光りません!
とはいえ、水温の低下は起こらず……、どうやらヒーターは動いているようです。
となれば、設置時にLEDを破損したのでしょうか?
とにもかくにも、まずは状況を確認するため、カバーを軽く分解し、ランプの状態をチェックすることにしました。
今回点灯しなくなったLEDは、このようにヒーター本体に1つだけついています。当然ながらヒーター上端からはコードが、さらにヒーター本体にはキスゴムがはまっており……
カバーはこのキスゴムに取り付ける構造となっています。
(↑吸盤を穴に通すようにして、カバーを取り付ける。↓)
話をまとめると、カバーとヒータ本体は、キスゴムを介して取り付けられていることになります。
そして、今回の話の原因はこのキスゴムにあるようです。ゴムであるがためにヒーターに強く固定されておらず、手で動かすと簡単にくるくると回転してしまうのです。
ヒーターカバーはこのキスゴムと固定してありますから、壁面に固定した状態でコードを動かすと、カバー内側の本体はコードにかかった無理な力を逃がすようにしてグルリと回転してしまうのです。
ここで思い出してほしいのは、LEDライトの位置。円筒の裏表ではなく1か所にしか配置されていませんから、もし裏面に回ってしまったらライトが見られなくなってしまうのです。
この状況では……、わたしのようにLEDライトが故障したと勘違いする人も出るかもしれません。
というわけで、
初めて利用する時はともかくとして、「あれ? 最近なんだか通電ライトが点灯しているのを見たことがないな……」という人は、まずはヒーターが回り込みLEDの位置がずれていないかチェックしてみましょう。
キスゴムが1つだから……
そんなトラブルが起きるまで、コードをいじったのはキスゴムが1つだからです。
たしかに柔軟性の高い大きなものを利用していますから、キスゴムが1つしかないといえども固定力はなかなかのものです。しかし、2点で固定しないがために垂直に設置するにしても、水平に設置するにしてもうまくいきません。キスゴムの弾力や本体の重み、さらにはコードの垂れが加わって、意図せず斜めになりがちです。
そして、これを直そうとコードのよれを正しているうちに、LEDの位置がずれて今回のようなトラブルを引き起こしたというわけです。
もっとも、純粋に省スペース性を求めている人や、隠せばいいんだよ! という人は気にならない話です。しかし、もしあなたがヒーターをレイアウトの一部と考えて、パイプやエアチューブに至るまできっちりセットしたい几帳面なタイプなら、ちょっとイライラするかもしれません。
とにもかくにも、気になる癖があるものの、安価でなによりテトラブランド製品です。特徴をよく知ってうまく付き合いたいものですね。
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